フキの佃煮

小屋の周りに群れている 手を広げた様な淡い緑の葉。 柔らかいフキの葉っぱ。 フキの佃煮を作るのが この辺りの初夏の台所仕事だ。 自分では進んで作ったりはしない。 先日も 94歳 現役の農婦オチヨさんから 黒光りのするフキの佃煮をもらったばかり。 か…

地域振興券でうなぎ

人口約5万人の 小さな市に住んでいる。 琵琶湖に沿った平野(と言うには狭い所だが)と 林業を生業としている山の村。 人の少ない所だ。 先日 一人1万円相当の地域振興券なるものが 郵便で届いた。 うちは二人なので2万円分。 この券はスーパーマーケット…

野菜後日譚

ツタンカーメンの豆ご飯は 言われた通り 保温にして半日おくと 赤飯の様に淡いピンク色になった。 生の豆は苦い味がしたのに 炊くと甘い。 塩を少し振ると 唸るほど美味しい。 エンドウ豆のご飯も ツタンカーメンも 残りは冷凍庫に納めた。 美味しさを数日後…

空豆 ツタンカーメン豆 小蕪

何と美しい色と形だろう。 名前も 字面も 響きもいい 空豆 ツタンカーメン豆 小蕪。 さっさと剥いて 食べるだけでは勿体ない。 ザルに入れ 外に持ち行き 木の椅子に並べる。 家庭菜園に熱心な 夫の兄夫婦から送られてきた野菜。 エンドウ豆 自然薯 ニラ 新玉…

竹の子ご飯と木の芽和え

いつもは出番のない蒸し器鍋。 それに皮をむいた 香り高い3本の竹の子と 糠と鷹の爪を入れ 水をたっぷりと張った。 ストーブの上でグツグツと数時間。 そのままにして一晩置いた。 さて 今日は竹の子ご飯を炊こう。 竹の子は心持ち大きめに切る。 口の中で …

チャックの作るベーグル

チャックのベーグル 完全有機栽培の野菜を作っているチャック。 京都にいる頃からの親しい友人だ。 その チャックの作るベーグルは 有機栽培の全粒粉の小麦粉。 歯応えもしっかりと 姿も色も 頑固で かつ健康的だ。 ずっしりと重く 天然酵母の微かな香り。 …

甘夏の黄色

甘夏の皮は レモンに近い黄色だ。 明るい黄色の大きな塊。 籠に入れて テーブルの上に。 たったこれだけの事だが 小屋の中が明るくなる。 ゴタゴタと所帯の匂いがする空間で スポットライトに照らされた様に 存在表示する甘夏の黄色。 一房 一房と剥き ガラ…

チリ産のぶどう

チリのぶどうがスーパーに並ぶ。 日本のぶどうと姿が違う。 南米の細長い国に育った。 チリの芳醇で濃密な香りのワインは これらのぶどうから作られるのだろう。 私が知っているチリは ぶどうとワインと「サンチャゴに雨が降る」だけだ。 そして スペイン語…

蕨のナムル

蕨(ワラビ) 旬の山菜を その時に 一度か二度は 食べたいと思っている。 沢山摘んで 保存食にするまでは考えない。 蕗の薹が終われば 蕨。 枯れた羊歯の中から グーをして現れる。 昼過ぎに 手のひらに載るだけを摘んだ。 洗った蕨を ホウロウのバットに入…

チャックの作る緑色のペースト

うちの集落で 有機野菜を栽培している アメリカ人のチャック。 京都時代からの長い付き合いだ。 私がここに引っ越す前から うちの小屋の横にテントを張り キャンプを楽しんでいた。 静かな山の中の限界集落。 ここをいたく気に入った様だ。 今ではここに畑を…

鍋と薪の火の力を借りる料理

4月も後半に入った。 山の中の村に住む私は まだ 朝晩 ストーブに薪を放り込み 暖かい小屋で暮らしている。 外の霙まじりの雨と強い北風も この小さな小屋の中までは入り込まない。 ストーブを使っている間は その上に鍋やフライパンを載せて 野菜を煮たり …

黄色い花のナムル

蕪の黄色い花房と さっと湯を回しかけた香り高い三つ葉。 白の小鉢に治まる。 麺つゆに酢とチリペッパー そして ごま油。 スプーンでクルクルと混ぜ花にかけた。 花ナムル。 去年の暮れに沢山貰った蕪。 へたを植えたら 花が咲き 切り取って 花器に生けても …

赤蕪 白蕪の黄色の花

大根や蕪を切った残りのヘタ を 土に埋めたのが 雪のない時だった。 それが 葉を付け その葉を摘み 味噌汁の具にしたりした。 今 小屋の周りの あちらこちらに 黄色の菜の花みたいな花が ゆらりゆらりと群れて揺れている。 綺麗な赤い色の蕪を 酢漬けにした…

一年に一度の旬のおかず

寒い 寒いと言ってるのは 私だけなのだろうか? 知らない間に 顔を出した春の使者 ツクシ。 淡いベージュの 端正な面持ち。 若者か老人か どちらにも見える 年齢不詳の風采。 左の手のひらに 掴めるだけ摘んだ。 サッと洗ったツクシの ハカマを取り 指で二つ…

いい加減な茶巾絞り

95歳 現役の人生を送るオチヨさん。 たった2キロの道を車で送ると 必ず 野菜や漬物を私に持たせる。 私が断っても 頑として引かない。 そんなこんなで 立派な紫芋が入った袋を持って帰る。 耐熱ガラスの器に 程よい大きさに切った紫芋 砂糖と一つまみの塩…

爽やかな香り高いミントティ

10年ほど前に 小屋のそばに植えたミント。 驚く程に 繁茂せず いつも一定のスペースを保っている。 それは 私が 料理 飲み物へと 常に摘んでは 使っているからだろう。 温かいジャガイモに 自家製フレンチドレッシングを回しかけ 上にミントを千切って散ら…

京都 月餅屋の水無月

抹茶水無月 京都三条木屋町を上がった所。 老舗の和菓子屋が並み居る京都で 本間物の和菓子を真面目に作って来た と 私が勝手に思っている店。 「月餅屋」 その月餅屋の 抹茶水無月を一棹。 抹茶色のういろうの上に 寒天で固めた エンドウ豆と栗。 小細工な…

クルクル巻いたアップルパイ

アップルパイは特別なおやつだ。 なんと言っても パイ皮のサクサクとした食感。 バターの香しさ。 これを求めるには どうしても 家で作るしかない。 自分風に作っていると オリジナルのレシピに 狂いが来る。 初めて焼いたアップルパイレシピ。 それに戻して…

スナップエンドウとゴボウ

スナップエンドウの筋を取る。 弾ける様な 青い香り。 筑前煮で使ったゴボウの残り。 切らなくてもいい程の細さ。 たわしでさっと洗うと 気骨ある香りがたった。 共に塩を加えて湯がき スナップえんどうは陸あげ(おかあげ)で ゴボウはさっと水に晒す。 小…

お手塩皿に豆大福

朴訥な顔をした豆大福。 「これは美味いぞ」と 感が働く。 あんこを包む餅は 柔らかい菓子風でなく しっかりとした餅。 黒豆は少し固く あんこは粒餡で程よい甘さ。 粉にまみれた姿は 決して店先に行列が出来る そんな 店の大福ではない。 20代に 東寺の弘…

甘くて熱いチャイ

瑞々しい八朔の袋を剥ぎ 皿に並べる。 丁度 私が食べる分。 ティーバッグのチャイを 白いミルクパンで沸かす。 牛乳はたっぷりと。 小屋の中に充満する 強いスパイスの香り。 深夜に「おやつ」というのもおかしいが 晩ご飯と寝るまでの間の これが 私の長い…

ミンチボール入り野菜スープ

冷凍庫には 合い挽き肉のパックだけ。 野菜は 玉ねぎ 人参 蕪 そして 缶詰のひよこ豆。 いよいよ 食材のなくなった 今日の晩ご飯。 残った物で 大好きな野菜スープを作った。 ミンチボール入りだ。 玉ねぎ 人参 蕪を鍋で炒め 熱湯をたっぷり注ぐ。 丁子を3…

冷たい日には熱々のスープ

暖かい1日になる と 天気予報が言っていたが こちらは 冷たい空気に包まれた。 首に温かいマフラーを巻き 手には手袋。 油断しては駄目な天気だ。 体と心に染み渡る様な 熱々の濃厚なスープを作ろう。 南瓜をチンして マッシュする。 たっぷりの牛乳で伸ばし…

何も変化のない今日だった

朝寝坊してしまった。 屋根の雪は20センチ程。 たっぷりと載った雪で 重そうにしなる 木の枝。 夕方 4時ごろに 雪が止み 青空が見えた。 小屋の周りのあちらこちらを雪かき。 二時間。 昨日と同じ様な日だった。 暗くなってから カレーを鍋いっぱいに作り…

雪の晴れ間

何を急ぐのか。 北西から南東へと 雲の群れが 走る様に流れて行く。 雪の晴れ間の青空だ。 ただ 嬉しい。 夜になり 軽くて小さい雪が 北の窓を叩く。 目を覚ます明朝には 雪かきをした小屋の周りが 又 白い雪で覆われているはずだ。 去年の冬至の頃に貰った…

話し疲れた

雪 ミゾレが降る朝 友達と話をする為に 最寄りのJRの駅まで 40分余り車を走らす。 四時間 話し続け スーパーで食材を買い ホームセンターで白の水性ペンキを買い 暗くなるまでに小屋にたどり着いた。 姉から 一の傳の切り身の魚の 味噌漬けが届いていた。 …

70枚コピーした料理のページ

図書館で定期購読している雑誌がある。 料理の器が良いので それを見る為にだけ この本のページをめくる。 今回は料理読本の付録がついていた。 「この器がいいなあ」と 4、5枚コピーを取るはずが 70枚近く、全部をコピーしてしまった。 「ほうれん草の…

果物好き

果物は全く食べないと言う友達がいる。 なんと寂しい事だ。 人生の楽しみの半分を無くした様なもの。 テーブルの上に 鉢に盛った果物を置くと 小屋の中が豊かな空気になる。 その鉢も アフガニスタンのざっくりとした物だったり アメリカ ニューイングランド…

白餅と蓬餅

春に蓬を摘み 冷凍庫で保存して 冬の餅に 惜しげなく使う 94歳のオチヨさんに貰った草餅は 濃い緑と薬の様な蓬の香りが高い。 自家製の餅米と小豆で作った 優しい甘みのあんこ入りの草餅も。 クッキーやケーキも大好きだが こんがりと焼けた白餅と蓬餅に …

霜はあっという間に溶けるはず

朝 7時過ぎにドアを開け表に出る。 一面の霜の原。 バケツに張った氷を コンコンとノックしても 沈みも割れもしない。 空気はキンとして 太陽はまだ山の向こうだ。 さあ 暖かい小屋の中で 紅茶を飲んで ジャムを塗ったパンを食べよう。 お日様が 山の向こう…