京都寺町二条を
少し上がった所にある骨董屋で
アフガニスタンの鉢を買った。
もう 10数年前の事だ。
ざっくりとした赤土に
明るい黄色の釉が掛かっている。
毎年 今の季節になると
小さなミカンを入れて
この鉢はテーブルの上にある。
長期間の戦争で 疲弊した国土。
農作物が豊かに実っていた
かつてのアフガニスタンは
もう戻らないのか。
明るく 大らかな陶器は
今でも作られているのか。
子供達の眼は曇っていないか。
黄色の鉢に私は問いかけるが
答えは何も返って来ない。