自然

三日月がふわり

「暑い 暑い」 と、会う人が皆言う。 川がもう溢れるかの豪雨の後 この熱風とべたつく湿度の日々。 私はもうお手上げだ。 誰もこの気候変動を止める事が出来ない。 悲観的な私。 ヒグラシの鳴き声は午後4時の合図。 涼しくなった夕方に表に出ると 木と木の間…

贅沢な夏の夜

今日の午後 標高500メートル程の ここらの気温は35度だった。 夫が京都に出かける 朝の10時前にはすでに31度。 こんな暑い日中だが 二日前に出した 扇風機の風が心地いい。 ゆっくりと回る羽。 夕方4時になると 空気がひんやりとし ヒグラシが鳴き…

地味な花 百日草

百日草 集落の家の周りには いつも様々な花が咲き乱れている。 ターシャチューダーの庭の様な 住人の意思を感じさせる 花壇ではない。 離れたお隣同士でやり取りしたり 山から持ち帰った花の咲く木であったり 勝手に生えたりした物ばかりだ。 雑然としている…

夜の音

山の陰に太陽が隠れると ヒグラシが鳴く。 樹々の間に染み渡る様に鳴く。 ヒグラシの合唱に 合いの手を入れる様に ウグイスが変調で鳴く。 深夜に近く遠く 幾つもの鳥の声が聞こえて来る。 そして 河鹿(カジカ)の騒がしい声も。 穏やかな流れになった 川の…

今日から2週間の京都

上賀茂 大原を過ぎると むっとした空気に変わる。 鴨川の流れは穏やか。 でも 岸の草が倒れて 豪雨の時は あそこ迄水が来たのだ。 今日から2週間。 暑くて息をするのも苦しい様な 京都の南に出かける。 お弁当を持って。 塩と胡椒を効かしたチキン胸肉のロ…

合歓の木(ネムノキ)

合歓の木(ネムノキ) 数日降った豪雨が去って 朝 窓から見上げた空は青空で そこには白い雲が輝いていた。 時々 シャワーの様な雨が降った。 買い物に出かけた町の空には 大きな虹が半分かかっていた。 ホッとした安堵の気持ちと 頭のどこかに残っている不…

一息つく

アカモノの実 インターネットの雨雲レーダーを 見続けた数日間だった。 パソコンのディスプレイの中で 赤や黄色や青の雨雲が動くのと 頭上の灰色の雲が同じものだと 理解するのにも慣れた。 私の住んでいる所も大変な雨で どうなる事かと思ったが ニュースで…

お先真っ暗(2)

平凡な日常がとても大切だ。 災害が起こるたびに思う。 五十年、数十年に一度の豪雨と ニュースで伝える。 しかし 私は5年で3回の深刻な豪雨に遭っている。 5年前の18号台風。 うちの裏の崖が 想像を絶する川の増水で50m程崩落した。 去年の21号台…

お先真っ暗

日本列島のあちらこちらで 豪雨の予報。 台風一過の明るい青空は望めない。 ずっと続く雨や強い風は気持ちを弱くする。 そして、そして 昼ご飯のテーブルの上に そんなに大きくない蛇が 茶碗や皿の間をうねうねと動いていた。 心臓が止まりそうな程の驚き。 …

粗毛反魂草(アラゲハンコンソウ)

アラゲハンコンソウ 粗毛反魂草 なんと言う気骨ある名前だ。 そして 愛らしい風貌を お喋りな娘の様な姿にしているのが 真ん中の焦げ茶色。 初冬にそれが種になり 土にかえり 次の年の初夏に沢山の芽を出す。 そんな律儀で愛らしい花に 粗毛反魂だなんて名前…

山の中に住んで

雲が南から北へ 形を変えながら 早足で過ぎてゆく。 速い 速い。 山の木が 強い風でうねる姿に 不安になる。 遠い昔 私達の祖先が 木や岩 山や海、火に 神を感じたのはこう云う事なのだろう。 山の中で 何かの視線を感じ ふっと後ろを振り向いてしまう。 自…

次々と花を咲かせたビオラ

春になり 雪が融けた後に植えた オレンジ色のビオラ。 他の花は消えたのに 黄色や薄紫のビオラは 次々と花を咲かせ続けた。 今日 川の水が茶色に変わる程の 豪雨が降った。 木の葉っぱに穴があくのじゃないか? ビオラの花は たっぷりの雨水を受けて ふーっ…

元気に逞しく生き延びておくれ

めったにお目にかかれない動物。 狐と兎。 もう何年も前 薄暗くなった夕方。 私が運転する車の前を 子犬かと思われる動物が とことこ走る。 ヘッドライトを消し ゆっくりと後を追う。 その小さな動物は ピョンと石垣に飛び乗り 頭をこちらに向けて私を見た。…

夜も面白い山の暮らし

会う人が必ず言う 「今日は暑いねぇ」 暑い日中が過ぎて 月が山の向こうから 顔を出す時間 空気が冷えて とても気持ちがいい。 朝 カーテンを開けると 外は厚い霧だった。 何も見えない白い空間も 太陽の光が射すと スッと消えてしまう。 冷たい霧の朝。 緑…

今年のウツボ草

武士が弓矢を入れて背負う バッグみたいな物、靫(ウツボ)に似ている。 だからウツボ草。 利尿 消炎 腎炎 脚気 目や口内の病気等々。 生薬の草だ。 その上 ハーブティで美味しく飲めるとか。 知らなかったよ。 こんなに綺麗で可愛い薄紫の花が 薬にもなりお…

山桑と猿

山桑の実がよく熟した。 それは小指の先くらいの大きさで 暗い紫色をしている。 摘んで食べると 果汁の色は濃厚だが 軽い甘さだ。 川向こうの山桑に毎年やって来る猿達。 桑の木の一番高い所に親分が陣取る。 むしゃむしゃと実を食べ 柔らかい葉っぱも食べ。…

夏至の日

6月21日(夏至)午後7時 これだけは写真に撮っておきたい。 それは見上げた時の 空の様子であったり 琵琶湖辺りの景色であったり 街の建物の後ろに沈む 夕陽であったりする。 夕方7時を過ぎても 未だ明るい今日は夏至。 ピンクに輝く北西の空の雲を何枚…

「ヒヒヒヒーーン」と鳴くから駒鳥(コマドリ)

朝から夕方まで 山のあちらこちらから 聞こえて来る「ヒヒヒヒーーン」 コマドリの鳴き声。 馬のいななきに似ているから駒鳥。 オレンジ色の綺麗な野鳥だ。 時折 薪小屋から驚いた様に 2羽が飛び立つ。 人間の世界の様々な出来事も 山の中で飛び交い 歌う …

枯れた除虫菊

除虫菊 マーガレットの様な白い花。 陽の光を浴びた明るい姿が 蝶や蜜蜂を呼び寄せる。 風に揺れていた白い花。 気がつけば麻の茶色に。 これはこれでとてもいい風情だ。 葉は落ちて すくっと立つ姿。 沢山刈って ガラスの瓶に入れようか? 茎までが美しく …

私が植えた黒すぐり

黒すぐり 友達が「簡単だよ」と言うベリー類。 そのどれを植えても育たない。 ラズベリー、ブルーベリーは いつまでたってもヒョロヒョロで 実でジャムを作るなんてとんでもない。 黒すぐりを植えたのは8年程前だ。 去年「少し大きくなったかな」と思った。…

野生の木いちご

実をつけ始めた野生の木いちご。 赤い実をたわわに付けている木。 やっと実を付けた小さい木まで。 枝の中に手を入れると 「イテテッ!」 棘で痛い目にあわされる。 摘んで食べると軽い甘さ。 あちらこちらの桑の木も 黒く熟した実で重い。 野生の木いちご。…

小糠雨の降る今日は

小糠雨の降る今日は 冷たさで居心地の悪い日だ。 緑も土もしっとりと濡れて 湿っぽさの中の香りが 衣服にまとわりつく様だ。 こんな日は 体の芯まで温かさが届く様な スープが食べたい。 人参、新玉ねぎ そしてたっぷりのキャベツ 細切れにした豚肉。 少しの…

憧れのジギタリス(狐の手袋)

イギリスの湖水地方が舞台の「ピーターラビット」 その話の脇役で忘れられない花の一つ。 それがジギタリスだ。 日本の山村原風景のこの村にも ジギタリスはあちらこちらに咲いている。 ピンクや白の狐の手袋。 川の側に咲いていたのを掘り起こそうと 道具を…

元の姿に戻る庭

綺麗に整えられた庭だった。 姉さんかぶりをした奥さんが 小さなハサミで庭木を整え 鎌で草を刈っていた。 奥さんが亡くなり9年。 山仕事一筋だった夫のショウタさんは 花などには目もくれない。 紫陽花はわさわさと繁り 赤い花を附けたツツジは 枝を四方に…

ドクダミの苦い香り

ドクダミ 雨が続くと緑が深くなり 小屋の周りの草が一気に伸びる。 湿った空気が 植物の放つ香りをより深くする。 靴で踏んだ時 ズボンの裾が触れる時 苦い香りで存在を知らせるのは オフホワイトの凛とした花 ドクダミだ。 4枚の花びら ハートの形の葉っぱ…

バイカウツギ(梅花空木)

バイカウツギ 65才で亡くなった熊さんの家の近く 暗い杉林の崖に咲いている。 ウツギがまるで街路樹みたいに 川や道のそばに咲いているのに この花はたった一株 陰の中にひっそりと咲く バイカウツギ。 細い川沿いの道を 軽トラやダンプに気をつけながら歩…

野菜に埋もれて

今、私は野菜に埋もれている。 と、言うのは大げさだが 感じとしてはそんな風だ。 トミコさんは畑が荒れるのが嫌だ。 だから野菜を作ると言う。 畑に並んだレタスや小松菜を さっさと引き抜き 鎌で根っこを手早く切り取る。 そして 二人家族の我が家には 多…

網戸を通してみる緑の世界

表と裏のドアに網戸をつけ カーテンを取り替えた。 二重の冬用カーテンから 薄い生成り木綿のカーテンへ。 素っ気ない程のただの四角の布。 うっすらと陽の光を透し 風にふわりとなびく。 閉ざされていたドアを開け 網戸を通してみる緑の世界。 暗い小屋の中…

ウツギ 又の名を卯の花

ウツギ/ウノハナ 小紫陽花が山肌に沿う様に咲くなら ウツギの樹形は行儀が悪い。 バッサバッサと枝を張る。 そして 小紫陽花が甘い香りを放つのに ウツギの香りは微かだ。 でも その枝にたわわに咲く白い花は 黄色の花粉をたっぷりとつけ 蜜蜂達は大喜びだ…

小紫陽花/コアジサイ

コアジサイ 小屋のドアを開けて表に出ると 漂っている気持ちのいい甘い香り。 今が盛りのコアジサイは 山の肌に張り付く様に咲いている。 煙ったような水色の 粟粒の様な花。 秋になれば 明るい黄色の葉の色に変わる。 そうやって 初夏と初秋に二度私達を驚…