白い太陽

 

灰色の空の向こうに 白い太陽が見えた。

それが 葉の落ちた細い木の枝から透けている。

ドアを開けると 真っ直ぐに飛び込んで来た

モノクロの世界の

枝に残った木の実と 黄色の葉っぱの繊細な影。

いかにも 晩秋の寂しさだ。 

 

しかし 植物たちは もう次の春の準備をしているのを

私は知っているよ。

木蓮のはち切れそうな蕾

どの木の枝にも 見えないほどの新しい芽

茶色の百合の莢からは 種がパラパラとこぼれ落ち

ミヤコワスレの株は 随分と大きくなった。

 

雪が降れば その下で春を待つ植物たち。

その忍耐強さを 私はいつになっても見習えない。

強い南風

 

午前10時頃

強い南風が吹いてはいるが

乾いた空気と 明るい日差しで

なんとも気持ちのいい晩秋の朝だ。

 

数日前から 道路脇に居場所を決めた

黒いカラスの一枚の羽。

風に飛ばされもせず まだそこに在り

黒い毛虫が アスファルト道路を

急いで横断中。

 

そして 

薄茶色に枯れたの草の上に

私の長い影が 足を踏ん張り

偉そうにしている。

 

ススキの枯れた穂や葉が

うねる様に風に吹かれて

そして 空を行く雲も同じように

風に吹かれて 旅を続ける。

玄米飯

 

ご飯を土鍋や高価な炊飯器で炊く人がいるが

私は実家から離れて住む学生が使うような

安価な炊飯器で ご飯を炊いている。

 

普段は スーパーで買うコシヒカリ

秋には 集落の人からいただく新米を食べる。

 

集落の人たちは

コシヒカリと 少しだけミルキークイーンを作る。

ミルキークイーンは 艶と甘味と餅米のような粘りだ。

素直に美味しいと思う。

 

そして今日 新米の玄米を炊いた。

炊飯器の蓋を開けると 見事な炊き上がり。

しっかりとした食感には 力強さがあり

色は 素朴な薄茶色。

 

牛肉の切り落としを 生姜と醤油と砂糖で

甘辛く 炒め煮にしたもの。

赤蕪と白蕪のなます

大根葉 厚揚げ わかめの味噌汁

そして 玄米飯で シンプルな夕ご飯とした。

明るい光

 

一日中 雨が降り 今も降り続いている。

少しの間降りやんだ夕方 外はもう真っ暗で

街灯のLEDに照らされた アスファルト道路が光っている。

 

一本の生活道路。

その道路に点々と続く 白い光。

暗い夜道を歩く動物たちも照らす。

小屋の窓から見える 谷に掛かる小さな橋の上

狐が座って じっと何かを考えている姿を

私に見せてくれたのも 明るい光だ。

 

来客が帰る時 表に出た。

明るい光に照らされた 暗い道

一枚だけ写真に撮った。

風の姿

 

風が吹いても 姿は見えない。

「ピュー ゴー ヒュー」は 

風の走り去る時の音だ。

 

小屋の近くの道路の脇に

吹き溜まった枯れた松葉のカール。

優しく丸まった松葉の形を 上から眺めていると

これが風の仕業 風の形なのではと思う。

 

街中の歩道に吹き寄せられた枯葉

そこにも 風の姿があるのでは。

 

 

先日 丹波立杭を歩いた時

櫟(くぬぎ)だろうか 

枯葉色の 美しい葉っぱを踏み締めた。

風に吹かれて 枝から落ちた葉っぱ。

落ちた葉っぱは 風の姿だ。

恒例の芋煮会

 

今日は雨の1日だと天気予報で言っていた。

しかし 曇ってはいたが何とか持ち堪え

いつものメンバーと 恒例の芋煮会を楽しんだ。

 

大きな小芋をゴロンと入れた 具沢山の味噌味の芋煮。

玉子焼 赤と白の蕪の甘酢漬け。

白菜 油揚げ ネギのサラダは

白菜と油揚げをフライパンでこんがり焼き

ネギはざくりと切り 

友達が作った玉ねぎと醤油のドレッシングで和えた。

甘味と艶のご飯「ミルキークイーン」のおにぎり。

ソーセージの燻製(もどき?)と焼き芋。

チェリー入りのヨーグルトケーキとコーヒー。

メインは芋煮だから こんなもんでいいだろう。

 

食事が終われば表で焚き火をした。

暗くなればLEDランタンを灯し 

その明るさに皆が驚き

山の紅葉に 今年は間に合ったと皆で喜んだ。

 

そして雨が降り始め お開きとした。

トミコさんの畑で貰った 大根や白菜を分け

では 又来年と帰って行った。

 

今 雨の降る音がする。

川の音が響き ストーブの上に置いた

やかんの中の湯が音をたてている。

テレビや ラジオを消すと

いつもこんな音がしているのだと

新鮮な思いで それらの音を聴いている。

山茶花の花びら 枯れた松葉

 

枯れた松葉 白い山茶花の花びらが

雨あがりの苔の上に ふわりと在る。

拾った松葉と花びらを

私が苔の上に載せたのではない。

 

あたり一面に散っている松葉と花びら。

その一画を 選んで撮っただけだ。

 

ふわりとした苔に座り

白い山茶花の花びらで 露を飲み

松葉のスティックで 冬苺をつまむ。

そんな小人を思い浮かべる

自分が可笑しいな。

 

山の紅葉の最後の輝き

雨あがりの湿った冷気。

 

灰色の空の下で 見つけた

少し傷ついた白い花びらと

枯れた松葉の清々しさを愛でよう。