灰色の日

f:id:URURUNDO:20210124005250j:plain

ウツギの枯れた実

雪と雨の灰色の日。

灰緑色の

毛糸の帽子を被り

外に出る。

 

コローの絵の灰緑。

アイルランドのアラン編み。

私が そんなふうに

思っているとは誰も知らないだろう。

どこにでもある 普通の毛糸の帽子。

 

ビービーと鳴きながら

川面すれすれに飛び去るカワガラス

シジュウカラ ヒヨの鳴き声も

山の中から響く。

 

そして

私を呼び止めた 墨色の小さな

雨の雫をまとった ウツギの実。

近づき雫の中にある 世界を見つめる。

小さく だが 深い世界だ。

鮮やかな赤のミニトマト

f:id:URURUNDO:20210123003404j:plain

 

鮮やかな赤の小さなトマト。

実を 指で摘み 

口に放り込み 奥歯で噛み締める。

弾ける食感と 甘酸っぱい野生の味。

 

送られて来た箱に

菜花 キャベツ ほうれん草 八朔

そして ミニトマト

温暖な地で

太陽の光をふんだんに浴びて育った。

 

ざぶざぶと水で洗い

鉢に入れ テーブルの上に。

 

はち切れそうに 皮が張り

軸の深緑の 鮮やかさ。

 

太陽の光と土と水で造られた

自然を凝縮した美しさがここに。

朝の光の中

f:id:URURUNDO:20210121214137j:plain

 

カップから立ち昇る

熱いお茶の湯気が

強い朝の光の中で 柔らかく輝く。

 

小屋の中の 

見慣れた朝のテーブルの上。

こぼれたパン屑を払い

これから始まる今日を

後 一杯のお茶を飲みながら思う。

 

窓の外の 屋根から落ちる 

雪の滴りを見ながら

その透明な輝きを

目で追う 冬の朝だ。

巣ごもりの一日

f:id:URURUNDO:20210120020826j:plain

 

カーテンを開けると

北風に吹かれて 雪が横流れに降っていた。

屋根に積もった軽い雪。

煙のように舞う。

 

小屋の前の道路は

たまに走るバスのタイヤの跡が消えない。

 

軽い雪は

歩くたびに 靴の周りでふわりふわり。

 

車に積もった雪を落とすと

それも ふわりと落ちる。

 

鳥の鳴き声も聴こえず

川の流れの音も

雪に吸い込まれていく。

 

誰も通らず 

誰もが 暖かい家の中で

巣ごもりの

沈黙の雪の1日だった。

素朴なクッキー

f:id:URURUNDO:20210119000833j:plain

 

残り物で作った 素朴なクッキー。

少し固い目の 食感のいいのが焼けた。

 

大きな袋の底に残っていたチョコチップ

そして オートミールと胡桃を刻む。

 

薄力粉 砂糖 ミルク キャノーラ油

ベーキングパウダー バニラ 卵黄

と 共に混ぜる。

 

固い目の生地を平たくし

40枚のクッキーを 190度で15分焼く。

 

お菓子を焼くのは いつも晩御飯の準備の時。

だから 大層なものは作らない。

午前 午後 仕事の合間と

休憩時の お茶の友だ。

 

ガラスの蓋物に 8枚納め

コーヒー ミルク紅茶 

ある時は ほうじ茶と共に。

 

甘党のささやかな幸せである。

いつもの散歩で思った事

f:id:URURUNDO:20210118000155j:plain

 

今日も昼間に 雨が降った。

毎日 同じように時が過ぎ

いつもの様に 動き 考え

特に 変わった事もない。

 

新コロナで

私は外出する事に臆病になった。

そして

仕方がないのに

心が文句を言っている。

 

カバンにお菓子とお茶を入れ

JRの在来線の電車に乗り

窓の外を見ながら

ちょっと そこまで旅をしたい。

 

 同じ様に 臆病になった友達と

ビデオ通話で話をする。

 

それぞれが 何がしかの悩みを話す。

そして 最後には

雨や風から身を守る家があり

その中で過ごす事が出来る

ありがたさで終わる。

 

夕方

いつもの様に散歩をした。

雨が上がり

淡いピンクの雲が西から東へ。

空を見上げて思う。

私はこうやって「ちょっとそこまで」の旅をしているのだな。

松ぼっくりと私

f:id:URURUNDO:20210117013827j:plain

 

「ん・・・?」と 私は立ち止まる。

 

枯れたシダに引っかかった

枝のついた松ぼっくり

 

見上げた空に 松の木は見当たらず

どこから やって来たのか。

そして

いつから ここにいるの?

 

強い北風の吹いた日に

高い松の枝から離れ

空を舞いながらの 短い旅。

 

小雨が止み 

灰色の雲が切れた合間から

淡い青空が見え

そこに

幾重にも重なった雲が流れる。

 

そんな 空の下

小雨の中で ふと出会った

松ぼっくりと私だ。