暮しの手帖の料理本(1)「おそうざい十二ヶ月」

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暮しの手帖料理本「おそうざい十二ヶ月」

懐かしい花森安治のフリーハンドの字。

 

私の20代の頃から ずっと家にあった。

地味な織の写真の ハードカバーの装丁。

 

中に紹介されている 201ものお惣菜も

地味な 当時の母の味。

「大根ととりだんごの煮込み」

イカと竹輪の油炒め」

 

若い私には なんとも魅力のない料理本だった。

 

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そんな私が 数日前に

ぱらりとめくったページに載っていた文。

『「なすとかぼちゃのいため煮」

   なすとかぼちゃを油でいため

   とろけるほどに煮ました。

   なんでもないおかずですが

   こういうものが一つあると 

   食卓がおちつくものです。』

 

なんでもないが 食卓が落ち着くおかず。

 

この本が出版された半世紀前

電子レンジもなく 出汁も昆布や鰹節で。

家にいる「母さん」が 食事の支度に

十分に時間をかけていた時代だ。

 

今日 私は

「なすとかぼちゃの炒め煮」を作った。

電子レンジでチンしたカボチャと

乱切りにしたナスを炒め

粉末出汁を使い 砂糖を使わず

醤油だけで美味しく炊いた。

 

半世紀前の料理本は 基本を教え 

私はそれをアレンジしながら

「食卓が落ち着くおかず」を作る。

 

この本を大事にしたい。