自然

除雪車

今日も うちの小屋の前を除雪車が通る。 黄色の体に 大きなタイヤ 地響きを立てて 近づいてくる。 いつも2台でやって来て 前の車が雪を掻き 掻き残したのを 後ろの車が 几帳面にさらっていく。 夜が開けない暗いうちから 吹雪の中を雪を掻く。 除雪の終わっ…

ぱくぱく食べて 除雪に精を出す

18日 友達に雪の写真を添付して送信する。 すると 「シベリアにいるのか?」という返信。 冗談だろう。 京都は青空のいいお天気だ。 本当にそう思ったのかもしれないな? 京都から私の住む山の村まで 車でたったの50分ほど。 でも 峠のトンネルを抜けると …

晴れた日は 鳥も喜ぶ

朝のヨーグルト 朝目覚めて 窓から見えるのが 雪の降る灰色の世界ではないのは 嬉しいものだ。 今朝7時前 東の山の向こうに 太陽は隠れたまま。 しかし 空は明るく晴れ 曙色の名残を残す。 晴れた日は鳥も喜び 遠く近くで 鳴いている。 耳を澄ます・・・ 明…

ファゴットの音色

14日 午後5時 朝の窓の向こうは 横殴りの北風に吹かれる 雪の景色だ。 走る車もなく 除雪車が通った後も すぐに雪が積もり出す。 昨日 小屋の周りの雪を 歩けるだけの幅に除雪をしたが その後にもう40センチほど 雪が積もった。 こんなに雪が積もるのは…

熱いミルク紅茶

一日中雪が降った。 雪の合間に 外の空気を吸いに 散歩に出た。 冷気が気持ちいい。 道路の雪が 靴の下でバリバリと音がする。 川の色は 鉛色。 流れる川音も 鳥達の鳴き声も聞こえない。 音が 雪に吸い込まれていく。 灰色の無音の世界。 明日も続くとニュ…

動物達の足跡

鳥の足跡だ。 ヒョコヒョコ ヒョコヒョコと歩いた跡だ。 少し大きな鳥 カラスか ヒヨか 野鳩が 何かを思いながら 真っ直ぐに。 雪の上には 色々な足跡が残る。 鹿 狐 テン 猪 もっと小さなイタチなど。 小さな小さなヤマネは ふかふかの寝床で冬眠中。 夜が…

鳥の寝床

杉の硬い樹皮と木の間の 茶色の薄い皮。 それを上手に剥いで 枯れた葉を間に編み込んだ 柔らかなクッション。 薪棚の薪の上に 溶けた雪の雫で濡れていた。 一体誰の寝床なのか? コツコツと丁寧に作られた巣を見ていると かつての人間の寝床も こうだったの…

晴れた雪の日々

冬の日 灰色の空と とどめなく降る雪に 心が押し潰されそうな時もある。 そして 雪が止み 力強い朝日に 世界が輝く時 白い景色はこんなにも美しいのかと 除雪の手を休め 周りを見回す。 屋根のつららは 朝の日を受け ポトリと雫を落とす。 北欧のガラスの器…

薪棚

薪棚 小屋のそばに ストーブ用の薪を積んだ棚がある。 小さく見えるが 結構な量をストックできる棚だ。 雪を被ったその姿は可愛く 生クリームをたっぷり載せた ケーキに見えなくもない。 春になり 雪が消えると 夫は残った薪や空いた所をチェックする。 薪の…

日常の始まり

2021.1.4 こんがり焼けたパンに バターを塗る。 バターの溶ける香り 熱いミルク紅茶の湯気 それは私にとって 平和な日常の証しだ。 水を含んだ 大きなボタン雪の 北から南に降るのが 湯気で煙った 窓ガラスの向こうに見える お正月は 久しぶりの大雪の除雪で…

大雪の日

近所 27日4時 昨日 今日と たっぷりと雪が降った。 ニュースでは 彦根が大雪だと報じているが 私の住んでいる村は もっと大雪だ。 うちの小屋の屋根も周りも 車の上も 厚い雪で覆われた。 停電が3回 光ファイバー回線が切れて インターネットとテレビが…

琵琶湖畔 冬枯れの木々

琵琶湖西 新旭 琵琶湖畔に茂る木々は 自然に生えて 大きくなった。 そばに車の道路が出来ても 元の姿をよく残している。 春から 夏にかけ 深い緑が塊のようになり 秋 冬になれば 葉が落ちて 細やかな枝の 銅版画の様な姿になる。 車で出かける時は いつも急…

アケビの蔓に 山帰来の赤い実

トミコさんから 赤い実があるけど 採りに来るか? と電話がかかってきた。 雪の降る数日前だ。 そこは明るい林道の側。 山帰来の赤い実が覗いていた。 8、9年履いている 皮の編み上げ靴の裏はツルツルで 坂を昇り降りする時に 見事に滑って転げ落ちた。 ズ…

雪が降ると 必ず思い出す本

雪が降ると 必ず思い出す本 数冊。 「大草原の小さな家」の続編「長い冬」に描かれる アメリカの歴史に残るー40度の大雪の冬を インガルス一家は力強く乗り切る。 「イングランド田園讃歌」 イギリス オックスフォード郊外の 美しい田園の広がる小さな村に暮…

オチヨさんの家

オチヨさんの家 午後4時前 夕方 オチヨさんの家に用事があって行った。 95歳か96歳か 家事をこなし 朝食の用意をし 冬以外は自分用の畑で野菜を作り 春には山で蕨を山ほど採り 人生で8回 新鮮なマムシの心臓を食べ それで元気なのだという あの オチヨ…

今冬初めの雪

18日 朝 夜から降り始めた雪。 目覚めて 窓から見えたのは 思ったよりも ずっと深い雪景色だった。 ドアを開けて表に出ると 除雪された道に 又 雪が積もり始め 車のタイヤの美しい跡が残る。 昼を過ぎても まだ降り続き 屋根から重い音を立てて 雪が落ちて…

深夜の雨

15日午後4時半 深夜に雨が降り始めた。 朝 目が覚めると 雪が降っているかも知れない。 二日前の夕方の空。 南の空に浮かんだ雲が 淡いバラ色に染まっていた。 私の大好きな こんな雲の表情。 明日からしばらく 灰色の日が続くはず。 この 心躍った夕空を…

月の宵

夕方5時半 タイチさんの家を出たのが 夕方の5時半過ぎ。 暗い道を 食パンと豆大福の入った袋を持ち 200メートルも離れていない うちの小屋まで歩く。 タイチさんの奥さんは 私が帰り際に 必ず何かのお土産を持たす。 今日は食パンと豆大福。 すでに暗い…

形のいい枯葉

杉の人工林の暗さは 歩いていても 気持ちまでもが暗くなる。 黄色や茶色や赤の葉っぱの木々なら どんなに明るい空間だろう。 山の中に倒れている広葉樹は 風化した様さえ 美しい。 林道を埋める茶色の杉の枝 日陰カズラの緑 そして 山の上から飛んできた広葉…

夕暮れ

1日に何度か見上げる空。 重くのしかかる雨の日 風の強い 雲が走り去るような日 心が下向きになる。 夕方の 薄い雲の向こうに 白く輝く月は半月。 忙しなかった今日も 穏やかな空を見上げて やれやれだ。 湿った木を燃やす 焚き火の煙が谷筋に漂う。 人の気…

思索的松ぼっくり

雨の日に 足元に転がっていたのを ズボンのポケットに入れ 持ち帰った松ぼっくり。 しっかりと身を閉じ 頑なな姿 テーブルの上で 考え込んでいた。 冬がやって来て ストーブに薪をくべる。 頑なな松ぼっくりは ゆっくりと笠を広げ その姿は やはり思索的。 …

鳥たちは言葉を持つ

私がドアを開け 表に出る。 頭上から ジジジジーとシジュウカラが鳴く。 この鳴き声に意味がある事を知ったのは数年前。 NHKのテレビ、ラジオ番組。 京都大学の鈴木俊貴さんが シジュウカラの鳴き声に 言葉があり 文法もあると検証した話を聞き 見た。 「蛇 …

輝く金星

金星 日が暮れて 焚き火をしながら 外の用事を続けた。 キンと冷えた夜気の中 火の暖かさと灯りが嬉しい。 南の空には金星が明るく光る。 黒い杉の木の上に光る星。 ゴッホの星と糸杉みたいだ。 薄く靄のかかった黒い空。 砂を撒いた様に光るいつもの星は 今…

深く息を吸う

夜の間に雪が降り 朝には ポタポタと雫となって落ちた。 葉の落ちてしまった枝の向こうに 透けて見える空。 その空は青く 広がる雲は白い。 吹く風は 冷たく顔にあたり 景色も 空気も 清らかな冬の色になった。 深く息を吸う。 冷たい空気が 体の隅々にまで …

初冬の朝

紅葉 降り出した強い雨で 少し残っていた紅葉の葉 銀杏の葉は すっかり落ちるはずだ。 山の中を西から東へ流れる川の谷筋を 風が上ったり 下ったりする。 10代に読んだ ヘルマン・ヘッセの 「春の嵐」の最初に 荒々しい風の描写があった(様に思う)。 風…

冬がやって来た

図書館の裏の堤から 氷雨 雹 霰が 降っては止みの1日。 冬がやって来た。 そして 除雪車がいつもの山際に待機した。 「タイヤをスタッドレスに替えないと」と 急に気忙しくなった。 冬の準備を何もしてない気がして 今になって慌てている。 昼過ぎ 図書館に…

山帰来の赤い実

山帰来 これが最後の赤い実だ。 山帰来の赤い実。 何種類もの木の実は 鳥の好物。 すでに 枝にそれはなく 山帰来の大きな粒の赤い実だけが 低い広葉樹の細い枝に囲われたように 絡んで揺れている。 枯葉になった丸い葉 鋭い棘のある蔓 大粒の赤い実。 棘が軍…

水仙の芽

水仙 会う人が皆 「寒いねぇ」と言う。 でも 薄いライトダウンを着れば なんて事はない程度の寒さだ。 毎日 広葉樹の葉が 風に吹かれ 踊るように落ちてくる。 それらの葉が重なった所に 瑞々しい緑の水仙が芽を出した。 12月の終わりから 3月の終わりまで…

黄色の葉っぱ 赤い実

樫の幼木の枝に 乗っかかるようにして 絡まっていたのは ガマズミの赤い実だ。 そして 私の履いているワークブーツの 足元に落ちていたのは 大きな黄色の葉っぱ。 強い北風 南風に吹かれて散り 山の中 道の脇に積もった 茶や 黄の葉っぱは 冬の始まりを語る…

遠い日の話

私の前に在る石は 哲学的な風貌で 背筋を伸ばし前を見つめる。 近くの山から持ち帰った 太い樅の木で作った台の上に 裏の河原で見つけた哲学石。 共に静かに 夕方の微かな光を受けている。 息づかいまでが聴こえるような空間で 飾り気のない 二つの物が 遠い…