志賀直哉邸
奈良に居を構え
奈良の自然や街を撮り続けた入江泰吉の
質素だが趣きのある旧邸を後に
奈良市の東部に位置する高畑に向かった。
高畑、奈良市街の東に位置する
静かな静かな所だ。
そこには
志賀直哉が10年住み
「暗夜行路」を書き上げた家がある。
その家は数々の文化人が集い
高畑サロンとも呼ばれた
贅沢な空間だ。
28日は
歩くと汗が滲む暑い日だった。
木と土と紙で出来た志賀直哉邸の
開け放たれた窓から
涼しい冷たい風が吹いて来る。
冬は寒くて 夏は涼しい。
かつての日本の家はこんなだったな。
高畑
志賀直哉邸を出て右に。
あちらでもない、こちらでもないと
案内板を頼りに美術館を探す。
ウロウロと彷徨う路のなんと静かな事だろう。
白壁の漆喰が落ちた様までが美しい。
入江泰吉記念写真美術館。
高畑の自然や住宅の中に
静かに建っていた。
奈良の、とくに高畑界隈を撮った写真。
それらは上質のエッセイの様に
見る者に語りかけて来る。
私より随分若い写真家の女性に同行した
楽しい高畑行きだった。
奈良を4時に離れる予定が大幅に遅れる。
余りにも話す事が多く 聞く事が多かった。
「又会って沢山話しをしましょう」