自然

灰色の日

ウツギの枯れた実 雪と雨の灰色の日。 灰緑色の 毛糸の帽子を被り 外に出る。 コローの絵の灰緑。 アイルランドのアラン編み。 私が そんなふうに 思っているとは誰も知らないだろう。 どこにでもある 普通の毛糸の帽子。 ビービーと鳴きながら 川面すれすれ…

鮮やかな赤のミニトマト

鮮やかな赤の小さなトマト。 実を 指で摘み 口に放り込み 奥歯で噛み締める。 弾ける食感と 甘酸っぱい野生の味。 送られて来た箱に 菜花 キャベツ ほうれん草 八朔 そして ミニトマト。 温暖な地で 太陽の光をふんだんに浴びて育った。 ざぶざぶと水で洗い …

巣ごもりの一日

朝 カーテンを開けると 北風に吹かれて 雪が横流れに降っていた。 屋根に積もった軽い雪。 煙のように舞う。 小屋の前の道路は たまに走るバスのタイヤの跡が消えない。 軽い雪は 歩くたびに 靴の周りでふわりふわり。 車に積もった雪を落とすと それも ふわ…

松ぼっくりと私

「ん・・・?」と 私は立ち止まる。 枯れたシダに引っかかった 枝のついた松ぼっくり。 見上げた空に 松の木は見当たらず どこから やって来たのか。 そして いつから ここにいるの? 強い北風の吹いた日に 高い松の枝から離れ 空を舞いながらの 短い旅。 小…

一月半ばの今日

暖かくなると 天気予報で言っていたが 私はいつものように フード付きのコートを着て歩いた。 寒さ 冷たさはまだまだ続く。 一月の半ばの今日。 暮れにオチヨさんに貰った 栃餅 蓬餅 白餅を ついに食べ切った。 お手間入りの自家製餅。 大きくて 食べ応えが…

見事なツララ

氷柱(ツララ) ぽとり ぽとりと 清らかな伏流水のツララから 溶ける雫。 山の上から 地の中を流れた水が 辿り着いたところがここだ。 誰もが声を上げる。 「わあ これは見事だ」 透明なとは こんな事を言うのだ。 なんの混ざりけもない氷。 持ち帰り 夏にグ…

枯れた花のセピア色

ブルーミストフラワー 若い頃 それは もう随分前になるが 枯れた花 ドライフラワーを 好んで飾っていた。 スターチス バラ ストック どんな花も 最後には壁にぶら下げて よく乾けば 大きな広口のガラス瓶に入れた。 その嗜好は今も残り 道を歩いていても 枯…

灰色の空の下

まるで 考えて立っているかの様に 幹を 程よく曲げ 枝を捩っている柿の木達。 北から吹雪いた雪を受け止める。 灰色の空の下 何かを話しているように立っている。 それは 私の心に届くのだ。 立ち止まった私は 腕を組み 枝を抜ける風の声を聴く。 灰色の日は…

凍った雪に閉じ込められた杉の葉

昨日 雪の道を歩いた私の足跡が そのまま残っていた。 スノーシューズのソールの模様。 そして アスファルトの道は 凍ってツルツルと滑る。 夜の間に どっさりと雪が降るものだと思っていた。 朝 窓から見えた空は 青く輝き 表に出ると キーンとした鋭い空気…

静寂な風景

お正月に降って黒ずんだ雪が 夜に降った雪で 又 白く覆われた。 雪を踏むと バリバリという音。 谷にかかる橋の上は 凍ってツルツルと滑り 顔にあたる風は とても冷たい。 気温が下がって来ているのだ。 杉の枝に乗っかった軽い雪が 強い風で 白い靄のように…

雪の中から 枯れた花

雪の中から 顔を出す 細い茎と枯れた花。 白い紙に 焦茶色でさっさと描いた様だ。 首を傾げて じっと耳を澄ましている。 ざーざーと流れる川の音を 聴いてる様に見えないか? 空は暗い灰色 細かい 湿った雪が 風に吹かれて 私の顔にあたる。 そんな時に 道を…

藪柑子(ヤブコウジ)夢を見ながら春を待つ

ヤブコウジ(藪柑子) 雪の消えた崖のあちらこちら 小さな赤い実のヤブコウジが顔を出す。 「おや! まだいたんだね」 色のない世界で 小さな赤い実は 探さなくてもすぐ分かる。 山の中 崖の辺り 朽ちた葉や 茶色の杉の葉の間で ひっそりと生きている。 又 …

冬の明るい日の朝

朝の9時半ば。 太陽が山の上に顔を出す。 目を開けていられない程の輝きを 山や林や川 そして私に 惜しげもなく注ぐ。 身震いするような 冷たい空気の凛々しさが 「背筋を伸ばして歩こうよ」と私に言う。 一本道のアスファルトに撒かれた 砕けたガラスの様…

昼間に輝く白い半月

午後4時 雨や雪がずっと続く事はない。 2、3日降れば 青空が現れる。 今日がそんな日だ。 軽やかな雲が 淡い空色の空を 渡って行く。 昼間に輝く白い半月。 黙して 優しく我々を見下ろす。 屋根から 大きな音で雪が落ちる。 そして 杉の枝からも。 猿の群…

静かな白い世界

20日 朝 太陽が昇る前に 雪が止んだ今のうちに 深とした雪景色の写真を撮りたい。 ズボンのポケットにスマホを入れ 「滑らないように」と 雪に覆われた 低くて 短い階段を ゆっくり降りた。 雪を踏みしめる靴の音が響く。 私を取り囲む山も 道も 原っぱも …

霙のような雪の日

毎日雪が降っている。 一日目はサラサラとした雪で 30センチほど積もった。 今日は霙のような雪だ。 滋賀の南 大津や草津の友達からのメール。 「曇ったり晴れたり。今は青空です」 屋根から 冷たい雪解けの雫が ポツリ ポツリと落ちる。 陽があたると キラ…

小さな鳥がくれる 大きな安らぎ

ウグイスが 薪の棚の辺りを 止まっては飛び 飛んでは止まり。 そこに シジュウカラがやって来る。 野鳥達は 小屋の周りの あちこちに潜んでいる カメムシが大好きだ。 薪の間に 気持ちよく寝ているカメムシを 上手に見つけては咥え 喜んで飛び立つ。 一面の…

雪の日の杉の人工林

杉の人工林は 深い緑色の塊だ。 春の明るい芽吹きの時 秋の輝くような紅葉の時 杉は暗く 全く面白みのない林の姿だ。 強い風が吹けば 地鳴りのような音をたて 杉林は塊となり うねるように動く。 雪の降る静かな日 杉の山や林は 粉砂糖の様に 白い雪を纏い …

冷たい雨の日に食べる温かいさつまいも

友達が持って来てくれた さつまいも。 タワシでゴシゴシ洗って 大まかに切った。 耐熱皿に並べて ほんの少しの水を注ぎ 電子レンジで6分。チンをする。 熱々 ホクホクのさつまいも。 美味しいのは 言うまでもない。 冷たい雨と霙がずっと降り続いた今日。 …

久しぶりに見上げた夜空

京都から 友達夫婦がやって来た。 沢山の野菜を貰ったので 助けて欲しいとメールしたら 今日 来てくれた。 お昼ご飯を食べ 話し 野菜を車に積み 焚き火をし 暗くなれば星を見た。 Wのカシオペア座が 北にくっきりと見え 人工衛星が明るく飛び去った。 暗くな…

冬至を待つ

午後4時半 一日中 雨が降った。 雪が降るまでにやっておこう と 計画した外仕事が出来ない。 傘をさして 外に出ると 山を包む白い靄が ゆっくりと姿を変え 鳥の声も聞こえない。 美しく静かな 灰色の世界に包まれる。 まだ冬は始まったばかりなのに 私は 明…

冬苺のジャム

冬苺のジャム 冬苺とほんの少しのクロスグリ。 砂糖たっぷりで煮詰めて 紅色のジャムが出来た。 小屋の周りで摘んでは 冷凍庫で貯めた紅い実。 晩御飯のおかずの鍋の隣。 小さな琺瑯のミルクパンの中で グツグツと泡立った冬イチゴ。 白のミルクピッチャーに…

乙女ヶ池の辺り(3)

葉の落ちた冬の木の造形。 それは 空をバックに 大胆で 且つ繊細だ。 名前の知らない木の枝に 名前の知らない鳥が休んでは 忙しなく鳴いては飛び立つ。 琵琶湖畔に自生する 木々の樹形の面白さと巧みさ。 湖畔を運転する時 湖岸にそって並ぶ木を見ながら 「…

乙女ヶ池の辺り(2)

乙女ヶ池 乙女ヶ池は琵琶湖の内湖だ。 周りを人家と木に囲まれている。 私が行く時は いつも波も立たず穏やかな顔を見せる。 鴨が4、5羽水面に 鳶が頭上に舞っている。 空を行く雲が 湖面を流れて行く。 コツコツと靴の音が響く 木の遊歩道から外れ アスフ…

乙女ヶ池の辺り(1)

湖西 琵琶湖の内湖 乙女ヶ池がある。 JR湖西線の近江高島駅のすぐ近く。 池の西側の木道を歩きながら見る 池や木々がとてもいいのだ。 その木道には いつも人はいない。 私一人が 鴨の声を聞きながら ぶらりと歩く。 池の周りの自生の大きな木々 少し離れる…

山帰来の赤い実

山帰来の実 落ちた紅葉の葉っぱが しっとりと 雨に濡れて朽ち 見渡す景色は 白い靄の中で ぼんやりと浮かび上がる。 落ちてしまったのか 鳥に食べられてしまったのか ポツリ ポツリと蔓に残る 赤い実は山帰来。 茶色の風景の中 鮮やかな色で 鳥も私も惹きつ…

紅い枯葉

白い花のサルスベリの葉 もうこれで 落葉拾いはやめよう。 最後に拾ったのは 枯葉になっても 紅色が褪せない サルスベリの葉。 からりと乾き 掌で握りつぶすと カシャカシャという音をたてて 砕けてしまう。 朝から 霧雨が降ったり止んだりした1日。 道路脇…

枯葉を生ける

道路の脇も 山の中も 小屋の周りは 茶や黄 紅の葉ばかり。 昨日の強い風で 山の木々の葉は 一気に飛んでしまった。 からりと乾いた フォルムのおもしろい葉 大きな葉 色の違う葉。 それらを 数枚持ち帰る。 水を入れない 白い花器に 大きな黒い葉を。 茶色の…

落葉 土に還る準備

小屋の周りの落葉樹は 貰ったり 勝手に生えてきたり 山から持ち帰り植えた物ばかり。 中々大きくならないなぁ と 思っていたら 最近は 急に上に伸び始めた。 暗い針葉樹が山を覆っている。 小屋の周りが落葉樹ばかりなのは 少しでも明るくと思っての事だ。 …

小さな秋の風情

サルスベリの葉とココアクッキー 櫟(クヌギ) 楢 栃・・・ 茶や黄色の落葉が多い 小屋の周り。 その中で 一際目を引く 紅色。 白い花の咲くサルスベリの葉だ。 「おお 私を感動させるんだね」 たくさん拾い 箱にでも詰め 保存して 思いついた時に愛でたい。…