2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧
午前7時半 「ヒルに血を吸われた。 タラコみたいに大きいやつに」 と、タイチさんが騒いでいた。 私も数日前 ズボンの裾のシミに気がついていた。 足首に血の固まりと血の跡。 うちの集落はヒルがいないはずだった。 でも最近 知らない間に腕にくっ付いてい…
愛媛産 みしょうゴールド 「果汁たっぷり ジューシー感覚」だって 姉が送ってくれたみかん。 グレープフルーツみたいな さっぱりとした甘い果汁。 能書きに偽りなしだ。 いつも野菜をもらう トミコさんにお裾分け。 柑橘類が大好き。 夕方京都から帰って来た…
空を行く雲は雄大で 草は強い日差しを浴びて輝き 樹の緑は濃い。 只々暑いと思って過ごして来た 何十回もの夏。 車の通らない道を歩きながら 川のキラキラと跳ね返す光を横目に 鳥の鳴き交わす声を聴き ふと気づいた 私を取り巻く緑。 夏の自然の 深いくっき…
集落の庭に 必ず植わっている花 百日草。 仏壇に供える為に それは沢山の花が 咲いている。 苗を貰って植えはしたが 「地味な花だな」 少し大きくなると 油かすをやる。 又少し大きくなる。 蕾は出たか? お、開きかけたぞ! 咲いた花達を 少し離れて眺める。…
午後4時半 朝 表に出るとむっとする様な 重い空気感。 何をしても汗が吹き出る。 昼前に 表に車の止まる音がする。 山仕事をしている 「弟君」がやって来た。 素麺と スペインオムレツと 塩揉みのきゅうりを胡麻油で和えたもので 昼ご飯を食べた。 「弟君」…
茎の切り口も瑞々しい。 「私の名前はUFOでっす」なんて 生意気な姿をしている。 チャックが置いていった 白い不思議な野菜 UFOズッキーニ。 オフホワイトのボディに 透きとおる様な 緑の茎。 りんごの様に 上から8等分。 フライパンにオリーブオイルをたら…
午前6時20分 2日前 トミコさんから「きゅうりを取りに来て」 と言う電話。 そのきゅうりで 「きゅうりのきゅうちゃん漬」を 作るはめになった。 トミコさんがくれたレシピは JAが配ったものだ。 レシピ通りに作ったきゅうちゃん漬は 余りにも醤油が勝ち…
19日 午後4時 Vegan 究極の菜食主義者。 動物由来のものは食べない。 卵もチーズも牛乳さえも。 蛋白質はひたすら 植物から摂る。 大豆がその代表格。 命あるものからの 食を摂らない主義なら トマトはどうなんだ? キャベツは? 野菜だって命があるだろ…
午後5時 図書館で本を受け取り 新聞を読み 表に出ると五時だった。 太陽が沈むにはまだ早い時間 西日が強い。 道の駅、図書館の駐車場に 車はちらほら。 空が広いなあ。 西日を受けた白い家。 東ヨーロッパかロシアみたいな色をした 除雪ブルドーザーの車庫…
午後7時20分 晩ご飯の前にシャワーをして すっきりしたら もう扇風機はいらない。 冷たい風が窓から吹き込んで 昼間の暑さが嘘みたいだ。 知らない間にうつらうつらと居眠り。 今夜はトラツグミは鳴かない。 樹の葉っぱの風に吹かれる音と ラジオから流れ…
鮎やアマゴのいる川。 うちの裏を流れる川だ。 「ほー、それはすごい」 と、驚くのはまだ早い。 漁業組合が 軽トラに魚を積んでやって来て 釣るのにいい頃合いのを流すから。 「鰻の大きいのがとれた」 と、奥の集落の人が言っていた。 これは天然鰻だ。 琵…
水の少ない川だけど 今年もやって来る 鮎を釣る人達。 この川に沿った道を歩く。 川面をキラキラと走る光。 そして 跳ねる光。 それは 鮎のジャンプ。 「釣れますか?」と聞かれる。 「いますよ」と答える。 午後に雷のBGM付きで 大雨が降った。 雨は山や畑…
午後7時半 夕方5時過ぎ 急用で夫と二人 車で出かけた。 うちから 車で50分程の所。 集落の人が「街」と呼ぶ ひっそりとした湖北の田舎の街へ。 用事を済まして帰途へ。 昼間の明るさが残る 夕暮れ時。 車のテールランプが 途切れ途切れに流れる。 それぞ…
午後6時20分 車を運転中 私は汗でずり落ちる眼鏡を 何回も指で押し上げた。 途中で車のクーラーをONにした。 最寄りの駅で車を降り JRで京都駅へ。 いつもの様に 駅は多国籍の混雑。 浴衣を着た女の子達を見て 「ああ、今日は祇園祭、宵山なのだ」 同じ趣…
絹糸を束ねた様な姿から 英語の名前は Silk tree。 微かな風に ゆらゆら揺れる。 蜜蜂が 忙しそうに羽音をさせて 花の周りを飛んでいる。 そして 秋の初めに 豆の莢みたいな実を付ける。 川のそば 山への入り口 畑の周り ぽっと灯りをともした様に 立ってい…
午前6時40分 見慣れた風景も 一度として同じ時はない。 朝の7時前。 まだ 空気は冷たく 草の上の露も乾かない。 山の向こうから やっと顔を出した太陽。 白く輝く光の束。 「おう!」と私の心が唸る。 静かな山里が 眠い目をこすりながら ゆっくりと動き…
2011年 東日本大震災の跡地に立った マサチューセッツ工科大学(MIT)のハーパーは 津波による農地の塩害と放射能汚染を 目の当たりに見た。 そして ハーパーと彼の同僚は 自然環境に左右されない コンピューターが環境をコントロールする 農業を開発した…
アカモノの実 うちの前の道沿いに アカモノの実が ズラリ。 春には 可憐な鈴の様な花を咲かせ 夏には 珊瑚色の小さな実を付ける アカモノ。 山の樹も花も そして実も 今年は特別に元気だ。 7年程前に植え 大きくならず 実も付けず 「なんだ こりゃ」と私が…
午前7時 山の向こうから 太陽が顔を出す迄の時間。 ひんやりとした空気と 葉っぱを濡らした夜露の跡。 窓もドアも開けて 冷たい空気を入れよう。 空を見上げれば 綿をほぐした様な雲だ。 牛乳を入れた紅茶と バターとジャムを塗ったパンと スライスしたチー…
抜いても抜いても 終わる事がない 草抜き。 シジフォスか? 不条理世界か? 今日はここ 明日はあっち。 こんもりと積んだ草を 夕方になると焼くのが 日課の一つ。 杉や檜の枝で 勢いをつけて炎を出す。 その上に湿った草の固まり。 白い煙が 川筋に沿って ゆ…
タイム (Thyme) 「マムシの心臓を9回食べた」 と話すのは90歳のオチヨさん。 山の中へスタコラ入り ワラビや栃の実を採る。 家族の朝食の準備をし 洗濯機を回し その後午前中に サツマイモの苗を200本植える。 マムシを捕まえて ピッと裂き 心臓をパク…
毎日の雨。 私はもう緑に染まりそうだ。 手も足も背も伸びてはいないか? 雨に濡れた植物は 濃い緑だ。 背が高くなり 黄色の花を沢山つけたトマト。 青い実は赤くならない。 雨が降れば降る程 緑は繁る。 もう一度言おう。 「私は緑に染まりそうだ」
餡入り栃餅と餡ころ栃餅 カワイさんは 栃餅で儲けて まるで旅館の様な大きな家を 高台に建てた。 それは 山の中の田舎道から よく見える。 この村で 昔から作り続けてきた栃餅を 2、3の道の駅に出している。 賞味期限が近づいた栃餅は カワイさんが車で村…
撫子(ナデシコ) 梅雨と言うには 余りにも厳しい雨が 降り続いている所がある。 私の住んでいる山里も 川の水が随分増えた。 濃いピンクの撫子が 雨に打たれて咲いている。 明るい娘の様な色と形が 今日は嬉しい。
山帰来(サンキライ) 愛すべき葉っぱ 山帰来。 ドンガメと呼ぶ地方もある。 柏餅の柏の葉っぱの代わりに 山帰来を使ったりする。 これがとてもいい。 細くて固い蔓は 棘がある。 秋になると 渋い黄色に変わり お洒落だ。 そして 晩秋には 赤い実をつける。 …
午後1時半 男の顔は履歴書と 昔は言ったものだ。 今は 男も女も関係ない。 その人の人生が顔に出る と私は思う。 雨の一日。 ニュースを見る。 貧しい貧しい顔の面々。 どんな人生を積み重ねてきたのだ? 語りたくなければ黙っていよう。 隠しても隠しきれ…
空気を甘くする ウツギの白い花。 樹形が悪いだの 行儀が悪いだの 私の厳しいチェックにもめげない。 そして 渋いグリーンの実が 梅雨の雨に濡れている。 「どんな色に変わっていくの?」 とんがり帽子の 緑の実に 私は尋ねた。 _____________…
7月2日 あの青臭い 懐かしい香りのトマト。 お腹いっぱい食べたい。 その思いが 諦めたファーミングを もう一度やってみようと決心させた。 ミニトマトの種を ポットに撒いた。 20鉢程。 いくら待っても 芽が出ない。 シムラさんが 「こんなんあかんで。…
2014年製作 ポスターやスチール写真を見るだけで 「この映画は面白そうだ」 少なくとも 「私好みだ」と感じる。 「小川町セレナーデ」もその一つ。 ゲイの男とヘテロの女は仕事仲間。 その二人の間に子供が出来てしまった。 女はためらわない。 「産むよ…
この年になると 誕生日は 余り嬉しいものではないなぁ。 「私もそうだ」と友達が言う。 それを知ってか知らずか チャックは ニコニコしながら 誕生日プレゼントだと 自分の作った野菜を持ってきた。 ありがとう 有り難く頂くよ。 スーパーの小松菜は 茎が固…