
夕焼けの前
図書館のカウンター横に 今月の新刊コーナーがある。
今月から出来たのだろうか?
それとも 今まで気がつかなかったのか?
さっと流して見る。
暖かい感じのイラストの表紙に目が行き手にとった。
「工房の季節」ヨン・ソンミ著。
韓国の20代の小説家の本で 世界29ヵ国に
版権が売れたとか。
ストーリーを一言で言えば(あくまで私の感想だが)
舞台になる陶芸工房ソヨに集う人たちの群像劇だ。
それぞれが 悩みを持ちながら
土を捏ね 形を作り 焼く作業で
この教室は 彼らにとってはオアシスになっていく。
表紙のイラストを見ながら
「こんな綺麗な陶芸の工房はないよなあ」と思った。
舞台になる町は韓国のイルサン。
あとがきで知ったが 半分がフィクション
半分がノンフィクション。
どうだろう 面白いだろうか?
映画評論家 淀川長治氏が言っていた。
「どんな映画にも必ずひとついいところがある」
本もそうだろう。
そう思って 私は「工房の季節」を借りた。
朝 「小屋」のドアを開ける。
木々や草に瑞々しく雨滴が光る。
太陽が山陰がから出てくるまでの
冷たい空気が嬉しい。