ピーピーと鳴く鳥達

木々の間から ピーピーと鳴き声がする。 あちらこちらから。 黄色の葉っぱはもう落ちてしまい 赤いのは益々深みを増した。 枝だけになってしまった木々が山を覆う。 あの木々の間を ピーピーと鳴く鳥達が 枝から枝へと飛び回っているのか。 赤い実はもう無く…

大きなMの看板

じつに広くて高い空間。 真っすぐに国道が南北に走る。 ビルもなく 細い道もない。 しかし 殺風景な国道の町並みではない。 こんな所が 私の住む集落の人達が言う「街」だ。 大きなスーパーマーケットが出来 道の駅が出来 音響効果のいい文化会館が出来ると …

玉子の配達

午後4時15分 ヤマケンさんは うちのずっと奥の集落で鶏を飼い その玉子を道の駅で売っている。 村のお得意さんには配達してくれる。 うちもチャックもお得意さんらしい。 村人の中には 「コメリの餌をやってるのに地玉子やない」と うるさい事を言う人も…

冷たい雨の日

山間に架かる橋の上。 私は車をゆっくり止める。 カメラを抱えた数人が 最後の紅葉にレンズを向ける。 「ああ、駄目駄目 あの山霧を撮らなくては」 と、心の中でおせっかいな事を言う。 横着な私は 車の窓から小さなカメラを 山に向ける。 二回シャッターを…

琵琶湖東岸(3)パーキングに車を止めて

午後3時 琵琶湖東岸に沿って続く公園の側。 湖の形をなぞる様に道が走る。 信号の少ない道を トラックもセダンも軽バンも 広大な空間に音が吸い込まれ スーッと流れる様に走る。 いいお天気で 青い空に白い雲なぞ浮かんでいると 私みたいに 公園のパーキン…

琵琶湖東岸(2)青い靄のかかった風景

比叡山 滋賀の真ん中に琵琶湖がある。 西岸から東岸に渡る橋は 南に二つあるだけ。 どちらに行くにも この橋を渡る。 琵琶湖大橋のてっぺんからは 近江平野が見渡せる。 天気のいい日も悪い日も 靄のかかった日も まだまだ開発の手が入っていない 広がりが見…

琵琶湖東岸(1)「カイツブリ」

午後3時 私がそっと近寄ると 用心深い数羽のカイツブリは ばたばたと飛び立った。 湖面にぷかりぷかりと 浮かぶカイツブリ。 岸の枯れ草の上で 身動きもしないのんびり屋達は 陽の光を浴びて昼寝の時間? 風の強い日。 雲は湖の上を西から東へ。 「いいなあ…

ポーリーンのクレープ 2種

ライスクレープ 今日 チャックの小屋に滞在中の ポーリーンは料理上手。 パリに生まれて育ち 今はトゥルーズに住んでいる。 素朴な女の子だ。 今日暗くなってから 新作クレープのお裾分けを持って来てくれた。 ライスクレープ。 ご飯を薄くして焼いただけの…

食材を買いに

午後4時半 帰り道 村の人が「街」と言う湖西の北。 食材を買いに出かける。 車で50分程。 紅葉の山肌を霧が上って行く。 湿った冷たい空気が気持ちいいなあ。 山を抜け 田んぼの間を走り 湖西線の駅の辺りでやっと街らしくなる。 大きなスーパーマーケッ…

赤いセーター

どこからやって来たの? こんなに綺麗な色をして。 見上げても 見回しても分からない。 つやつやとしっかりとした葉っぱ。 道の脇に吹き溜まって その辺りが赤や黄色のゴブラン織り。 こんな色のセーターが欲しい。 寒くて冷たい冬も 背筋を伸ばして歩けそう…

「明るいうちに帰ろう」

午後4時半 「ミッドタウン」にて 夫の友人がやって来た。 四人。 うちでお昼を食べ さあ、「ミッドタウン」に 栃餅ぜんざいを食べに行こうと 車を30分走らせた。 まだ紅葉は鑑賞に堪える姿。 車のフロントガラスに 黄色の葉っぱが吹雪いて来る。 ぜんざい…

樹の顔

教えてもらった訳ではない。 木肌、割られた木目、色 風化した姿。 いつの間にか これは何の木だと分かる様になった。 桜は割ると薄い紅色。 甘い匂いがして 「ああ、小学校の時の木琴の木だ」と 木琴の音色までも思い出す。 栗は風化すると特徴が出る。 固…

豪華な贈り物

南風に吹かれて はらはらと落ちてくる葉っぱ達。 枯れ草の上に 茶色のどんぐりの葉っぱ 黄色の楢や 漆の赤い葉っぱ。 明るい空から降り注ぐ陽の光に 山が黄金色に輝いている。 秋の終わりから冬の入り口へ なんと豪華な贈り物だろう。

「どうぞ 召し上がれ」

毎年 何人かの人からさつま芋を貰う。 今日貰ったさつま芋は 驚く美味しさだった。 安納芋。 色は濃い黄色 滑らかな食感 やさしい甘さ 鼻孔に届く香り。 耐熱皿にサイコロ状に切ったさつま芋を入れ ほんの少しの水を足す。 電子レンジで8分程加熱。 柔らか…

雪虫(ユキムシ)

「あっ、雪虫・・・」 水灰色の5ミリ程の虫。 ふわふわと綿毛の様に飛んでいる。 初雪が降る前に現れるので雪虫。 自然豊かな山の中に住んでいると 豪雪、豪雨、台風と 災害にはことかかない。 そして動物との陣地取り。 虫達との闘い。 ある日突然 蟻が小…

霧の朝

午前7時半 山の向こうから 太陽が顔を出すのが遅い 谷筋の村。 窓のカーテンを開けると 深い霧の朝だ。 峠まで行けば 雲海が見られるはず。 太陽が顔を出せば あっという間に消えてしまう霧。 朝の一時の贅沢を堪能するとしよう。

野菜のクレープ

チャックの小屋に滞在中の スイス人のカミル。 そこに フランス人のポーリンが合流した。 ポーリンはとても料理が上手だと カミルは嬉しくて仕方ない。 そのポーリンが作った「野菜のクレープ」 薄焼きクレープじゃなく韓国のチヂミの様だ。 中々の出来だっ…

停電の為に

21号台風で 三日間の停電を経験した。 当たり前だった夜の明るさが ろうそくと懐中電灯の灯りだけになり 暗闇がこれほど難儀な物だったのかと知った。 そして これからも起きるであろう停電の為に 発電機を備えるべきだと思った。 しかし 発電機は時々使わ…

山の中に

山仕事をしている「弟君」の チェーンソーの音が聞こえる。 毎日、少しずつ音が遠ざかる。 「しゅっとした男前」さんによると 「弟君」は潔く木を切るらしい。 チェーンソーにオイル お弁当にお茶。 色々な物を担いで目的の木まで 急な山道を歩いて行く。 「…

幸せな時間

午前9時 車で出かける時に 右に見える大きな欅。 隣の集落のシンボルツリーと私が呼んでいる。 「行ってきます」 「ただいま」の木だ。 琵琶湖まで下る。 毎週の大津瀬田行き。 見渡す景色が白く霞んでいる。 琵琶湖にぷかりぷかりと浮かぶ 晩秋の使者カイ…

ずっしりココアケーキ

ココアのケーキを焼く。 胡桃を包丁で細かく切る。 刃先から伝わる胡桃の感触。 ココアはバンホーテン。 バンホーテンのココアパウダーの魔法。 これだけで濃厚で上等なお菓子になる。 まずは玉子から。 材料を全部混ぜて 大きなパウンド型2個に残さずに入…

青い空と明るい陽の光

楢の林 朝から雲一つない空 空気が冷たい。 こんなに気持ちのいい日に 家の中にこもるのは 精神衛生によくない。 そこで私は 小さなカメラをズボンのポケットに 「ちょっと 歩いてくるか」 台風の風で南に倒れたシダ。 中から小さな野鳥が驚いて飛び立つ。 …

時は続いて行くのだ

10月30日 二つの台風が去っても 青空は見えず しかし 雨の山は 色が変わり始めた。 朝から吹いていた 強い北風が止んだ午後。 買い物で山を下る。 途中で見かける ブルーシートで屋根を覆った家々 数えきれない倒木。 自然の力には勝てない。 ねじ伏せら…

台風21号

10月9日 ほんのしばらくご無沙汰しました。 台風21号で22日夜に電気が止まり 家の灯り、井戸水のポンプ、パソコン、携帯、電話・・・ 電気を使っているものは全て使えなくなりました。 今日夕方、やっと電気が灯りました。 明るい部屋、蛇口から溢れ…

無花果(イチジク)

400メートルの道を 手押し車を押して チエコさんがイチジクを持って来てくれた。 庭の池の上に 枝を広げたイチジクの木。 腰の曲がったチエコさんが 手を伸ばして採ってくれた。 本当に有り難く思う。 夕方になると ストーブに薪をくべる。 香ばしい香り…

友達が作った豆本「世界の名画」

縦が6センチ 横が8・5センチ 厚みが1センチ。 友達が作った豆本のサイズ。 紙は木炭紙で 表紙は濃いピンクの和紙だ。 ケースはボール紙 ゴールデンバットが飛んでいる。 手元にある材料で作った。 名画全集の広告から セザンヌやゴッホや ゴーギャン等を…

毒キノコであっても

スギヒラダケ 秋の自然の嬉しさは 赤い実であったり 栗やドングリであったり 枝がしなる程の柿の実の色であったりする。 形や色のかわいさでは キノコも負けてはいない。 山や林の腐葉土から 顔をだすキノコ。 食用になるのも 毒キノコであっても そのかわい…

映画「わんぱく戦争」のどんぐり小僧

「あ、どんぐりだ」 「りんどうが咲いた」 毎年の事なのにうれしい。 頭にベレー帽 緑のかわいいどんぐり小僧。 10代の頃見たフランス映画「わんぱく戦争」 フランスの地方の子供達と風景。 テーマ曲も忘れていない。 ベレー帽を被り 皮の編み上げ靴をはい…

マフラー

マフラー 今日も雨の一日。 足元も首の周りも 何となくスースーするようになった。 引き出しを開けると 飛び出してくる様に 沢山のストールやマフラー。 それは 自分で買ったものや 母が編んでくれたもの そして プレゼントされたもの。 20代の時買ったタ…

「おやおや・・・邪魔をして失礼」

冷たい雨が 朝からずっと降り続いた。 山に靄がかかり それが 下から上へと這い上がって行く。 私は一日何をするでもなく そして 前の道路を走る車も少なく 喜んでいるのは 黄色く色づき始めた 木の葉っぱだけだ。 傘をさして表に出ると 足もとを 土色をした…