灰色の日

ウツギの枯れた実 雪と雨の灰色の日。 灰緑色の 毛糸の帽子を被り 外に出る。 コローの絵の灰緑。 アイルランドのアラン編み。 私が そんなふうに 思っているとは誰も知らないだろう。 どこにでもある 普通の毛糸の帽子。 ビービーと鳴きながら 川面すれすれ…

鮮やかな赤のミニトマト

鮮やかな赤の小さなトマト。 実を 指で摘み 口に放り込み 奥歯で噛み締める。 弾ける食感と 甘酸っぱい野生の味。 送られて来た箱に 菜花 キャベツ ほうれん草 八朔 そして ミニトマト。 温暖な地で 太陽の光をふんだんに浴びて育った。 ざぶざぶと水で洗い …

朝の光の中

カップから立ち昇る 熱いお茶の湯気が 強い朝の光の中で 柔らかく輝く。 小屋の中の 見慣れた朝のテーブルの上。 こぼれたパン屑を払い これから始まる今日を 後 一杯のお茶を飲みながら思う。 窓の外の 屋根から落ちる 雪の滴りを見ながら その透明な輝きを…

巣ごもりの一日

朝 カーテンを開けると 北風に吹かれて 雪が横流れに降っていた。 屋根に積もった軽い雪。 煙のように舞う。 小屋の前の道路は たまに走るバスのタイヤの跡が消えない。 軽い雪は 歩くたびに 靴の周りでふわりふわり。 車に積もった雪を落とすと それも ふわ…

素朴なクッキー

残り物で作った 素朴なクッキー。 少し固い目の 食感のいいのが焼けた。 大きな袋の底に残っていたチョコチップ そして オートミールと胡桃を刻む。 薄力粉 砂糖 ミルク キャノーラ油 ベーキングパウダー バニラ 卵黄 と 共に混ぜる。 固い目の生地を平たく…

いつもの散歩で思った事

今日も昼間に 雨が降った。 毎日 同じように時が過ぎ いつもの様に 動き 考え 特に 変わった事もない。 新コロナで 私は外出する事に臆病になった。 そして 仕方がないのに 心が文句を言っている。 カバンにお菓子とお茶を入れ JRの在来線の電車に乗り 窓の…

松ぼっくりと私

「ん・・・?」と 私は立ち止まる。 枯れたシダに引っかかった 枝のついた松ぼっくり。 見上げた空に 松の木は見当たらず どこから やって来たのか。 そして いつから ここにいるの? 強い北風の吹いた日に 高い松の枝から離れ 空を舞いながらの 短い旅。 小…

一月半ばの今日

暖かくなると 天気予報で言っていたが 私はいつものように フード付きのコートを着て歩いた。 寒さ 冷たさはまだまだ続く。 一月の半ばの今日。 暮れにオチヨさんに貰った 栃餅 蓬餅 白餅を ついに食べ切った。 お手間入りの自家製餅。 大きくて 食べ応えが…

見事なツララ

氷柱(ツララ) ぽとり ぽとりと 清らかな伏流水のツララから 溶ける雫。 山の上から 地の中を流れた水が 辿り着いたところがここだ。 誰もが声を上げる。 「わあ これは見事だ」 透明なとは こんな事を言うのだ。 なんの混ざりけもない氷。 持ち帰り 夏にグ…

枯れた花のセピア色

ブルーミストフラワー 若い頃 それは もう随分前になるが 枯れた花 ドライフラワーを 好んで飾っていた。 スターチス バラ ストック どんな花も 最後には壁にぶら下げて よく乾けば 大きな広口のガラス瓶に入れた。 その嗜好は今も残り 道を歩いていても 枯…

灰色の空の下

まるで 考えて立っているかの様に 幹を 程よく曲げ 枝を捩っている柿の木達。 北から吹雪いた雪を受け止める。 灰色の空の下 何かを話しているように立っている。 それは 私の心に届くのだ。 立ち止まった私は 腕を組み 枝を抜ける風の声を聴く。 灰色の日は…

凍った一日

温泉に行く途中 九日。 仕事場の花瓶の水が カチンカチンに凍った。 花瓶の花は 氷に捕まり びくともしない。 表のバケツの水も凍った。 バスタブの蛇口から 湯が出ない。 シンクの蛇口からは 温かい湯が出るのに。 辺りは凍ってしまった。 「温泉に行こう」…

凍った雪に閉じ込められた杉の葉

昨日 雪の道を歩いた私の足跡が そのまま残っていた。 スノーシューズのソールの模様。 そして アスファルトの道は 凍ってツルツルと滑る。 夜の間に どっさりと雪が降るものだと思っていた。 朝 窓から見えた空は 青く輝き 表に出ると キーンとした鋭い空気…

静寂な風景

お正月に降って黒ずんだ雪が 夜に降った雪で 又 白く覆われた。 雪を踏むと バリバリという音。 谷にかかる橋の上は 凍ってツルツルと滑り 顔にあたる風は とても冷たい。 気温が下がって来ているのだ。 杉の枝に乗っかった軽い雪が 強い風で 白い靄のように…

雪の中から 枯れた花

雪の中から 顔を出す 細い茎と枯れた花。 白い紙に 焦茶色でさっさと描いた様だ。 首を傾げて じっと耳を澄ましている。 ざーざーと流れる川の音を 聴いてる様に見えないか? 空は暗い灰色 細かい 湿った雪が 風に吹かれて 私の顔にあたる。 そんな時に 道を…

胡桃のケーキ

ブラウニーではなく 胡桃のケーキ と このレシピの人は言う。 それ程沢山の刻んだ胡桃と たっぷりのココアパウダー。 美味しいに決まっている。 柔らかいバターをよく混ぜて それに 砂糖と卵。 小麦粉 ベーキングパウダー ココア 刻んだ胡桃 バニラ。 四角の…

元旦の朝

2021年1月1日 朝 大晦日から降り続いた雪。 やっと山の向こうから 顔を出した陽の光で輝き なんとも清々しい元旦の朝だ。 今年はどんな年になるのだろう。 今日は何にもしなかった・・・と 後悔するような日を作らないように。 それだけを心して 毎日を過ご…

明けましておめでとうございます

「明けましておめでとうございます」 新コロナや災害 政治不信の2020年が過ぎ 2021年が明けました。 どんな年になるのでしょう。 萎える気持ちを期待と希望で持ちこたえ 今年も日々過ごしたいと思います。 どうぞよろしくお願いします。 _________…

チャックの干し芋

チャックの干し芋 集落で 完全無農薬 自然農法の 野菜を育てているチャック。 そのチャックが作る料理は 日本人には 馴染みのない味だ。 昨日 買い物から帰宅したら ドアの前に置いてあった 不思議な食べ物。 Facebookに 「さあ さつまいもで 村の友達に 干…

年の瀬にする事

百合 28日の出来事 小さな小屋に住んでいるので 年の瀬だと言って 特別な事は何もない。 しかし 何かとそれなりに 気ぜわしいものだ。 季節を問わず 野菜やキノコを下さる奥さん達に ケーキを焼き 持って行く。 ラッピングをし 赤の紐をかける。 恒例の 心…

藪柑子(ヤブコウジ)夢を見ながら春を待つ

ヤブコウジ(藪柑子) 雪の消えた崖のあちらこちら 小さな赤い実のヤブコウジが顔を出す。 「おや! まだいたんだね」 色のない世界で 小さな赤い実は 探さなくてもすぐ分かる。 山の中 崖の辺り 朽ちた葉や 茶色の杉の葉の間で ひっそりと生きている。 又 …

胡桃のクッキー

甘いものがなくなると あり合わせで作るクッキー。 でも 相性の良い素材は考える。 少し残っていたココア たっぷりある胡桃 後はいつもと同じ。 バターは使わず キャノーラ油で。 シナモン ナツメグも忘れずに。 キャノーラ油 ミルク 砂糖 薄力粉 ココア シ…

トミ子さんの手編み靴下

トミコさんの編み物 トミコさんの編み物が絶好調だ。 残りの毛糸で 靴下 手袋 マフラーが どんどん出来上がる。 色合いが何とも楽しく そして シルクロード辺りを彷彿とさせる野暮ったさ。 それがとても私好みだ。 ワークブーツにトミ子さんの毛糸の靴下。 …

冬の明るい日の朝

朝の9時半ば。 太陽が山の上に顔を出す。 目を開けていられない程の輝きを 山や林や川 そして私に 惜しげもなく注ぐ。 身震いするような 冷たい空気の凛々しさが 「背筋を伸ばして歩こうよ」と私に言う。 一本道のアスファルトに撒かれた 砕けたガラスの様…

昼間に輝く白い半月

午後4時 雨や雪がずっと続く事はない。 2、3日降れば 青空が現れる。 今日がそんな日だ。 軽やかな雲が 淡い空色の空を 渡って行く。 昼間に輝く白い半月。 黙して 優しく我々を見下ろす。 屋根から 大きな音で雪が落ちる。 そして 杉の枝からも。 猿の群…

静かな白い世界

20日 朝 太陽が昇る前に 雪が止んだ今のうちに 深とした雪景色の写真を撮りたい。 ズボンのポケットにスマホを入れ 「滑らないように」と 雪に覆われた 低くて 短い階段を ゆっくり降りた。 雪を踏みしめる靴の音が響く。 私を取り囲む山も 道も 原っぱも …

霙のような雪の日

毎日雪が降っている。 一日目はサラサラとした雪で 30センチほど積もった。 今日は霙のような雪だ。 滋賀の南 大津や草津の友達からのメール。 「曇ったり晴れたり。今は青空です」 屋根から 冷たい雪解けの雫が ポツリ ポツリと落ちる。 陽があたると キラ…

詩人 工藤直子の優しい世界

詩人 工藤直子。 若い頃 三鷹に住んでいた。 井の頭自然文化園で 狭い檻の中にいる ヒグマに出会った。 ヒグマは檻の中を カシッカシッと絶え間なく行ったり来たり。 そして ある日 檻が空っぽになっていた。 「ああ あのヒグマは死んだんだ・・・」 そして …

小さな鳥がくれる 大きな安らぎ

ウグイスが 薪の棚の辺りを 止まっては飛び 飛んでは止まり。 そこに シジュウカラがやって来る。 野鳥達は 小屋の周りの あちこちに潜んでいる カメムシが大好きだ。 薪の間に 気持ちよく寝ているカメムシを 上手に見つけては咥え 喜んで飛び立つ。 一面の…

雪の日の杉の人工林

杉の人工林は 深い緑色の塊だ。 春の明るい芽吹きの時 秋の輝くような紅葉の時 杉は暗く 全く面白みのない林の姿だ。 強い風が吹けば 地鳴りのような音をたて 杉林は塊となり うねるように動く。 雪の降る静かな日 杉の山や林は 粉砂糖の様に 白い雪を纏い …