美術・本・映画・音楽

吉増剛造と「眩暈 VERTIGO」

おやつ(コーヒーとケーキ) 夜の間に雪が降り それは 積もった雪の下が透けて見える程だ。 朝の7時前から明るくなるが 山の向こうから 太陽が顔を出すのは午前9時過ぎ。 屋根から溶けた雪が 雨水のように 雫となって落ちてくる。 小屋の周りの雪は まだ30セ…

紙の新聞 紙の本

私は 集中して何時間も本を読む事はない。 しかし 活字好きではあるようだ。 フィクションよりも ノンフィクションを好む。 たまに小説を読む事もあるが 読後は 久しぶりに懐かしいものを食べた そんな感じがする。 新聞の書評を読み それに惹かれて 読んで…

シジュウカラ  映画「殿、利息でござる!」

シジュウカラ 神経質なシジュウカラを 窓ガラス越しに見る。 私が少しでも動くと パッと飛んで行ってしまう。 スマホで撮るには 難しいなあ。 餌台に好物のカメムシ みかんを置く。 すぐに どこかから 何羽も飛んで来て チーチーと鳴き交わし 餌を食べる。 …

12枚の絵葉書

友達 知人から時々手紙が届く。 返事をすぐに書こうと思っても 便箋もハガキもない。 絵葉書はあるが 好きなのが残っていない。 パソコン スマホに頼ってしまっている結果だ。 暮れに年賀状を作った勢いで 絵葉書を作ろう。 パソコンに保存してある写真から…

ささやかな願望 メープルシロップ

ココアクッキー 夕ご飯の準備をしながら 私はNHKEテレで「ターシャ・テューダー」を観ていた。 今までも 時々観ているが ちゃんとしたタイトルは知らない。 テューダー家の台所 分厚い鋳物のフライパン。 それで 10センチくらいの大きさの パンケーキを次々…

美術手帖 2020年10月号 特集「五木田智央」

「BT 美術手帖」 2022.10 ずっと美術手帖を図書館で予約購読している。 毎回 面白そうな記事と展覧会の案内を読む。 私の若い頃の美術手帖と 今のとでは内容が随分変わり 買うことは無くなった。 そんな私が 表紙を見るだけで興味を持った特集がある。 五木…

「パリジェンヌの田舎暮らし」NHK Eテレ

NHK Eテレ「パリジェンヌの田舎暮らし」 小さな小屋に住んでいるので テレビもそれに合ったサイズの19インチだ。 その小さな画面のテレビで 私はたまたま出会った面白い番組のシーンを いつもズボンポケットに入れているスマホで カシャッと写真を撮る。 …

丹波焼の地 立杭行き

丹波立杭に行った。 JR相野駅で4、5年振りで会うAさんと待ち合わせて バスで「兵庫陶芸美術館」「立杭 陶の郷」へ向かう。 立杭の里を取り巻く 秋の光を浴びた 広葉樹の山並みが穏やかだ。 陶芸美術館の特別展示は フランス アールヌーボーのガラス作家 ル…

「アンドリュー・ワイエス 作品集」 高橋秀治著

絵でも 本でも 映画でも 音楽でも 最初に出会った時には そんなに感動しなかった という 経験をした人は 私だけではないはずだ。 でも ある時 そんな絵や本や映画や音楽が 自分にとって意味を持つ様になる時が来る。 意味というより 大好きになると言ったほ…

「パタゴニア」と「パタゴニア」

ゲンノショウコ 「パタゴニア」 ブルース・チャトウィン著 図書館で借りて 面白く読んでいるのに 返却日までに読み切れなかった。 だから 延長したのに 後数十ページ残った。 県立図書館から借りていて これ以上は延長出来ない。 再予約も考えたが ちょっと…

枯れた花と陶

「記憶」5(陶 枯れた花) 原っぱ 小屋のそば 道の脇 そこで見つけた 枯れた花。 花瓶に生けた花が 萎れてしまったのを 壁に吊るして乾かした花。 そんな枯れた茶色の花を 大事にとっておく。 カラッとした日は 枯れた花はカラッとし 雨の日は 繊細な細い茎…

「パタゴニア」 ブルース・チャトウィン著

ブルース・チャトウィン 著 「パタゴニア」 「パタゴニア」 図書館に予約して一週間後に私の元に。 1998年の改訂版で どんなに沢山の人に読まれたかが分かる 表紙の擦れ 色褪せ 背表紙の焼け。 著者のチャトウィン。 1940年にイギリスで生まれ 19…

思い出の本から 何かを作る

「エデンの東」上巻 半世紀以上も前の本だ。 経年劣化で紙は変色し 活字も小さい。 色々な本を 色々な機会に手放したが この本は なぜか私の手元に残った。 最初のページの 文章の美しさ 薄茶色に変色した紙の手触り そして 当時中学生だった私にとって 今で…

図書館で借りる雑誌の楽しみ

「暮しの手帖」2022 6−7月号 71ページ 『ふたつの中心』 「軽さと重さ」 写真・文 茂木綾子 安泰寺という禅寺で修行していたときのこと。 庭の大きな木の下に置かれていた 車のシートの上に 読みかけの本がポツンと残されていた。 『存在の耐えられない軽…

やって来た Santa Feスタイルの椅子

やって来た Santa Fe スタイルの椅子 私の初めて行った旅を 思い出させる椅子。 友達の家にある その椅子を 友達がいとも簡単に「あげるよ」と言った時 狭いワンルームの小屋に この椅子を置くスペースが あるかどうか・・・ 6月初旬の事だ。 先日 用事でそ…

夜の冷気 サイモン&ガーファンクル

夜の雨の音と 川の流れの音を聞きながら クランベリーの入った 微かな酸味のクッキーと 冷たいお茶をそばに置き パソコンを開く。 いつもの夜のように 冷たい風が窓から入ってくる。 昼間の暑さが夢のようだ。 咲き誇っていた アメリカンワイルドフラワー。 …

絵本「かしこくいきるしまりす」 手島圭二郎 著

NHKEテレ「日曜美術館」で観て以来 ずっと気になり 図書館で借りた 手島圭二郎の絵本 3冊。 それは 「かしこくいきるしまりす」 「きたきつねとはるのいのち」 「おおはくちょうのそら」 手島圭二郎は 北海道に生まれ 育ち ずっと住み続け 力強いタッチの木…

豪雨 図書館の本3冊

山法師 豪雨である。 乾いた土に 雨が沁み込む。 草や木が 生き生きとするのを感じる。 雷が山の向こうで鳴り 川の水はコーヒー牛乳色。 図書館から受け取った本は3冊。 NHKの「日曜美術館」で紹介された 手島圭三郎の絵本だ。 友達も是非と知らせてきた。 …

飛行機雲 シャワーのような雨

アメリカンワイルドフラワー 夕方の見上げた空に なんと久しぶりの飛行機雲。 以前は 毎日何回も東の空から西の空へ 真っ直ぐな飛行機の軌跡 飛行機雲を 見上げたものだ。 最近 メルカリに出品している本が2冊。 続けて売れた。 「リリアン・ヘルマン自伝:…

アカショウビン 「煉瓦女工」 蕗の佃煮

蒸せる緑の世界に囲まれて 久しぶりに額に汗をかく。 道路脇のデジタル温度計は27℃。 太陽が山陰に隠れると 気温は一気に下がり 都会の人には申し訳ないが 快適な午後から夜へ。 今日も一日 アカショウビンは機嫌がいい。 山のあちらこちらから 軽やかな美し…

「ブックセラーズ・ダイアリー」 ショーン・バイセル著  矢倉尚子訳 白水社刊

「スコットランド最大の古書店の一年」 イギリス スコットランドの小さな町ウィグタウン。 著者のショーン・バイセルが ブラリと立ち寄った 古書店「The Book Shop」。 30歳のバイセルが、当店の主から 「この店を買わないか?」 と 持ちかけられ 「そんな…

サンタフェ スタイル(Santa Fe Style)の椅子

アメリカ ニューメキシコ州 サンタ・フェのインで(アルバムから) 1990年 私が 初めて行った外国の町がサンタフェだった。 伊丹からロスアンゼルス。 一泊して次の日に飛行機で ニューメキシコのアルバカーキ そこからバスに乗り やっと着いたのがサンタフ…

BT 美術手帖とメルカリ

私が「美術手帖」を読み始めて 半世紀以上になる。 池田満寿夫の連載の文章が面白くて それを読むために買っていた。 その後 単行本になったのも買った。 それ以降 買ったり買わなかったり 連続して買ったり。 いつの間にか アートを目指す人の HOW TO本にな…

蝶の標本

村の温泉にて 蝶々を見て いつも思い浮かぶのは 三岸好太郎の 「雲の上を飛ぶ蝶」だ。 それは 細長いキャンバスに描かれた 灰色がかった青空 白い雲 その上を飛ぶ 彩り豊かな沢山の蝶たち。 この絵がうちの壁に掛かっていたら どんなにいいだろう。 村の温泉…

小さな陶の箱(2)「家」

小さな陶の蓋物が好きだ。 手のひらに載せると 少しの重さを感じる。 その重さに比例するだけの物語も。 地平線が見える草原に 箱のような小さな家。 そばには 気持ちのいい風を受けて立つ木があり サワサワと音をたてる。 鳥もやってきて 羽を休め 一声鳴い…

小さな陶の箱(1)「花畑」

明るい窓際に 手のひらに載るほどの小さな 陶の蓋物を置く。 「花畑」という名の陶の箱。 蓋を開けると どんぐりが二個入る。 まるで湯船に浸かっているようで かわいいのだ。 そして 蓋を閉める時の 軽いカシャっという響きが 何かを話しているように思える…

「船をつくる話」

「BT 美術手帖」 2003年 3月2日の文「若冲の溢れる花の色」と同じく 「BT 美術手帖」の記事から。 「船 山にのぼる」プロジェクト 『広島県三次市の灰塚ダムの建設の話が持ち上がったのが1973年ごろ。 ダム建設の為に伐採された木を使って 水没予定地に長…

若冲の溢れる花の色

若冲(1994年 BT「美術手帖」を撮る) 皆さんの住んでおられる所 今日はどんなお天気だっただろう。 こちらは 相変わらず小糠雨。 いつも ズボンのポケットに入れている スマホで撮る写真は 静かな灰色の景色。 もっと色を! 本の整理中に偶然見つけた …

枯れた茶色の花

どこから飛んで来たのか 柿渋色に枯れた 山に咲く紫陽花の花。 黒い埃に汚れた雪の上を 自分の着地点と定め 風に乗り飛んできた。 花の茎を 持ち上げ 灰色の空に透かして見ると それはまるで アンドリュー・ワイエスの絵だ。 雪の止んだ日々。 私の前に落ち…

絵本「トムテ」

絵本「トムテ」 スウェーデンの農家 仕事場に住んでいる小人のトムテ。 何百年も生き続け その家の人の幸せを願って生きてきた。 小さくて 人を見ると隠れてしまうトムテ。 だから 家の人はトムテに会った事がない。 でも クリスマスイブには お粥を器に入れ…