2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧
10月は本当に雨の多い月だった。 からりと晴れた日もあったのに ずっと雨が降っていたような気がする。 一面に苔の広がる原を歩くと 靴がふんわりとした苔に沈み その下は たっぷりとした水だ。 小さな茸は 苔の間から こっそりと顔を出す。 崖に張り付い…
図書館の裏の川の堤。 そこには 立派に育った桜並木が どこまでも続いている。 その桜の下に 簡素な木のベンチが 間隔をおいて並んでいる。 桜の花の季節には 花を愛でる人達で賑わう堤。 訪れる人の少ない今 並木や ベンチが 下を流れる川 比良山系の山並み…
夕方 慌てて図書館まで 車を走らせた。 夫の愛車 軽トラである。 本を返し そして予約本を受け取る。 「キネマ旬報」2冊。 人口2500人程の村の とても立派な図書館で。 表に出ると あまりにも美しい 夕焼け空が目の前にあった。 暗くなる前にと 帰りを…
アケビ(木通) 霧の様な雨が降った一日。 濡れても大丈夫と思って 傘もささずに飛び出すと 髪の毛も シャツも 湿気でくったりだ。 暖かい小屋の中で 飛び回るカメムシが 炊きたての熱いさつま芋の鍋をめがけ ダイブ そして 噴射。 「おお〜〜」 おいしく炊…
茸達が静かにこちらを見ている処から たらたらっと川に続く 短い下り坂がある。 そこには コンクリートで固めていない 川辺が続く。 川底が見え 澄んだ水が サラサラと音を立てる。 枯葉が積もり始めた その坂道を眺めながら 穏やかな景観がいつまでも 続く…
積まれた檜を チェーンソーで切っている辺りでも いくつかの茸が顔を出していた。 ナメコに似ているけど 騙されてはいけないよ。 ふかふかの苔から 気持ち良さそうに こちらを見ている。 まるで 海辺で見つけた貝殻だ。 朽ちた木に 涼やかな顔をしてうつむい…
滋賀の湖西の山の中。 冷たい空気と 朝夕に焚く薪の暖かさが とても気持ちがいい。 周りの山の色付きまで後少しだ。 「伐採して積んである檜を 薪にどうですか」 と 言うありがたい申し出に 夫と軽トラで出かけた。 車で5分ほどの 川べりの開けた場所だった…
さつまいもを沢山もらった。 日頃 甘いお菓子を食べている。 こんな時こそ 体に良さそうな 旬の食材を使った物を食べたい。 さつまいもをゴシゴシ洗い 縦に切り 電子レンジでチンする。 柔らかくなったさつまいも。 フライパンに入れ キャノーラオイルを回し…
今日も 焚き火をする。 毎日 夕方の 暗くなる少し前。 前の道を 「弟君」が車で通りかかる。 「少し寄っていこ」 と 暗くなるまで火の番をする。 火を見ていると なぜか皆黙る。 メラメラと揺れる炎。 火の勢いが弱まると 上に小さな木を載せる。 この火が萌…
夏の深い緑が色褪せて 何とも疲れた風情だ。 山の木々の重なりも あちらこちら黄や薄茶が入り混じり 夏の喧騒が去った後の 大きなため息が聞こえる。 あっという間に秋だ。 紅葉の季節はまだ先だが 秋を告げる朝霧が 小屋の周りから 山のてっぺんまで覆う。 …
案の定 暖かいストーブの側で ウツラウツラ・・・ 深夜になった今 写真一枚を載せて終わりにしよう。 台風時の茶色の川から やや透明感のある翡翠色の川に変わった。 葛湯みたいなとろけるような淡い色。 川べりの芝や茅も 穏やかな川の流れを 見つめている…
夕方5時。 何日ぶりかで雲が切れて 青い空が見えた。 台風の後から ずっと小雨で 冷たい日が続いた。 小屋の中にぶら下げた洗濯物が 薪を景気よく燃やした 暖かい空気で からりと乾いていく。 ストーブの側に椅子を置き ウツラウツラと 居眠りをする季節が…
とても面白い花をもらった。 花の名前を聞いたが すぐに忘れた。 束ねてあった輪ゴムを取り ハサミで切ることもせず そのまま 花瓶に挿した。 若い葉は赤く 成長した葉は緑で トゲトゲの 赤い実の様なものをつける。 二坪小屋の静かな白い空間に 突如 割り込…
あちらこちらの山肌に まるで そうめん流しのように 杉の木が倒れ 屋根が飛び 六日間の停電 十日間の携帯 電話の不通。 そんな去年の台風を思うと 昨日の台風はまだ我慢が出来た。 用意した発電機も カップラーメンも バスタブに溜めた水も 使わずじまい。 …
逞しい似た者同士。 生ゴミを埋めた土から どんどん双葉が出てくるカボチャ。 毎年同じ場所から芽を出し 上へと2メートル近くも伸び 黄色いマーガレットみたいな 花を咲かせるキクイモ。 去年の今頃 すっかりと芋を採ったつもりなのに。 カボチャの芽が 柔…
青い空に雲が浮かび 又 ある時は雲ひとつない 見事な青空の一日だった。 風はすっかり秋の冷たさで 空気はからりとしていた。 光はススキの穂を輝かせ そんな穏やかな秋日和。 台風が近ずいているニュースと この明るさとの落差。 夫が屋根のトタンに 赤い錆…
チャックの畑のボランティアとして 三ヶ月を過ごしたメリッサ。 カリブ海マルティニック島で生まれ 国籍はフランス パリ育ち。 黒い肌とモデルの様な体型をしている。 白い歯を見せて 元気に明るく笑う。 そのメリッサが もうすぐここを離れると 珍しいもの…
紫蘇の穂先を指先でしごく。 根気よく最後の一茎まで。 小さな花の萼。 ざるに山盛りだ。 流水で洗い湯がく。 湯が紫色に変わる。 出刃包丁でトントンと 刻んだ穂紫蘇。 砂糖 醤油 酒 そして 生姜のみじん切りと 鷹の爪の輪切り。 鍋に共に入れ コトコトと煮…
赤紫蘇の穂(花) 赤い紫蘇の花が咲いた後 その紫蘇の穂を摘み取り さっと湯がいてアクを抜く。 花の後の 小さく硬い萼。 包丁でそれをザクザクと切り 醤油 砂糖 酒で カラリと炊き上げる。 冷凍庫に保存すれば 一年中たべられる と トミコさんが言う。 茎に…
加賀の薊(カガノアザミ) うなだれて咲く 秋の薊。 「加賀の薊」が 今 真っ盛りだ。 淡いピンクの 小さな花。 沢山の蕾が これから先 まだまだ咲いてくれるだろう。 夜になると 小屋の中は肌寒い。 ストーブに薪をくべ 半袖のTシャツになり 外に激しく降る…
石を低く積んだ炉。 そこに毎夕 木を燃やす。 メラメラと燃える木。 杉の枝 松の木 時には 廃材 廃紙。 どんな木も 暖かい。 そして その周りは空気も乾くのか? とても気持ちがいい。 夏でも 冬でも 火を燃やす。 形を変えて 燃え上がる炎。 そこに 刈った…
金木犀(キンモクセイ) 姿は見えないのに どこからか香ってくる。 甘い濃密な香り。 9月の終わりに きちんと律儀に咲いてくれる。 どこに咲いているのかと 香りを辿って行くと・・・ 「あった!」 ケンジさんの庭の入り口に 満身創痍の姿で立っていた。 雪…
ひなげしみたいな白い花びら 黄色のしべ 細い茎に 形のいい葉っぱ。 シュウメイギク(秋明菊) 土を選ばず どんな所にも しっかり根付く。 根っこを掘り出すと 葛でも採れそうな しっかりした形をしている。 静かで可愛い花の 見かけによらない 逞しい生命力…