2021-01-01から1年間の記事一覧

秋の花達

月見草 秋の花は 今が盛り。 曇り空の下でも 晴天の下でも 控えめな彩りで咲いている。 「小屋」の周りでは 何本もの秋明菊が 白い花びらを揺らし 川へ降りる 細い道には 邪魔になるほどのミゾソバが群れて ボロギクは 広い原っぱを我が物顔で占領し 風に そ…

三谷龍二さんの文から

「住む。」という季刊誌を 図書館で定期購読している。 木の家を見るのが好きで愛読しているのではなく 「長田弘」の詩が好きで それだけの為に借りていた。 「長田弘」亡き後 今は三谷龍二さんの 短いエッセイを楽しみに読んでいる。 三谷龍二さんは 信州で…

栗の毬(イガ)

栗の毬(イガ) 道路脇に バラバラと散らばる栗の毬(イガ)は 見上げる山に根を張る あの栗の木からだ。 可愛い茶色の栗坊主を 抱き抱えていた毬(イガ)。 風の強い日に バラバラと落ちた。 晴れが続いた日々。 金星が輝き 星座も空に広がった夜 アスファ…

蓼(タデ)の花

山の向こうから まだ陽が昇らない時に 雨が降った後のように 夜露が草に残る。 秋の野草が 道路脇や木の根元に ひっそりと咲いている。 緑の葉から 赤く色づき始めた蓼を 何本も手折ると 指先が濡れた。 白の花器に挿した 淡いピンクの蓼の花は 上を向いて吠…

シンプルで 健康的なパン

キッチンミトンを両手にはめ 釜を逆さにして振ると 湯気の立つパンが ゆっくりと出てくる。 ホームベーカリーの釜から取り出したパン。 熱々を表の冷気にさらし ほんの少し冷まそう。 夫が 二、三日に一度計量し ホームベーカリーにセット 朝に食べる焼き立…

藪椿の実

藪椿の実 細くて 背の低い藪椿の木。 それは タイチさんのよく手入れされた 庭にひっそりと立っている。 その木に はっと目をひく2個の赤い実。 早生のみかん位の大きさのそれは 柔らかな布で 丁寧に磨かれたかの様に 艶やかに光っている。 固い実だと鳥達…

心地いい朝の空気

10月5日 朝 霧に包まれた山々 小屋の周り。 その霧が 太陽の光に当たると すっと消えてしまう。 後には あたりを包む冷たい空気が残る。 木漏れ日は輝かしく 朝露は草や木々の葉に残る。 顔を近づけ 露の中の反転した世界を見る。 秋明菊の白い花びらは …

週に一度の買い物

10月2日 夕方5時過ぎ 買い物に出かける。 「小屋」から琵琶湖岸にあるスーパーまで 車で片道50分。 ほとんど信号のない道を 山 畑 稲田の季節を感じながらのドライブだ。 週一回の買い物で 同じエリアにある3軒の店を回る。 生鮮食品は大手のスーパー…

輝く タフなミント

ミント 夏にひょろりと伸び 葉を茂らせ 風に揺れると 空気にいい香りを撒いた。 窓辺に置いたミントの鉢。 夏の終わりに 短く切った。 タフなハーブ ミントは 決して消えたりしない。 台風の強い北風が吹き去った今朝。 青空に小さな雲が北から南へ流れ 空高…

夕方の虹

9月30日 夕方 山の中の 細い川筋に点在する集落。 迫る山に囲まれた 私の小屋から見えるのは 狭い空だ。 爆音を響かせて現れたヘリコプターも 満月も 飛行機雲も しばらく経つと 視界から消える。 霧雨が降っては止み 青空が現れては 厚い灰色の雲が 押し…

秋の花 今が盛りと咲いている

夏から秋の移行時の 花の端境期が過ぎてしまった。 今朝 小屋の周りを見渡すと 埋めた生ゴミから蔓を伸ばした先には 黄色のかぼちゃの花が。 ミゾソバ 野菊 ゲンノショウコ 名も知らない黄色の小さい花 帰化植物のブルーミストフラワー 加賀乃薊などが 今が…

朽ちた木っ端

湿った土の上に 重なって数年。 チェーンソーで切った 雑木の木っ端 軍手をはめた指で そっと裏返した。 現れたのは 白と焦げ茶の 力漲る木の造形だった。 人の感性と同じ数だけ 美しさの感じ方がある。 私は この朽ちた木っ端を見た瞬間 「おお!」と 心が…

輝かしい朝

9月27日 朝 太陽が 山の後ろから顔を出すと 数メートル先を隠す霧が 一気に消えてしまう。 そして 霧の置き土産の たっぷりの夜露が 色の変わり始めた葉っぱの先から ぽたりぽたりと 滴り落ち 足元の草は 靴の先を濡らす。 輝く緑 川のせせらぎ 道を走り…

質素な農具小屋

うちから8キロ離れた国道から 数メートル上った所にある 打ち捨てられた 小さな農具小屋。 欅が大きく枝を広げた影の下 錆色の小屋は 気持ちの良い秋風と光を受けている。 ゆらり ゆらりと揺れる欅の枝 紅い蓼の花は俯き加減 近くを通り過ぎる 車の音も遠く…

枯葉を並べる

どこからか飛んできた 枯れた葉を 一枚ずつ拾い集め 風化した椅子に並べる。 そして その 朽ちていく様を愛でるのは 毎年の秋の事だ。 枯れた葉の 緩やかなカーブ。 穴が空いたり 裂けていたりと 表情が豊かな秋の葉達だ。 赤い枯葉を見つけるのは 少し後だ…

黄色のキノコ

朽ちた葉の間に顔を出すキノコは 鮮やかな黄色だ。 朝の陽の光を浴び 控えめに輝いている。 川の水音 鳥の鳴き声を聴き 時折走る車の音に 轢かれはしないかと怯えながら ここがいいのだと 明るい黄色の傘を広げた。 初めて見るキノコに 今朝出会った。

茹で栗

もらった茹で栗を コロコロと器の中に。 大きいのやら 小さいのやら。 山の中の 栗の木の下 茶色のイガから 顔を見せた栗の実を 軍手をはめた手で 一つずつ拾い・・・ といった情景が浮かぶ。 それを アルミの大きな鍋で茹で 上手くいったかな?と 試しに一…

桜の木のスプーンとバターナイフ

私が毎朝使う スプーンとバターナイフは 桜の木で出来ている。 小屋の近くの山で 何年生きたか知らないが 薪用にと貰った 桜の木だ。 切り口から 甘い香りを放ち 燃やしても 小屋中に 香りは充満する。 その桜の木で 夫がスプーン フォーク バターナイフ等を…

カガノアザミ(加賀乃薊)

カガノアザミ(加賀乃薊) 空気はからりとした 心地よい一日。 窓から入り込む緩やかな明るさ。 この明るさは 秋の色だ。 淡いピンク色をした 糸のような花びら 沢山の蕾をつけた 背の高い野生の花。 カガノアザミ(加賀乃薊)は 小屋の周りに 群れている。 …

トンビが描く大きな円

18日の空 台風14号は 私の住んでいる小さな小屋を 痛めつける事もなく過ぎ去った。 非常に幸運な事だ。 強風雨が近づくと予想された 深夜の時間帯に 表では コオロギの鳴き声が盛んだった。 夜が明けて 小糠雨が降り続く間の 雲の切れ間から覗いた青空。 …

黒の桝目に若緑

大根(?)の芽 チャックの畑 チャックは 途切れる事なく 発芽用ポットに 何かのタネを蒔いている。 ハーブであったり 野菜であったり。 小さな発芽用ポットの土から 小さな双葉が出て それらが 並んでいる様は 幼いエネルギーの発露。 強い雨に打たれたら …

秋の早い夕暮れ

夕方 6時を過ぎると もう あたりは暗い。 「つい この間まで7時を過ぎても明るかったのに」 と 毎日思う。 山の暗闇を明るく照らす LEDの街灯。 この街灯の下で 最近は姿を見せない狐を スポットライトのように照らしていた。 元気でいるのか? 見上げれば…

紫蘇ジュース

作る工程は単純 簡単だが 毎年「面倒だなぁ」と 億劫に感じるのが紫蘇ジュース。 二抱えも 三抱えもある 根付きの紫蘇の葉をもらい 艶のある綺麗な葉だけを使う。 洗った紫蘇の葉の炊き汁に 砂糖とクエン酸を加えるだけ。 今年も6リットル出来た。 夏の汗だ…

秋の初め スダチの香り

朝晩の 寒いほどの冷気で 数日前から ストーブに薪をくべる。 半袖のTシャツの上に フランネルのシャツを着た。 うっすらと畳み皺のある軽いシャツ。 灰色の空と 頼りなげに風に揺れる芒の穂が 夏の盛りの 噴き出る汗の記憶を 忘れさせる。 知人がくれた 濃…

現の証拠 (ゲンノショウコ)

ゲンノショウコ(ピンク) 野生の花はどこからでも芽を出し そして 茎を伸ばし 葉をつけ花を咲かす。 憧れるほどの逞しさだ。 小屋の周りに咲き出した ゲンノショウコ。 「煎じて飲めばお腹の痛いのもすぐ治る。 だから『現の証拠』」 余りにも実利的な名前…

湯がいただけのインゲン豆

畑から もいで貰ってきた青い豆を 洗って 筋を取り 指でポキポキと折る。 塩を少しの湯で湯がき 深い緑に色が変わったら ザルの上にそのままで。 土の色をした四角の鉢。 インゲン豆を載せ 胡麻を指で潰しながら振りかける。 出汁と醤油で煮る事も オリーブ…

野ぶどうの黄色の葉っぱ

小屋の側 木の簡素なベンチの上。 朝霧が消えると 姿を現した 野ぶどうの枯れた葉っぱ。 まるで 撮って欲しいとでも言うように 台の上に 美しい姿で。 野ぶどうの青い実さえも まだ実っていないのに 群れた葉っぱが まだ青いままなのに。 一枚の小さな葉っぱ…

もう一つの世界

ザーザーと 怖い様な音を立てて 通り過ぎた夜の雨。 そして 灰色の空に 少しの青空が見える今朝。 小屋の側の白い鉢に たっぷり溜まった雨水は 数枚の枯葉を沈めて 波立つ事もせずに静かなもの。 溜まった雨水に映るのは 灰色の空でも 緑の葉っぱでもない 色…

経年劣化の働き者の鍋

今日 ついに鍋の蓋の「つまみ」が取れた。 母が使っていたのを 私が使い続けている 50年の友 ステンレスの厚みのある鍋。 夫が 固い木の枝を切り それをネジ釘でしっかりと蓋に留めた。 新しい「つまみ」はとても感じがいい。 北欧の雰囲気があるとは言い…

眩い夏の終わり

朝 小屋の扉を開ける。 眩い夏の終わりの 緑と光が目に飛び込む。 乾いた空気と冷気が心地よい。 夜露に濡れた 草は生き生きと。 咲き始めた ゲンノショウコの ピンクと白の花は いつも通りのかわいさだ。 小屋の前を走り去る 数台の車は 毎日 決まった時間…