雪が降ると 必ず思い出す本

雪が降ると 必ず思い出す本 数冊。 「大草原の小さな家」の続編「長い冬」に描かれる アメリカの歴史に残るー40度の大雪の冬を インガルス一家は力強く乗り切る。 「イングランド田園讃歌」 イギリス オックスフォード郊外の 美しい田園の広がる小さな村に暮…

オチヨさんの家

オチヨさんの家 午後4時前 夕方 オチヨさんの家に用事があって行った。 95歳か96歳か 家事をこなし 朝食の用意をし 冬以外は自分用の畑で野菜を作り 春には山で蕨を山ほど採り 人生で8回 新鮮なマムシの心臓を食べ それで元気なのだという あの オチヨ…

今冬初めの雪

18日 朝 夜から降り始めた雪。 目覚めて 窓から見えたのは 思ったよりも ずっと深い雪景色だった。 ドアを開けて表に出ると 除雪された道に 又 雪が積もり始め 車のタイヤの美しい跡が残る。 昼を過ぎても まだ降り続き 屋根から重い音を立てて 雪が落ちて…

霙降る琵琶湖と噂の唐揚げ弁当

琵琶湖 マキノ 霙の降っている北の琵琶湖。 その灰色の世界の静けさ。 鴨の群れが 水面に浮かび 飛び立つ。 余りの寒さに 車に逃げ込み 昨日の暖かさはどこへ行ったのかと 窓から空を見る。 湖沿いの 鄙びた町。 ゆっくりと車を走らせ 友達から聞いた弁当屋…

レース編み模様の枝の雪

見た事もない物に出会った時 人はどうするだろう? 私はゆっくりと近づき あちらこちらを眺めたりする。 雪が 40センチ程積もった日の昼間。 細い枝に 砂糖のような白い雪が 絡まっていた。 上から眺めた 繊細な細いツツジの枝。 そこに絡まった白い雪の …

うちのそばの山の中

うちのそばの谷を20メートルも入ると もうそこは 深い山の風情だ。 普段は暗い杉の人工林が続き 暗くて 面白みのない山だが 雪が降ると 暗い景色は 白い明るい山に姿を変える。 谷の水は豊かに流れ落ち ここを カワガラスが縄張りにしている。 鹿の通る獣道…

数日降り続いた雪

まだ2月の半ば そりゃあ 雪も降るだろう。 数日降り続いた 重たい雪は40センチ程。 赤いトタン屋根から 大きな音を立てて落ちる。 錆色の花が咲いた人工林の杉は 雪をたっぷりとまとい 花粉を飛ばす術が分からない。 百合の枯れて開いた莢に 気持ちよさそう…

走る 白い雲達

おい おい 何をそんなに慌てて 青い空を 流れて行くの? まるで子犬が戯れ合うように 形を変えて走る 小さな雲達。 雪を被った林や山は そこからどんな風に見えるの。 小さな赤いトタン屋根の 私を雨や風 雪から守る小屋。 煙突から立ち昇る煙が見えるかな?…

立春を過ぎて降る雪

立春を過ぎて降る雪は 溶けるのが早い。 さあ もうすぐ春だぞ と 雪の下で 蠢く熱気。 そのエネルギーが 雪を溶かすのだ。 雪から伸びる 強くしなる濃い茶色の枝。 花も葉もない ベニウツギや ウノハナ そして 銀灰色の芽を出した 柔らかなネコヤナギ。 私も…

明るい雪の日

2月9日 深夜に 道路を走るタイヤの音。 その音で 雪が降っているのだなと分かる。 そして 夜が明けると 窓から見える景色は 厚い雪に覆われて 眩しく輝いていた。 粉砂糖を振りかけた様に 美しい 杉の林。 足跡のない 雪の上に 私の靴の跡がつく。 ゆるや…

一雨ごとに 雪の層が薄くなる

1月21日 16時半 「春のような日」だとニュースは言う。 でも 私は 毛糸のマフラーを 首に巻き カワガラスが鳴く 川のそばの道を歩く。 顔にあたる 冷たい空気の清々しさ。 青空に白い雲が浮かんで 今日は良い日だ。 一雨ごとに 雪の層が薄くなり 雪解け…

灰色の日

ウツギの枯れた実 雪と雨の灰色の日。 灰緑色の 毛糸の帽子を被り 外に出る。 コローの絵の灰緑。 アイルランドのアラン編み。 私が そんなふうに 思っているとは誰も知らないだろう。 どこにでもある 普通の毛糸の帽子。 ビービーと鳴きながら 川面すれすれ…

朝の光の中

カップから立ち昇る 熱いお茶の湯気が 強い朝の光の中で 柔らかく輝く。 小屋の中の 見慣れた朝のテーブルの上。 こぼれたパン屑を払い これから始まる今日を 後 一杯のお茶を飲みながら思う。 窓の外の 屋根から落ちる 雪の滴りを見ながら その透明な輝きを…

巣ごもりの一日

朝 カーテンを開けると 北風に吹かれて 雪が横流れに降っていた。 屋根に積もった軽い雪。 煙のように舞う。 小屋の前の道路は たまに走るバスのタイヤの跡が消えない。 軽い雪は 歩くたびに 靴の周りでふわりふわり。 車に積もった雪を落とすと それも ふわ…

松ぼっくりと私

「ん・・・?」と 私は立ち止まる。 枯れたシダに引っかかった 枝のついた松ぼっくり。 見上げた空に 松の木は見当たらず どこから やって来たのか。 そして いつから ここにいるの? 強い北風の吹いた日に 高い松の枝から離れ 空を舞いながらの 短い旅。 小…

一月半ばの今日

暖かくなると 天気予報で言っていたが 私はいつものように フード付きのコートを着て歩いた。 寒さ 冷たさはまだまだ続く。 一月の半ばの今日。 暮れにオチヨさんに貰った 栃餅 蓬餅 白餅を ついに食べ切った。 お手間入りの自家製餅。 大きくて 食べ応えが…

見事なツララ

氷柱(ツララ) ぽとり ぽとりと 清らかな伏流水のツララから 溶ける雫。 山の上から 地の中を流れた水が 辿り着いたところがここだ。 誰もが声を上げる。 「わあ これは見事だ」 透明なとは こんな事を言うのだ。 なんの混ざりけもない氷。 持ち帰り 夏にグ…

枯れた花のセピア色

ブルーミストフラワー 若い頃 それは もう随分前になるが 枯れた花 ドライフラワーを 好んで飾っていた。 スターチス バラ ストック どんな花も 最後には壁にぶら下げて よく乾けば 大きな広口のガラス瓶に入れた。 その嗜好は今も残り 道を歩いていても 枯…

灰色の空の下

まるで 考えて立っているかの様に 幹を 程よく曲げ 枝を捩っている柿の木達。 北から吹雪いた雪を受け止める。 灰色の空の下 何かを話しているように立っている。 それは 私の心に届くのだ。 立ち止まった私は 腕を組み 枝を抜ける風の声を聴く。 灰色の日は…

凍った一日

温泉に行く途中 九日。 仕事場の花瓶の水が カチンカチンに凍った。 花瓶の花は 氷に捕まり びくともしない。 表のバケツの水も凍った。 バスタブの蛇口から 湯が出ない。 シンクの蛇口からは 温かい湯が出るのに。 辺りは凍ってしまった。 「温泉に行こう」…

凍った雪に閉じ込められた杉の葉

昨日 雪の道を歩いた私の足跡が そのまま残っていた。 スノーシューズのソールの模様。 そして アスファルトの道は 凍ってツルツルと滑る。 夜の間に どっさりと雪が降るものだと思っていた。 朝 窓から見えた空は 青く輝き 表に出ると キーンとした鋭い空気…

静寂な風景

お正月に降って黒ずんだ雪が 夜に降った雪で 又 白く覆われた。 雪を踏むと バリバリという音。 谷にかかる橋の上は 凍ってツルツルと滑り 顔にあたる風は とても冷たい。 気温が下がって来ているのだ。 杉の枝に乗っかった軽い雪が 強い風で 白い靄のように…

雪の中から 枯れた花

雪の中から 顔を出す 細い茎と枯れた花。 白い紙に 焦茶色でさっさと描いた様だ。 首を傾げて じっと耳を澄ましている。 ざーざーと流れる川の音を 聴いてる様に見えないか? 空は暗い灰色 細かい 湿った雪が 風に吹かれて 私の顔にあたる。 そんな時に 道を…

元旦の朝

2021年1月1日 朝 大晦日から降り続いた雪。 やっと山の向こうから 顔を出した陽の光で輝き なんとも清々しい元旦の朝だ。 今年はどんな年になるのだろう。 今日は何にもしなかった・・・と 後悔するような日を作らないように。 それだけを心して 毎日を過ご…

藪柑子(ヤブコウジ)夢を見ながら春を待つ

ヤブコウジ(藪柑子) 雪の消えた崖のあちらこちら 小さな赤い実のヤブコウジが顔を出す。 「おや! まだいたんだね」 色のない世界で 小さな赤い実は 探さなくてもすぐ分かる。 山の中 崖の辺り 朽ちた葉や 茶色の杉の葉の間で ひっそりと生きている。 又 …

冬の明るい日の朝

朝の9時半ば。 太陽が山の上に顔を出す。 目を開けていられない程の輝きを 山や林や川 そして私に 惜しげもなく注ぐ。 身震いするような 冷たい空気の凛々しさが 「背筋を伸ばして歩こうよ」と私に言う。 一本道のアスファルトに撒かれた 砕けたガラスの様…

昼間に輝く白い半月

午後4時 雨や雪がずっと続く事はない。 2、3日降れば 青空が現れる。 今日がそんな日だ。 軽やかな雲が 淡い空色の空を 渡って行く。 昼間に輝く白い半月。 黙して 優しく我々を見下ろす。 屋根から 大きな音で雪が落ちる。 そして 杉の枝からも。 猿の群…

静かな白い世界

20日 朝 太陽が昇る前に 雪が止んだ今のうちに 深とした雪景色の写真を撮りたい。 ズボンのポケットにスマホを入れ 「滑らないように」と 雪に覆われた 低くて 短い階段を ゆっくり降りた。 雪を踏みしめる靴の音が響く。 私を取り囲む山も 道も 原っぱも …

霙のような雪の日

毎日雪が降っている。 一日目はサラサラとした雪で 30センチほど積もった。 今日は霙のような雪だ。 滋賀の南 大津や草津の友達からのメール。 「曇ったり晴れたり。今は青空です」 屋根から 冷たい雪解けの雫が ポツリ ポツリと落ちる。 陽があたると キラ…

小さな鳥がくれる 大きな安らぎ

ウグイスが 薪の棚の辺りを 止まっては飛び 飛んでは止まり。 そこに シジュウカラがやって来る。 野鳥達は 小屋の周りの あちこちに潜んでいる カメムシが大好きだ。 薪の間に 気持ちよく寝ているカメムシを 上手に見つけては咥え 喜んで飛び立つ。 一面の…