霧の朝 深夜の狐

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朝 8時過ぎ

 

真っ白な霧の朝。

山陰から 太陽が顔を出せば

消えてしまう。

 

霧の中から

ヘッドライトが現れ

テールランプの赤が消えて行く。

 

今の季節によくある 霧の朝だ。

 

昨日の深夜

狐が谷に掛かる短い橋の上を

ヒョン ヒョンという足取りで

渡っていた。

そして すっと

小屋の前の山に入って消えた

と 夫が話した。

 

久しぶりに姿を見せた狐。

元気でいたんだな。

 

山の中で

今頃 どうやっているのやら。

どうぞ無事に 生き延びておくれ。

 

人間もしんどい人生を渡っているが

狐達も さぞや厳しい現実を生きているのだろう

と 妙に親近感を覚えた夜だ。