花 樹木

山帰来の赤い実

山帰来 これが最後の赤い実だ。 山帰来の赤い実。 何種類もの木の実は 鳥の好物。 すでに 枝にそれはなく 山帰来の大きな粒の赤い実だけが 低い広葉樹の細い枝に囲われたように 絡んで揺れている。 枯葉になった丸い葉 鋭い棘のある蔓 大粒の赤い実。 棘が軍…

水仙の芽

水仙 会う人が皆 「寒いねぇ」と言う。 でも 薄いライトダウンを着れば なんて事はない程度の寒さだ。 毎日 広葉樹の葉が 風に吹かれ 踊るように落ちてくる。 それらの葉が重なった所に 瑞々しい緑の水仙が芽を出した。 12月の終わりから 3月の終わりまで…

黄色の葉っぱ 赤い実

樫の幼木の枝に 乗っかかるようにして 絡まっていたのは ガマズミの赤い実だ。 そして 私の履いているワークブーツの 足元に落ちていたのは 大きな黄色の葉っぱ。 強い北風 南風に吹かれて散り 山の中 道の脇に積もった 茶や 黄の葉っぱは 冬の始まりを語る…

遠い日の話

私の前に在る石は 哲学的な風貌で 背筋を伸ばし前を見つめる。 近くの山から持ち帰った 太い樅の木で作った台の上に 裏の河原で見つけた哲学石。 共に静かに 夕方の微かな光を受けている。 息づかいまでが聴こえるような空間で 飾り気のない 二つの物が 遠い…

机の上 枯れた紅葉の葉

枯れた黄色の紅葉。 表の机の上に落ちて来て 山陰から現れた 朝陽の強い光を浴びる。 風化途中の杉板の机に 鋭い影を落とし 風が吹けば 土の上に厚く積もった 紅葉の葉の上にふわりと重なるはず。 やがて 雨や夜露に晒されて 土に還る。 沈黙する静かな 枯れ…

心に残る物 ホオズキ

心に残る物 それは 石であったり 道に落ちている葉っぱだったり 松ぼっくりであったりする。 それらを 器に入れ 私の目の届く所に置くのが好きだ。 時期外れに姿を現したホオズキ。 数日前に 茎を手折り持ち帰ったものから ポロッと落ちた赤い実を 小さな角…

赤い紅葉

紅葉(こうよう)の美しさは 夜と昼間の気温の寒暖差による。 昼間が暖かく 夜は凍える程冷たい。 そんな日が続くと 錦繍と呼ぶにふさわしい 山の彩りになるのだ。 茶色と黄色の山を見上げ 今年の気候はどうだったのかと思い返す。 道路の脇に吹き溜まった茶…

季節外れのホオズキ

何年も前に お寺のそばの銀杏の木の枝を バッサリと切り その枝を小さな丘のように 積んである場所。 そんな枯れた細い枝の間から 細い茎のホオズキが 何本も ひょろりと顔を出していた。 青い空の下 明るい陽の光 オレンジ色のホオズキは 静かに下を向いて…

強風の一日

滋賀に強風注意報が出た。 朝から深夜まで 強い風が吹き続けた小屋の上。 谷筋の川に沿って 南からの風が吹き抜けた。 強風が苦手な私は 杉の林が 波打つように揺れるのに 心を不安にさせられる。 そんな昼間 奥の集落に住む 卵のヤマケンさんが 卵の配達に…

遅れて咲いたカガノアザミ(加賀乃薊)

カガノアザミ 立冬 なんと早い季節の移行だったのか。 落ち着かない世情に振舞わされ続けた。 周りを見渡せば 濃い緑の杉の人工林 その上に 紅葉(こうよう)の広葉樹 そして 明るい青の空。 トンビの親子が 輪を描く。 下を見れば 茶や黄に色づいた落ち葉が…

ベゴニアの花

花の盛りがすぎた小屋の周り ベゴニアの赤いのと ピンクのがまだまだ元気だ。 夏の初めに ポット苗を二つもらい 小屋の前に とにかく植えた。 目立たないどこにでも咲いている花。 ひと月 ふた月 み月 雨に打たれたり 風に倒されたり。 小さかった花の房は大…

輝く黄色い木の葉

山の村の朝の輝きは格別なものだ。 やっと顔を出した太陽が 夜露を浴びた 木々の葉っぱ 草 屋根 道路を輝かす。 ドアを開け 表に出て 冷たい空気を吸い込む。 黄色 茶色と日々濃くなる木々の移ろい 驚きの日々だ。 山を覆っていた朝霧が 日の光で スーッと消…

冬苺の赤い実

冬苺 冬苺の赤い実は どの木苺よりも美しい。 透明感のある一粒一粒が 蔓に実っている。 夏の終わり 白い野茨のような 凛々しい花をつける。 その花を覗きながら 秋になる赤い実を思うのだ。 甘くて赤い実を根気よく摘み 木苺ジャムを作るのは恒例の仕事。 …

一隅の秋

明るい茶色の葉っぱを 何枚も持ち帰る。 緑の時は 椿のような 厚みのある 光る葉。 虫に食われたり 強い風に吹かれたり 穴の空いた様 くるりと内側にカールした様。 水を入れた花器にそれらの葉を挿す。 琥珀色の葉の塊 2枚の枯葉 表は早い夕暮れで ライト…

今朝の散歩

タイチさんに 草刈機でバッサリと 刈られてしまった野菊。 しかし 刈られても 刈られても まだまだ いくらでも咲いている。 薄い紫に 黄色のシベ。 花びらや葉は 朝露に濡れて 冷たい空気の中で 咲いている。 私の皮のワークブーツも 朝露で濡れて 先っぽが…

カワガラスが飛び始めた

ガマズミの実 アキノキリンソウ リンドウ 赤いガマズミの実が群れている 枯れかけた葉の間の 小さな実 鳥達が啄んでいるのを 見た事がない。 アキノキリンソウは 鮮やかな黄色 どこに咲いていても すぐにわかる。 淡い薄紫のリンドウと共に ポキポキと手折り…

水に浮かんだダリア

枯れそうだからとはいえ 余りにも華やかな花を ただ捨てて 土に還すのは駄目だ。 白の大鉢に 水を張り 茎を切った萎れたダリアを浮かべた。 一晩 雨が降り続いた朝。 水に浮かんだ花は 花びらが解けた。 そして 溢れそうな水に 私の顔が映り その向こうに空…

黄色の葉っぱ

土に還る前の朽ちた葉っぱの上に 黄色の葉っぱが重なる。 その葉を 指でつまみ上げ くるりと回し 裏を見れば 雨に濡れた土が付いている。 どこから来たのかと 木々の枝を見上げる。 山のどこかから ひらりひらりと落ちて来た その 黄色の葉っぱは 居場所を見…

ダリアと松ぼっくり

ダリア ピンクとオレンジ色の 大輪のダリアの花を貰った。 デュフィーの描く フランスの壁紙の色だ。 朽ちかけた壁を思わせる花瓶の中 東の窓の側で 淡い昼の光を受けている。 そばに置いた2個の松ぼっくりが 静かな声で思い出を語る。 韓国 水原華城(スウ…

秋の花達

月見草 秋の花は 今が盛り。 曇り空の下でも 晴天の下でも 控えめな彩りで咲いている。 「小屋」の周りでは 何本もの秋明菊が 白い花びらを揺らし 川へ降りる 細い道には 邪魔になるほどのミゾソバが群れて ボロギクは 広い原っぱを我が物顔で占領し 風に そ…

栗の毬(イガ)

栗の毬(イガ) 道路脇に バラバラと散らばる栗の毬(イガ)は 見上げる山に根を張る あの栗の木からだ。 可愛い茶色の栗坊主を 抱き抱えていた毬(イガ)。 風の強い日に バラバラと落ちた。 晴れが続いた日々。 金星が輝き 星座も空に広がった夜 アスファ…

蓼(タデ)の花

山の向こうから まだ陽が昇らない時に 雨が降った後のように 夜露が草に残る。 秋の野草が 道路脇や木の根元に ひっそりと咲いている。 緑の葉から 赤く色づき始めた蓼を 何本も手折ると 指先が濡れた。 白の花器に挿した 淡いピンクの蓼の花は 上を向いて吠…

藪椿の実

藪椿の実 細くて 背の低い藪椿の木。 それは タイチさんのよく手入れされた 庭にひっそりと立っている。 その木に はっと目をひく2個の赤い実。 早生のみかん位の大きさのそれは 柔らかな布で 丁寧に磨かれたかの様に 艶やかに光っている。 固い実だと鳥達…

心地いい朝の空気

10月5日 朝 霧に包まれた山々 小屋の周り。 その霧が 太陽の光に当たると すっと消えてしまう。 後には あたりを包む冷たい空気が残る。 木漏れ日は輝かしく 朝露は草や木々の葉に残る。 顔を近づけ 露の中の反転した世界を見る。 秋明菊の白い花びらは …

輝く タフなミント

ミント 夏にひょろりと伸び 葉を茂らせ 風に揺れると 空気にいい香りを撒いた。 窓辺に置いたミントの鉢。 夏の終わりに 短く切った。 タフなハーブ ミントは 決して消えたりしない。 台風の強い北風が吹き去った今朝。 青空に小さな雲が北から南へ流れ 空高…

秋の花 今が盛りと咲いている

夏から秋の移行時の 花の端境期が過ぎてしまった。 今朝 小屋の周りを見渡すと 埋めた生ゴミから蔓を伸ばした先には 黄色のかぼちゃの花が。 ミゾソバ 野菊 ゲンノショウコ 名も知らない黄色の小さい花 帰化植物のブルーミストフラワー 加賀乃薊などが 今が…

朽ちた木っ端

湿った土の上に 重なって数年。 チェーンソーで切った 雑木の木っ端 軍手をはめた指で そっと裏返した。 現れたのは 白と焦げ茶の 力漲る木の造形だった。 人の感性と同じ数だけ 美しさの感じ方がある。 私は この朽ちた木っ端を見た瞬間 「おお!」と 心が…

枯葉を並べる

どこからか飛んできた 枯れた葉を 一枚ずつ拾い集め 風化した椅子に並べる。 そして その 朽ちていく様を愛でるのは 毎年の秋の事だ。 枯れた葉の 緩やかなカーブ。 穴が空いたり 裂けていたりと 表情が豊かな秋の葉達だ。 赤い枯葉を見つけるのは 少し後だ…

カガノアザミ(加賀乃薊)

カガノアザミ(加賀乃薊) 空気はからりとした 心地よい一日。 窓から入り込む緩やかな明るさ。 この明るさは 秋の色だ。 淡いピンク色をした 糸のような花びら 沢山の蕾をつけた 背の高い野生の花。 カガノアザミ(加賀乃薊)は 小屋の周りに 群れている。 …

秋の初め スダチの香り

朝晩の 寒いほどの冷気で 数日前から ストーブに薪をくべる。 半袖のTシャツの上に フランネルのシャツを着た。 うっすらと畳み皺のある軽いシャツ。 灰色の空と 頼りなげに風に揺れる芒の穂が 夏の盛りの 噴き出る汗の記憶を 忘れさせる。 知人がくれた 濃…