高い空には 鳶が二羽

日陰の場所をのぞいて 殆ど雪は消えた。 現れた草花は 一冬の雪に押されて まるで採集した草を新聞紙に挟んで 伸した様に平たい。 顔を近づけると 小さな芽が覗き いよいよだなと思う。 「小屋」の前を ユンボを載せたトラックが通り 田んぼの整地が始まるの…

やって来た春の明るさ

陶のブローチ「小夜鳴鳥(さよなきとり:ナイチンゲール)」 今年に入って2回目。 ドアを開けて網戸越しに表の景色を見た。 名残りの雪が光る。 天気になると増える車の往来も 上空から響くヘリコプターの騒がしい音も嬉しい。 やっとやってきた春の明るさ…

泣き顔の小さな雪だるま

除雪車が 道路脇に押し付けた雪は 汚れと風に吹かれてたどり着いた枯葉や苔と汚れで 新雪とは違った趣きがある。 そして数日前に作った 手のひらの載るほどの雪だるまは 溶けはしないが 氷の様に固くなり泣いている様な顔になった。 川は翡翠色に澄み その川…

雪解け水

今日は一日雨だった。 時々 陽光が窓から差し込み 私はその明るさを喜んだ。 冷たい雨と風が嫌いで 「小屋」の中で過ごした。 昨日の話。 歩いている時に大きな木の芽を見つけた。 葉が開いて 花が咲けば木の名前が分かるだろう。 雨と雪解け水で川は濁って…

雲一つない明るい日

杉と楢の木 先週の雪の日々が嘘のような 明るい日だ。 屋根から落ちた雪が 窓の外に堤の様に積もっているのに。 葉の落ちた楢の木は 遠目には 膨らんでいるだろう芽は見えない。 杉は鉄錆色の花。 午前中 沢山のカラスの鳴き声が 山間に姦しく響いた。 鹿で…

毎日雪の日

北の風景 空気感が好きな私だが 毎日降る雪には 心が下を向いてしまう。 去年までの雪は 二日ほど降ると 青空の陽の光が眩しい日がやって来たものだ。 青森の豪雪ほどではないが こちらも 「小屋」の窓から 塀のように積もった雪 屋根からの氷柱が見える。 …

枇杷の葉 雪の日

枇杷の葉 何年も前に 友達が実家から持ち帰った 沢山の枇杷の実を貰った。 小さな実だが 甘く 少し酸っぱい。 艶やかに光る明るい茶色の種を 土にバラバラと撒いた。 芽は沢山出るのだが 冬を越せずにいた。 その中で 2本の芽が生き抜き 細い幹と枝に雪を載…

ミソサザイかも知れない

2月16日 16日の空。 陽射しも明るく 美しい1日だった。 明日から 灰色の日々が続く。 屋根からの雪は下に落ちたが 山の日陰の所 広い原っぱ 道路脇 そして「小屋」の周りは 雪は残り 明日からの雪で 白い雪の覆われるのだろう。 川沿いの空木の木々を …

枯れた紫陽花

数日前の強風に吹かれたのか 「小屋」の北側の雪の上に 枯れた紫陽花が ひっそりと雨に濡れていた。 枯れて透き通った花を 指でつまみ 手のひらに載せると その軽さに小さく驚いた。 今 その紫陽花は「小屋」の窓際で 軽い体に 暖かい冬の陽射しを受けまどろ…

雪の日の音

11日 午後4時半ごろ 近眼 乱視の私は 普段の生活をする時は メガネをかけない。 でも 今日はメガネをかけて表に出た。 最近よく見かける野鳥を しっかりと見るために。 「小屋」の前の山や 川の上や浅瀬の石の上など 楽しそうに 飛び交う2羽の鳥がかわい…

終日雪 熱い汁物

8日金曜日は 終日雪が降った。 横殴りの北風が 雪を横向きに吹き飛ばし 枯れて残った百合は フルフルと揺れていた。 市バスが運休になったからか 除雪車は一度だけやってきた。 アスファルト道路は厚い雪に覆われ 私は「小屋」の中で テーブルの前に座り 用…

氷点下の日

年輪が150本ほど 厚みは40センチほどの杉は 春や秋のお天気のいい日には ちょっと一服する時に いいテーブルになる。 雪がうっすらと積もった昨日。 「年輪の杉」の上に載っていた 白の大鉢に溜まった雨水が凍り 雪で覆われた。 暮れの重い雪で折れた …

松ぼっくり

松ぼっくり 頑なに閉じた松ぼっくりを 上着のポケットに入れて持ち帰る。 乾いた日の 開いた松ぼっくりより この姿が気に入り 時々拾っては 棚に並べたり 鉢に集めたりする。 溶け遅れた雪の上に並べると ここが定位置だとばかりに 収まった。 陽の光を浴び…

朝食の事

今日は何回も粉雪が降った。 標高460mほどの集落は 京都が青空でもこちらは雪国だ。 降った雪はすぐに溶け 屋根からポツリポツリと雨垂れが落ちる。 葱の植木鉢を置く南の窓から射す 真冬の陽の光は 小屋の中を東から西へ移行する。 山に挟まれた川筋に在…

10日の白い月

日が暮れると 私は滅多に外に出ない。 しかし 美しい月が山の上に出た 10日の夕方 5時半前。 窓から見えた明るい月の 白い光を見ようと外に出た。 靴の下に感じる雪は バリバリと凍った音がした。 雪の張り付いた木々の枝が くっきりと見え 空気が 澄んだ鋭…

西の空に半月

1月8日 16時40分 半月 風の強い 冷たい1日だった。 でも まだ洗濯機の蛇口が凍らないのは 今年はまだまだこれからと言う事だろう。 夕方に見上げた西の空。 淡いピンクに染まった雲のそばに くっきりとした半月。 見慣れた夕方に浮かぶ月に 私の心は「おう」…

雪の日 京都行き

23日 午前9時 ひょろりと上に伸びたクロモジの木。 水っぽい雪の重みで 木の枝が折れた。 芯止めにする時に切る 上に伸びている枝だ。 引き千切られた木は 白い内部を見せ痛々しい。 春の芽吹きを楽しみに待とう。 午後1時に 夫の運転する車に乗り京都へ…

初冬の一日

なんの足跡だろう ざらめ砂糖のような雪の上に 鳥か 小さな獣の足跡が続く。 はらりと落ちた銀杏の葉が その上に落ちたのか 優しい姿の銀杏の葉だ。 銀杏の木の枝は 今はもう葉を全部落とした。 地面は落ちた葉で覆われて 雨や雪と相まり 土に還る様をしてい…

雪が降った

15日 夕方 昨日 霙のような雪が降った。 水をたっぷり含んだ 大きな牡丹雪は 屋根にも15センチほど積もり それが 今日 太陽の光を浴びて 屋根から雨のように ポタポタと 忙しなく落ちる。 木々の枝に溜まった雪が キラキラ光り ただただ美しいと思う。 夜…

晩秋から初冬へ

小さな月 今日 昼過ぎから雪が降った。 雪といっても 霙のような積もらない雪だ。 冷たくてベタつく雪は 湿った空気を運ぶ。 いよいよ 冬の始まりだと感じた。 昨日の夕方 もう日が暮れるぞという4時半の空に 半月には少し早い 小さな月が 逞しく力強く 西…

雪の朝 不揃いの苺

22日 深夜に大きな音と地響きがした。 すぐにテレビを付けて 地震情報を観る。 数分後に 京都南部と出た。 ここは震度1。 そんなものじゃなかった、震えた。 朝起きると 真っ白の世界。 でも 空は青空で 積もった雪がすでに溶け始め 屋根にずらりと並んだ氷…

3月10日の3枚の写真

3月10日 明るく晴れた今日。 たっぷりと降った雪が光る。 紅空木(ベニウツギ)の枝に積もる雪。 馬酔木の蕾 京都では満開の馬酔木の花も こちらではまだ米粒ほどの蕾だ。 凍った氷の滴り 小さな凍った露を覗く。 その中に在る逆転した世界。 春一番に咲く …

融雪の音と姿

予報通りに雪が降った。 20センチほど。 霙の様な水をたっぷりと含んだ重い雪。 そして今朝。 水琴窟の様な音が外から聴こえた。 いつものあれだ。 屋根から 雨のように滴る溶けた雪が 下のバケツの溜まった水に 落ちる音。 短い間隔で 激しく落ちる。 スマ…

夜になり雪が積もり始めた

蕗のとうの蕾が 10数個出ているのに気がついたのが数日前。 開いていない蕾が「小屋」の北側 日当たりの悪い土の中から 上を向いて健気だ。 淡い若緑色の可愛い塊。 天ぷらにしたり 蕗のとう味噌にするのは 随分前に止めた。 興味が無くなったという事だろう…

デコポン 冬の晴れ間

不揃い傷ありのデコポンを インターネットで買った事があった。 平たい段ボールで届き 箱を開けると 確かに不揃い傷あり。 味は格別に良かった。 柑橘類は見栄えより 少し時間が経ったのが 美味しいとその時に思った。 スーパーにデコポンが並んだ。 シール…

昼ご飯の一品 雪解け

芒の枯れた穂と葉が見えた 貰い物の高知文旦は 美しい明るい黄色の皮で 実はしっかりと固く 果汁はほのかに甘い。 その文旦の実を これも貰った生ハムで巻いた。 固めに湯がいたブロッコリーに スライスした辛味のある玉ねぎを加えて フレンチドレッシングを…

やりたい事 (球根を植えよう 幸田文を読もう)

6日 午後 昨日も今日も 霙や雨が降り 「小屋」の周り 山や原っぱには 未だに雪が積もったまま。 でも 微かに寒さや冷えは以前とは違う。 今年は辛い年明けだった。 だから 春の色合いを感じるだけで心が落ち着く。 ホームセンターで チューリップ ヒヤシンス…

冬の夕方の外出

31日 午後5時過ぎ 今日も又 幻想的な写真を一枚。 小雨の降る もうすぐ暗くなる夕方 用事でトミコさん宅へ行った。 うちから徒歩で12分ほどの距離。 途中にある 集会所のそばのポストに メルカリで購入のあった本を投函した。 用事はすぐに済んだが 白菜 大…

除雪とキネマ旬報

29日 午後 雪や雨が続いた日の後の 窓からの日差しがとても嬉しい。 屋根や木の枝から 雪が溶けてポタポタと落ちる。 そして 積もった雪がとても重くなる。 その重い雪を シャベルで割りながら掬い除雪する。 40センチほどの雪に 歩けるだけの道をつける。 …

今日も昨日と同じ一日

27日 午後 集落の寺 少し小高い所に建っているのは この集落のお寺だ。 農家のように見えるが どの集落のお寺もこんな建物。 私は ウォーキングの途中 この寺の前でストレッチをする。 南東に見える山を眺めながら 大きく息を吸うのは気持ちがいい。 たまに …