やっと冬の布団を出した

雲ひとつない晴天に 白い半月が浮いていた。 風もなく 空気はキリリとし カケスの大きな鳴き声が あちこちから聴こえた。 枯れた落ち葉が 道の端に溜まり 銀杏の落ち葉はまだ青い。 どの花も咲き終わり 白の山茶花だけが 苔の上に花びらを散らしていた。 い…

柚子と木の鉢

美しく瑞々しい 手のひらに載る小さな柚子。 木の鉢の中の明るい黄色。 アメリカのヴァーモントに行ったのは 数年前の様な気がするが もう20年前。 その地の 小さな雑貨店で見つけた シェーカーの木の鉢に 「おお これがシェーカーの鉢か!」 と 私は小躍…

台風7号 避難した

8月16日 台風7号が近畿を縦断 もしくは横断すると ニュースは伝えた。 私は杉の人工林に囲まれた山村に住んでいる。 人工林が根を浅く張るのは 倒木を見ると一目瞭然だ。 倒木は停電 道を塞さぎ 土石流を引き起こす。 豪雨 暴風による土砂崩れ 倒木 洪水を…

昼間は37度 夕方から27度

昨日も今日も 目に染みるほどの青い空だ。 昼間の道路のデジタル温度計は 37度で 夕方になると 27度になった。 午後3時過ぎまで 汗と空気の息苦しさで ぼんやりと過ごす日々。 村のどこのキャンプ場も 隙間ないほどのテント群で 難民キャンプの様相。 うちの…

薊の花

少し湿度を感じる 暖かい日。 窓 ドアを開けると 網戸からゆっくりと 外の空気が 小屋の中に入ってくる。 網戸を通して見る外の様子は 緑に溢れ 何種類かの鳥のさえずりが聴こえる。 小屋の前の道路を モーターバイクの列が 音を立て通り過ぎるのは日曜だか…

ニコラスからのメール

撮影:ニコラス(Nicolas) in Finland 4年前 有機無農薬農業を うちの近くでやっている チャックのボランティアとして 山奥のこの集落に 数ヶ月滞在したニコラス。 数日前に Facebookのメッセンジャーから メールが届いた。 4年振りというか 初めての事だ…

サンタフェ スタイル(Santa Fe Style)の椅子

アメリカ ニューメキシコ州 サンタ・フェのインで(アルバムから) 1990年 私が 初めて行った外国の町がサンタフェだった。 伊丹からロスアンゼルス。 一泊して次の日に飛行機で ニューメキシコのアルバカーキ そこからバスに乗り やっと着いたのがサンタフ…

アルバムの写真 チェルシー

ニューヨーク チェルシー Diaセンターの屋上から 2002年 アルバムの写真の中で 確かめたい物があった。 それは もう20年以上も前の アメリカの旅で撮った椅子の写真だった。 そして パラパラと懐かしさと共に アルバムのページを繰る。 姉に借りた 手のひら…

「孤独の発明」ポール・オースター著  本当にこの本を読んだのか?

メルカリに出品しようと 本の写真を撮った。 ページの間に 何か挟んでないかと パラパラとめくり始めた時に 「本当にこの本を読んだのか?」と 私は 内容を全く覚えていないのに気がついた。 30年前の本「孤独の発明」 ポール・オースター著 オースターの小…

雲 一瞬を共に過ごす

ぽっかりと雲が浮かんでいる。 青い空を ゆっくりと姿を変え 楽しそうに流れて行く。 深い緑に覆われた山 蛇行する川 狭い畑や田んぼ 山の裾の 等高線に沿って 並ぶ農家を 下に見て 西から東へ旅する雲。 ふっと 目が合った雲と私は ほんのしばらくの時を共…

いつもの散歩で思った事

今日も昼間に 雨が降った。 毎日 同じように時が過ぎ いつもの様に 動き 考え 特に 変わった事もない。 新コロナで 私は外出する事に臆病になった。 そして 仕方がないのに 心が文句を言っている。 カバンにお菓子とお茶を入れ JRの在来線の電車に乗り 窓の…

一枚の色褪せた 赤い葉っぱ

20日 小屋の近くで 本の間からハラリと落ちる 色が褪せた赤いメープルの枯葉。 それは コーヒーの豆を買いに入った 店の前のメープルの赤い落ち葉だ。 「旅の思い出に」と拾い上げた。 忘れた頃に ひょっこり顔を出す 本の間に挟まれた押し葉達。 必ず 旅…

キャンプの非日常

近くのキャンプ場 キャンプグッズが 余りにも魅力的なのを 最近まで知らなかった。 テント 寝袋 飯盒・・・ これが私の知るキャンプだ。 枝に火をつけ 飯盒でご飯を炊く。 テントの中で 薄い寝袋に潜り込み 地面の上で寝る。 最近のキャンプは ベッドもあれ…

メープルシロップの缶の絵

アメリカ ヴァーモント州にて。 20年も前に 小さな土産物屋で買った メープルシロップ。 冬の間 メープルの樹液を採取し 馬車で運んでいる絵が 缶に描かれている。 中身のシロップは とうの昔に食べてしまい 缶だけが 捨てられもせずに いまだに 大事に小…

中之島 カフェ

近場旅、大阪。 数日の 目的のある大阪だったが 泊まったホテルの近く 心地よい中之島公園と ランチを食べたカフェを ここにほんの少し残しておこう。 中之島公園 大阪で育った私にとって 中之島公園は馴染みの場所だ。 バラ園や ベンチも整備され とても 寛…

赤い錆色のペンキ

青い空に雲が浮かび 又 ある時は雲ひとつない 見事な青空の一日だった。 風はすっかり秋の冷たさで 空気はからりとしていた。 光はススキの穂を輝かせ そんな穏やかな秋日和。 台風が近ずいているニュースと この明るさとの落差。 夫が屋根のトタンに 赤い錆…

岡山(2) 倉敷(美観地区)

美観地区近くのホテルに泊まり ゆっくりと白壁の町を散策した。 どうぞ ご一緒に。 20日 夕方6時過ぎ 倉敷美観地区の夜の灯りは レトロな街灯だけだ。 そのぼんやりとした灯りが 通りから路地まで 優しく照らしている。 堀を行く観光舟も お客を数人乗せ…

岡山(1) 矢掛町

4月20日と21日。 両親のお墓参りに岡山まで 姉と共に行ってきた。 父と母は人生の大半を大阪で過ごしたが お墓は父の故郷岡山にある。 温暖でのんびりとしたいい所だ。 墓地のある丘から 小高い丘の頂きにある墓地まで 最寄りの駅からタクシーで行った…

邱志杰(チウ・ジージェ) 金沢21世紀美術館 (2)

チウ・ジージェは 幼少時から書家に書を習い 現代美術に入った。 展覧会のタイトルの「書く事に生きる」 まさに筆一本で自己を表現する。 「逆さ書きの書道」Google画像より 白の手透きの紙に 筆と墨で書かれた字や絵。 それは作者の内側に在る 深い意味と時…

「会うが別れの始めなり」

チャックの畑のボランティアで 数ヶ月滞在したニコラウス。 パリから車で5分の所が実家の 19才の男の子。 ニコラウスに貰った蜂蜜を ストーブの上で湯煎にし とろとろになったのを 毎朝パンに塗って食べる。 FAUCHONのフレーバーティを リュックに詰めて …

奈良 高畑(たかばたけ)

志賀直哉邸 奈良に居を構え 奈良の自然や街を撮り続けた入江泰吉の 質素だが趣きのある旧邸を後に 奈良市の東部に位置する高畑に向かった。 高畑、奈良市街の東に位置する 静かな静かな所だ。 そこには 志賀直哉が10年住み 「暗夜行路」を書き上げた家があ…

横浜土産

横浜に野暮用で 一泊二日で行った。 バタバタと行ってバタバタと帰って来た。 まるで新幹線に乗りにいった様なものだ。 だから お土産など買う程の旅でもないのだが・・・ 中華街の喧噪の中で ひっそりと商いをしている 懐かしい煙草屋がある。 映画「Smoke…

「メインの森」

図書館で借りた「メインの森」 「森の生活」の ソローの旅行記だ。 19世紀 アメリカ メイン州。 まだまだ未開であった土地を奥へと旅したソロー。 図書館に返却後、「もう一度読んでみたい」 Amazonで調べたら中古本のみが売られている。 ポイントも利用し…

ジョン モンタギューの詩集

随分前だ。 アイルランドの詩人 ジョン モンタギューの事を知った。 朝日新聞の記事だった。 興味がわき調べてみたが 日本ではまだ翻訳されていない。 ニューヨークに行った時 街の小さな本屋に入った。 そこはまるで 映画「ユー ゴット メール」で メグ ラ…

Destination 

青い空を東から西へ まっすぐな雲を従えて 飛行機が飛んでいく。 一日に何回も。 どこの空港から飛び立ち どこの街に降りるのか。 飛行機の中でキャプテンが話す 「destination」という言葉は 旅をしているんだという 実感がわく。 そして目的地である行った…

Simon & Garfunkel (3) Wednesday morning A.M 3 in 1964

(Bleecker street New York) どうしてあんな事をしてしまったのか? ほんの少しのお金の為に 酒屋で強盗をはたらいてしまった。 今、僕の側で柔らかな寝息をたてて眠っている 彼女の側から 僕は今日離れて行く。 僕の人生は現実ではなく 僕の犯した罪は幻想…

Simon & Garfunkel (2) I am a rock in 1966

(W 23 street New York) 「深くて暗い12月の冬の日 僕は1人だ」から始まる I am a rock _______________________________________________ 失恋したみたいだね、 相手は男の子? それとも女の子なのか? 友達に恋人を取られてしまったのかな? だから 自…

Simon & Garfunkel (1) The Boxer in 1969

(ホテルの窓から) ビートルズもローリングストーンズも その良さ、何故いつ迄も人気があるのかとか そして、そのカリスマ性も理解出来る。 でも 曲を聴いただけで その土地に行ってみたいと思わせられたのは サイモンとガーファンクルだけだった。 The Box…

勝野(路地)

町起こしをしてはいるがそれらしい気配もない。 「びれっじ」が唯一の町起こし。 草木染め工房、カフェ等の活動をしているらしい。 カフェや手作り工房がある「びれっじ」。 街から移住してきた人達がやっている。 写真を撮っていたら 「何を撮ってる?、ど…

勝野(気になる家)

勝野には溝が走っている道が多い。 その水はとても透明だ。 かつて、ここで洗い物をした名残なのか? 誰かに聞いてみよう・・・と思っても 誰も歩いていない。 とても気に入った小屋。 透明な浪板の壁。 ドアや窓はアルミサッシ。 作業小屋かな? 周りの家や…