2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

うとうとと居眠り

午後5時20分 丁度半分の白い月が 南の空に浮かぶとき。 ほっとさせる ドアの上の外灯の黄色い光。 夜に 何ヶ月ぶりかで ストーブに薪をくべた。 暖かくなった小屋の中。 テーブルに頬杖をついたまま うとうとと居眠り。 熱かったお茶が冷たくなり 見てい…

「元気でね」

秋明菊 小雨の降る 朝の9時に家を出て 午後の 空も雲も美しい琵琶湖岸を車を走らせ 帰って来たのが夕方の5時半。 夜 チャックの小屋に泊まっている スイス人のカミルが メキシコ人のアルトゥーロとやって来た。 アルトゥーロが帰国する。 日本に来る前に …

もうすぐ10月なのだ

午前7時 山の峰の向こうから顔を出す太陽。 八月の頃より 随分と南からのお出ましだ。 木の葉っぱや草の先の朝露の輝き。 もうすぐ10月なのだな。 日の出がもっと南に移ると冬が来る。 朝 窓のカーテンを開けると 夜の間に降った雪で一面の白い世界。 嬉…

トマトの茎を抜く

午後5時10分 薄暗くなりかけた頃。 トマトの茎を抜く。 21本植えた内の10本。 よく肥えた土に植えた残りの11本は まるまるとした赤い実が まだまだ採れる。 コスモスはひょろひょろ伸びて 私の背より高くなり 濃いのやら薄いのやらの ピンクの花を …

その名はキツツキ

コンコンコンコンコンコン と、力強く軽快に木の幹を叩く。 その名はキツツキ。 朝から夕暮れまで。 よく脳しんとうにならないものだ。 神経質なシジュウカラが 何羽かやって来て 黄色い毛虫を食べては 枝から枝へと飛び渡る。 深夜 ラジオから流れて来る ビ…

空気が気持ちいい午後

「ピーピー」と鳴くと 少し離れた所から 「ジージー」と応える。 「ピーピーピー」と鳴くと 「ジージージー」と応える。 空気が気持ちいい午後。 作業の手を止め 一点を見つめ 鳥の声を聴く。 ジージーなんて変な声。 シジュウカラ? 何を応えてるの? 窓の…

本の中の「食」

ソローの「メインの森」 4フィートの長さの木が何本も焚かれている 牛を一頭丸ごと丸焼きに出来る程の大きな暖炉。 カバ ブナ カエデの薪。 19世紀 アメリカ メイン州奥の 森の中の農場で出された豊かな食事に 私は舌なめずりをした。 まずはホヤホヤの熱…

「ホトトギスよ」

ホトトギス ガマズミの話をしたら 「私も!」とホトトギスが言う。 ひっそりと清楚な風貌のわりには 積極的な娘だ。 日当りのいい山の崖 あちらこちらで咲いている。 車やバスの窓からは 気がつかない。 ゆっくりと道を歩き 「どうかな?」と覗き込まないと…

ガマズミの赤い実

ガマズミ 淡い色のホトトギス 赤い粒の様な花の水引草が あちらこちら 道の脇に咲いている。 夜になると鳴くコオロギや 名前の知らない虫の声。 リリリリリと鳴いたり リンリンリンと鳴いたり。 高くて青い空に 薄く綿を伸ばした様な雲。 夏が後戻りするかと…

香り高い蕎麦

京都出町柳にある蕎麦屋さんの 手打ち蕎麦を貰った。 チャックの畑のボランティアをしている バンクーバー出身のカミちゃん。 数日前 「ざるそば 好きですか?」と聞く。 「好きよ、なんで?」 「別に、なんとなく」 そして今日 手打ち蕎麦を持って来た。 ス…

加賀乃薊(カガノアザミ)

カガノアザミ さてさて 朝一番に「いが栗の様子を見に行かなくては」 と扉を開ける。 台風の強い風で 花達の茎も倒れてしまった。 土色をした濁流が 踊る様にして走り去る川。 おや・・・ その川の側に薊の花。 淡いピンクの 首を傾げた儚い姿は まだ 青空を…

緑のいが栗

自分の可愛さに気づいていない。 ぴんぴんのいがぐり頭 少年の眼差しを感じる。 強い風と雨の台風が 北を目指して走り去った 深夜の今。 朝目覚めれば まずは扉を開けて 道にばらまかれた様に散らばるいがぐり頭に 会いに行こうではないか。

冷凍赤唐辛子

道の駅で買った新鮮な赤唐辛子。 それは 私の好きな赤い色だ。 形も色も艶もよく これを干してしまうのは 誠に勿体ないとは思わないか? ジップロックの袋に入れ 冷凍庫のドア部分に居場所を見つけた。 煮物に 麺に 肉に 魚にも 使いたい。 二つに折った唐辛…

可愛い人参達

指の長さ程の人参。 15本程袋に入って80円。 余りの可愛さに買った。 生のフレッシュな鷹の爪も。 ピカピカ輝いている唐辛子も。 大きなサツマイモも。 図書館で本を受け取り ぶらりと入った道の駅で。 固い目に茹でた可愛い人参。 砂漠の砂みたいな色の…

原っぱにススキの穂がそよぐ

御年80才のタイチさんは それはそれは綺麗好きだ。 家の前の広い野原。 ススキの葉の背が高くなると それが気になって仕方がないようだ。 毎年の夏 かんかん照りの下 草刈り機でススキの葉を刈り始める。 キーンキーンと刃が石に当たる音。 熱中症で倒れる…

曙草(アケボノソウ)

蕾がいっぱい。 開いた花の花びらの点々が だんだん白んで行く 夜明けの空に見立てて 名前は曙草。 車の通る山の中の一本道。 その道のそばに咲いている。 夕方 車で走っている時 窓から見つけた花。 茜色に空が染まる少し前だ。

ショータさんのチェーンソー

親方と弟子 ショータさんは90才。 10年程前まで 山仕事を生業としていた。 木を切ったり植えたり 楢の木で炭焼をしたり 栗の木で鉄道の枕木を作ったり。 夏に切った杉や檜を 雪の上を滑らして運んだり 木馬道(きんまみち)を まるでジェットコースター…

二番目に好きなパン コルネ

京都で 友達と会って ご飯を食べて 大いに喋り そして 帰りに買い物。 JRの最寄りの駅前スーパー。 ここのパン屋ではめったに買わない。 だって 私の一番好きな シナモンロールを売っていないから。 コルネ。 2番目に好きなパン。 あんドーナツも買おう。 …

菊芋の黄色い花

菊芋の花 ヒマワリみたいな葉っぱが出て来て 日に日に茎が伸びて。 なんの植物だろう? 2メートル近くになった頃 台風の強い風に倒れてしまった。 それでも伸び続ける強い植物。 黄色い花のこの植物は 菊芋だって。 花が枯れる頃 土を掘ってみよう。 さくさ…

百合 ハルジオン

ケンジさんの野菜を作っていない畑には 百合の花がバランスのよい間隔で 咲いている。 夏の始まりの頃 ここには ハルジオンが一面に 群れて咲いていた。 「ケンジさんには似あわない花だよねぇ」 百合 ハルジオン 勝手に生えて花を咲かすのだ。 うちにこんな…

ジョン モンタギューの詩集

随分前だ。 アイルランドの詩人 ジョン モンタギューの事を知った。 朝日新聞の記事だった。 興味がわき調べてみたが 日本ではまだ翻訳されていない。 ニューヨークに行った時 街の小さな本屋に入った。 そこはまるで 映画「ユー ゴット メール」で メグ ラ…

ドアを開けて表に出て

合歓の木 曇った空の下を歩く。 窓から光は入って来ても 家の中 仕事場の中 椅子に座って 背中を曲げて 仕事をしたり 何かを読んだり。 ドアを開けて表に出て 冷たい空気を感じて 「ふぅー」と一息。 歩き始める。 見慣れた山や川。 時には 靄が山に沿って登…

名前は?

道ばたに ごく普通にある木の様な草。 名前は? 分からなければ調べたくなる。 アカショウマはユキノシタ科。 ヤマブキショウマはバラ科。 花の咲く季節から考えると これは ヤマブキショウマかも知れない。 まあ どちらでもいい。 風に吹かれて 気持ち良さ…

上を向いて蔓穂は

蔓穂(ツルボ) こんなかわいい花を見過ごすわけがない。 淡いピンクが風に揺れて。 すくっと背を伸ばし 上を向いて 少し頭を傾けて。 夕方 私の頭上の空を 羊雲が覆った。 夜には 満月前の輝く白い月が 東から西に動いて行く。 羊雲も 白く輝く月も ツルボ…

コオロギが歌う

午後5時25分 夜 11時になると いつもNHKFMを聴き始める。 ミスチルが歌う。 アキ カウリスマキの 「過去のない男」で初めて知った クレイジーケンバンドが歌う。 いつの間にこんなにビッグになってしまったのか? 「道標」を福山雅治が歌う。 そして 小…

たかが本ではないか

スーパーの駐車場 午後3時に家を出て 湖西のスーパーにやって来た。 1週間分の食材を購入。 塩豆大福も買う。 もやしが18円。 生産者の苦労を思う。 帰り道 図書館に寄り雑誌を受け取る。 「天然生活」 特に気に入っている本ではないが 食器を見る為予約…

5メートルの範囲で

フウロ(ゲンノショウコ) 9月の始まりの1日。 私は家(小屋と呼ぶのがふさわしい)と 仕事場とその周りの5メートルの範囲を ウロウロしただけで 朝夕のウォーキングにも出ず 気ぜわしく過ごした。 貰い物の野菜は沢山あるが 動物蛋白を買いに行く予定が …

突然の秋の到来に

午後5時35分 やる事が沢山ありすぎる。 寝る前にメモする。 一日の終わりにそれを見る。 全部終えている事はまれだ。 さて今日は 朝から強い北風。 すらりとしたコスモスやダリア センニチコウの茎が倒れた。 窓の白い木綿のカーテンが 旗の様に吹かれて…