霙降る琵琶湖と噂の唐揚げ弁当

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琵琶湖 マキノ

 

霙の降っている北の琵琶湖。

その灰色の世界の静けさ。

鴨の群れが 水面に浮かび 飛び立つ。

 

余りの寒さに 車に逃げ込み

昨日の暖かさはどこへ行ったのかと

窓から空を見る。

 

湖沿いの 鄙びた町。

ゆっくりと車を走らせ

友達から聞いた弁当屋へ着いた。

 

「唐揚げが美味い

 昼にはお客が並んでいる」のは

全国チェーンの持ち帰りの店だった。

 

車も滅多に通らない 周りに店もない所。

そりゃあ 昼にはお客が並ぶだろう。

唐揚げ弁当を二つ買う。

 

家に着いて 具沢山の豚汁を作り

まだ温かい唐揚げ弁当を食べた。

なんて事はない ただの唐揚げ弁当だ。

 

用事で出かけたマキノで

ずっと心にあった唐揚げ弁当を買った。

長い間 心に留めるほどのものではなかったが

不味くもなかった。

 

寒い寒い琵琶湖とともに心に残る

「昼にはお客が並んでいる」

唐揚げ弁当だった。