黄色のキノコ

朽ちた葉の間に顔を出すキノコは 鮮やかな黄色だ。 朝の陽の光を浴び 控えめに輝いている。 川の水音 鳥の鳴き声を聴き 時折走る車の音に 轢かれはしないかと怯えながら ここがいいのだと 明るい黄色の傘を広げた。 初めて見る 明るい表情のきのこに 今朝出…

茹で栗

もらった茹で栗を コロコロと器の中に。 大きいのやら 小さいのやら。 山の中の 栗の木の下 茶色のイガから 顔を見せた栗の実を 軍手をはめた手で 一つずつ拾い・・・ といった情景が浮かぶ。 それを アルミの大きな鍋で茹で 上手くいったかな?と 試しに一…

桜の木のスプーンとバターナイフ

私が毎朝使う スプーンとバターナイフは 桜の木で出来ている。 小屋の近くの山で 何年生きたか知らないが 薪用にと貰った 桜の木だ。 切り口から 甘い香りを放ち 燃やしても 小屋中に 香りは充満する。 その桜の木で 夫がスプーン フォーク バターナイフ等を…

カガノアザミ(加賀乃薊)

カガノアザミ(加賀乃薊) 空気はからりとした 心地よい一日。 窓から入り込む緩やかな明るさ。 この明るさは 秋の色だ。 淡いピンク色をした 糸のような花びら 沢山の蕾をつけた 背の高い野生の花。 カガノアザミ(加賀乃薊)は 小屋の周りに 群れている。 …

トンビが描く大きな円

18日の空 台風14号は 私の住んでいる小さな小屋を 痛めつける事もなく過ぎ去った。 非常に幸運な事だ。 強風雨が近づくと予想された 深夜の時間帯に 表では コオロギの鳴き声が盛んだった。 夜が明けて 小糠雨が降り続く間の 雲の切れ間から覗いた青空。 …

黒の桝目に若緑

大根(?)の芽 チャックの畑 チャックは 途切れる事なく 発芽用ポットに 何かのタネを蒔いている。 ハーブであったり 野菜であったり。 小さな発芽用ポットの土から 小さな双葉が出て それらが 並んでいる様は 幼いエネルギーの発露。 強い雨に打たれたら …

秋の早い夕暮れ

夕方 6時を過ぎると もう あたりは暗い。 「つい この間まで7時を過ぎても明るかったのに」 と 毎日思う。 山の暗闇を明るく照らす LEDの街灯。 この街灯の下で 最近は姿を見せない狐を スポットライトのように照らしていた。 元気でいるのか? 見上げれば…

紫蘇ジュース

作る工程は単純 簡単だが 毎年「面倒だなぁ」と 億劫に感じるのが紫蘇ジュース。 二抱えも 三抱えもある 根付きの紫蘇の葉をもらい 艶のある綺麗な葉だけを使う。 洗った紫蘇の葉の炊き汁に 砂糖とクエン酸を加えるだけ。 今年も6リットル出来た。 夏の汗だ…

秋の初め スダチの香り

朝晩の 寒いほどの冷気で 数日前から ストーブに薪をくべる。 半袖のTシャツの上に フランネルのシャツを着た。 うっすらと畳み皺のある軽いシャツ。 灰色の空と 頼りなげに風に揺れる芒の穂が 夏の盛りの 噴き出る汗の記憶を 忘れさせる。 知人がくれた 濃…

現の証拠 (ゲンノショウコ)

ゲンノショウコ(ピンク) 野生の花はどこからでも芽を出し そして 茎を伸ばし 葉をつけ花を咲かす。 憧れるほどの逞しさだ。 小屋の周りに咲き出した ゲンノショウコ。 「煎じて飲めばお腹の痛いのもすぐ治る。 だから『現の証拠』」 余りにも実利的な名前…

湯がいただけのインゲン豆

畑から もいで貰ってきた青い豆を 洗って 筋を取り 指でポキポキと折る。 塩を少しの湯で湯がき 深い緑に色が変わったら ザルの上にそのままで。 土の色をした四角の鉢。 インゲン豆を載せ 胡麻を指で潰しながら振りかける。 出汁と醤油で煮る事も オリーブ…

野ぶどうの黄色の葉っぱ

小屋の側 木の簡素なベンチの上。 朝霧が消えると 姿を現した 野ぶどうの枯れた葉っぱ。 まるで 撮って欲しいとでも言うように 台の上に 美しい姿で。 野ぶどうの青い実さえも まだ実っていないのに 群れた葉っぱが まだ青いままなのに。 一枚の小さな葉っぱ…

もう一つの世界

ザーザーと 怖い様な音を立てて 通り過ぎた夜の雨。 そして 灰色の空に 少しの青空が見える今朝。 小屋の側の白い鉢に たっぷり溜まった雨水は 数枚の枯葉を沈めて 波立つ事もせずに静かなもの。 溜まった雨水に映るのは 灰色の空でも 緑の葉っぱでもない 色…

経年劣化の働き者の鍋

今日 ついに鍋の蓋の「つまみ」が取れた。 母が使っていたのを 私が使い続けている 50年の友 ステンレスの厚みのある鍋。 夫が 固い木の枝を切り それをネジ釘でしっかりと蓋に留めた。 新しい「つまみ」はとても感じがいい。 北欧の雰囲気があるとは言い…

眩い夏の終わり

朝 小屋の扉を開ける。 眩い夏の終わりの 緑と光が目に飛び込む。 乾いた空気と冷気が心地よい。 夜露に濡れた 草は生き生きと。 咲き始めた ゲンノショウコの ピンクと白の花は いつも通りのかわいさだ。 小屋の前を走り去る 数台の車は 毎日 決まった時間…

モリアオガエル 爆睡中

モリアオガエル 半眼で 胸をふーふー膨らましたり 引っ込めたり そんなあんたは誰? 垂直の柱に落ちもせず 爆睡中。 私がそばを通っても 気にする風でもない。 アマガエルかと思ったが 大きすぎる。 ちょうど 手のひら半分ほど。 モリアオガエルという 木や…

メルカリで本を売る

舊約聖書 1954年刊 本を処分する時に迷うのが 「愛着のある本をどの様にして処分しようか?」だ。 ブックオフに持って行っても 古い本や 焼けやシミのあるのは まず相手にされない。 役所の支所のリサイクル場に運べば シュレッダーにかけられてお終いだ…

雨の一日

草の緑 葉の緑 長い雨に打たれて 青さが増した。 目から心に その青さが入り込み 雨に沈む心が 少しだけ跳ねる。 空は灰色で 山は白い靄に包まれる。 電線に止まり 私を見ているトンビが ゆっくりと 茶色の羽を羽ばたかせ 飛び立ち そして 遠くの高い杉の木…

小説「エデンの東」 ジョン・スタインベック著

ジョン・スタインベックと言えば「怒りの葡萄」 読んでいなくても 知っている人は多数。 スタインベックのもう一つの大作が 「エデンの東」である事。 それを知っている人は意外と少ない。 私が中学3年の時 学校の壁に「中学生のための映画会」の ポスター…

毎日の焚き火

夕方 涼しい風が吹く頃になった。 あの 厳しい夏が 遠い日の様だ。 今日の夕方も 小屋の北側の 石を積んだ焚き火場で リサイクルに出せない紙 草取りをした草 朽ちた木片などを焼く。 よく燃え始めた木片の上に まだ湿った草を置く。 白い煙がゆっくりと立ち…

毎日同じ 朝の食事

毎朝 何十年も 同じものを 同じ様にして食べている。 NHKFMで ニュースや 音楽を聴きながら トーストしたパンにバターかマーガリンを塗り それに ジャムと蜂蜜。 大きなカップに 牛乳と紅茶 夏でも熱いのを飲んでいる。 カスピ海ヨーグルトにブルーベリー あ…

雲 一瞬を共に過ごす

ぽっかりと雲が浮かんでいる。 青い空を ゆっくりと姿を変え 楽しそうに流れて行く。 深い緑に覆われた山 蛇行する川 狭い畑や田んぼ 山の裾の 等高線に沿って 並ぶ農家を 下に見て 西から東へ旅する雲。 ふっと 目が合った雲と私は ほんのしばらくの時を共…

南の空 輝く星は木星?

木星? 小屋の窓から見える南の空。 明るく輝く星は木星? 毎晩 カーテンを引くたびに見えるのは 星や 月の満ち欠け。 風の吹く日は 木のうねり。 雨の降る日は 木の葉や草の下で ひっそりと潜む生物の気配を感じる。 真っ暗な空の下には 街灯のLEDの眩しい…

冷たい川の水

この川の水は とても冷たい。 町から来た人達が 喜んでバシャバシャと入る。 しばらくすると 唇の色が変わって 「おー 寒い 寒い」と上がってくる。 私の使う水も 山の地下を流れる伏流水。 夏も冬も 手が切れるほどの冷たさ。 トマトもきゅうりも 湯がいた…

美しいブルーベリーの色

鉢に入れたブルーベリーが とても美しいので 写真に撮った。 霜がかかった様な スモーキーな濃い紫色の果皮。 コバルトの線を引いた鉢に似合う。 湿度の高く暑い 周りの景色が ぼんやりとした 靄がかかった様な日。 冷蔵庫で冷たくなった 白いカスピ海ヨーグ…

終わりに近い 厳しい夏

少し離れた空中で 雲母のようにキラキラ光るのは トンボの群れだ。 薄い羽が 太陽の光を反射する。 気の早いシデの樹の葉っぱが ハラハラと落ちる。 道の端に それらが貯まり そこは黄色の帯になる。 車のフロントガラスに ぶつかりそうに飛んでいるのは燕。…

かき餅で濡れおかき

餅を薄く切り カチカチに乾かしたのは 日本のどこにでもある 保存食だ。 私の住む地域では それを たっぷりの油で ゆっくりと揚げる。 仄かに甘い。 袋に入れて「道の駅」でも売っている 実に素朴なおやつだ。 そのかき餅を一袋もらった。 タツコさんの畑で…

今年も咲いた 白百合

咲き始めた白百合が 頭を傾げている。 一本の茎から 幾つもの花。 野菜を植えるのをやめた ケンジさんの畑に 沢山咲いている。 この花が嫌いなケンジさんは 広い畑に咲いた花を 去年の秋に抜いてしまった。 狭い方の畑に 今年も咲いた白い百合を 雨降りの合…

夕焼け空 8月20日

周りの空気までも ピンクに染まる。 暗くなる前の 夕焼け空は 激しく 豪華なサーモンピンク。 山をゆっくりと駆け上がる 白い山霧。 走り去る車の 赤いテールランプ。 暗闇を照らす 白いLEDの光。 闇に包まれる前の 夕べの終わりは ピンク色に染まり 流れる…

ゴーヤ茶とスモモジャムのクッキー

すももジャムのクッキー チャックが持ってきた 沖縄土産のゴーヤのティーバッグ。 大きなマグカップにティーバッグを入れ 熱い湯を注ぐ。 しばらくすると 濃い黄色の 微かな苦味のお茶が 湯気をたて ふーふーと 息を吹きかけると 少し冷める。 熱いマグカッ…