人間と距離を保つ動物達

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深夜

谷に掛かる橋の上。

LEDの街灯に明るく照らされて

キツネがちょこんと座り

北の方向を見つめ 何かを考え中。

 

こんな姿を

いつも見せてくれるわけではない。

月に何回かだ。

 

昼間に山から出て来て

私の姿に気づくや

又 山に引っ込んだりもする。

 

生ゴミを埋めた所の土を

毎晩掘り返しているのは

橋の上で「思索する」キツネだね。

野菜が多くてゴメン。

 

10年ほど前の昼間

やっと芽が出たラディッシュの葉を

すっかり食べてしまったのは誰?

ラディッシュの近く

耳をピンと立てていた ベージュ色のウサギ。

あまりの可愛さに 怒る気も起こらない。

たった一回の出会いだ。

 

時は余りにも早く過ぎ去るので

1ヶ月前か 2ヶ月前か確かではない。

50メートルほど先に

猪がこちらを向いて立っていた。

私に気がついたのか ゆっくりと

山に入って行った。

骨が分かるほどに痩せていた。

 

いつも人間と距離を保ち

なかなか姿を見せない動物達。

 

私の動向を

山の中のどこかで

じっと見ている気配は確かに感じる。