フランス娘 アシュレッド

午後4時40分 台風21号の三日程前に チャックの畑のボランティアで フランスのリールという ベルギーとの国境沿いの街からやって来た 21才のフランス娘、アシュレッド。 大人も震え上がった21号台風にも 怖くなかったと強がった。 そのフランス娘が …

人口2500人の村

人口5万に満たない 小さな市に住んでいる。 毎年 市民検診のお知らせが封筒で来る。 ピンクの封筒だ。 「秋か冬に行こう」 すると又届く。 電話で市民病院に予約する。 胸のレントゲンも同じ。 撮影車がすぐ近くの集会所に来る。 前もって市民全部に予約票…

紅葉の山を下り京都へ

京都 高野 カナートから 濃い朝霧の中をウォーキング。 奥からライトを点けた車が 次々と帰って来る。 今日も峠の雲海撮影の帰りか? 車を止めて 霧の中にぼんやりと浮かぶ 紅葉を撮る人も。 そして夫と私は 今がピークの紅葉の山を下り 京都へ出かけた。 久…

本を返しに図書館へ

夕方4時 紅葉の季節の山の中の日曜日。 沢山の車や観光バスが 離合困難な山道を行き交う。 こんな日に出かけるのは避けたいが 夕方4時 図書館へと 紅葉が始まった山道を下った。 人口2500人の村に 似つかわしくない程の綺麗な図書館だ。 本を返し 受け…

白い霧

朝 ドアを開けて外に出ると 白い霧が周りの景色を包んでいる。 昨日の夕方から夜 何台もの車が うちの前を通り過ぎたのは この霧のせいだったのか? 車で30分程の峠。 その峠の下に広がる雲海。 プロ アマに関わらず 写真を撮る人に人気のスポットだ。 私…

家の風格

タイチさんの家 私の住んでいる集落には 400年経った家がある。 くず屋葺きの屋根を トタンで覆ったトミコさんの家だ。 太い柱や梁もその当時のまま。 襖が開けにくい等の狂いもなく どっかりと建っている。 そんな家々の中で ひと際目を引くのが タイチ…

倒れたあすなろ(翌桧)の木

翌桧(あすなろ/村の人はヒバと呼ぶ) 台風21号で神社の木が倒れた。 「取りに来てくれる?」 集落の人は 杉であれ雑木であれ廃材であれ うちが何でも喜ぶのを知っている。 車で数分の神社で見た ヒバ(アスナロ)の年輪を数える。 細かい年輪はゆうに8…

夕焼け空にシャワーの様な雨

「あげると言うものを断ってはいけないよ。 次にくれなくなる」 と、20代の時にしっかり者の友達が私に言った。 ぼんやりの私は 友達のこの言葉に甚く感心した。 「なるほど」と。 あの日から幾星霜 友達はずっとしっかりしたまま年をとった。 先日、ケン…

今日の一日(午前6時半から午後6時まで)

図書館のパーキングにて 夏から秋にかけて バタバタ ジタバタの日が続き 気がつけば10月も半ばが過ぎた。 夜明けが遅くなり 窓の外の白い朝もやを見ながら バターと紅色のすももジャムを塗った パンをかじる。 10時頃 郵便配達の車が止まり ポストに友達…

山の中の小さな動物達

どんなに細い木でも 伐って倒れる時の地響きの音で 山の仕事がどんなに危険かが分かる。 楽しみの山登りと 仕事の山登りは全くの別物だが いい空気を吸い 鳥達が林の中を飛び交ったり 小さな動物達と出会ったりする そんな幸せな瞬間は同じだ。 琵琶湖を見下…

80年の栗の木

うちの小屋の前の県道を ずっと奥に。 そこに「玉子屋のケンジさん」の家がある。 そのケンジさんの土地の 栗の木を貰い行った。 ストーブの薪用だ。 クネクネと曲がる山道を 車で15分か20分程。 道の両側に杉の人工林が連なる。 21号台風で倒れた大量…

茗荷ご飯

21号台風からまだ一ヶ月も経っていない。 なのに24号はこちらに向けて 真っすぐにやって来るではないか。 インターネットで 台風の進路を見すぎて目が疲れた。 カップ麺、缶詰を用意し バスタブ、バケツに水をはり ペットボトルに水を詰めた。 発動機は…

満身創痍の倉

400年前か 500年前か 私の住んでいる集落に 一番最初に住み着いた家族。 侍と言われるこの家の先祖は 山奥を拓き 家を建て 畑や 田を作り 炭を焼いた。 今は誰も住んでいないこの家。 台風で この家の窓と雨戸が飛び 小屋も崩壊し 倉の壁が以前にも増…

国際都市なのか?

ゲンノショウコ(白) 雷雨の中を 「キャッキャ」と笑いながら 自転車で走り去るフランス娘二人。 山村によく登場する外国人達 「一体そこはひょっとして国際都市なのか?」等々 想像を巡らしておられる方達の為に 少しの説明をしよう。 このブログに脇役と…

台湾朝顔の青い色

私の住んでいる地域には 小学校が一校ある。 街からやって来た家族の子供が4人 そして先生が6人程。 今年も花の苗とイラスト付きの 自己紹介を持っての訪問があった。 「インドに行きたい」 「画家になりたい」 「好きな音楽はオペラ」 「好きな動物はおお…

地味な花 百日草

百日草 集落の家の周りには いつも様々な花が咲き乱れている。 ターシャチューダーの庭の様な 住人の意思を感じさせる 花壇ではない。 離れたお隣同士でやり取りしたり 山から持ち帰った花の咲く木であったり 勝手に生えたりした物ばかりだ。 雑然としている…

山桑と猿

山桑の実がよく熟した。 それは小指の先くらいの大きさで 暗い紫色をしている。 摘んで食べると 果汁の色は濃厚だが 軽い甘さだ。 川向こうの山桑に毎年やって来る猿達。 桑の木の一番高い所に親分が陣取る。 むしゃむしゃと実を食べ 柔らかい葉っぱも食べ。…

6月でも寒い夜

ナガオさんの家の前は 良質の薪が壁の様に積まれている。 薪を集めるために 軽トラのダンプを持っている。 いつも綺麗に洗われた可愛い軽トラダンプ。 ナガオさんの薪ストーブは自作手作りだ。 「一度見に来てよ」と言われたが いつもその前を素通りしてしま…

小さな谷の小さなダム

うちの小屋の北側は かつての暴れ谷だ。 大雨で谷の形が変わり 田んぼは谷の水で溢れた。 50年程前に その谷に出来た治水ダム。 全く風情はないが 大雨でも谷の形が変わる事はない。 山の中の源流の水を集め 今日も透明で清らかな水が 小さなダムから落ち…

雨と風の冷たい日だった

私の住む市を 西から東に流れる川。 それは琵琶湖に注いでいる。 その川の堤の桜の並木は 最終地の琵琶湖まで 途切れる所はあるが続いている。 ついこの間 春が来たと喜んで歩いた ソメイヨシノの桜並木。 田植えの終わった今 田んぼの向こうの並木は葉桜だ…

幽渓生偉材

長い間廃校のままだった小学校。 去年 重機であっという間に 取り壊された。 広い更地に残された大きな石。 そこに彫られた 「幽渓生偉材」 この達筆は先代の「お殿様」の字だな 多分。 いかにも林業の村にふさわしい。 昭和63年 創立80周年の年に設置さ…

黄色の花 ウマノアシガタ

ウマノアシガタ 植物学者は この花をどう思って ウマノアシガタなんて名付けたの? うちの小屋の回りにも 道路脇にも 坂道にも 風に揺れて群れて咲いている。 明るい野原の中で ひときわ明るく輝いて 細い茎を右に左に。 何て楽しそうなんだ ウマノアシガタ。

姿を現した寺

山の中の 川に沿って出来上がった集落。 そのひとつひとつにお寺がある。 何百年もこの地に住み次いでいる人達は お寺をとても大事に思っている。 私の住んでいる集落の寺は曹洞宗永平寺の末寺だ。 廃校になった小学校が取り壊されると その寺は姿を現した。…

活字を見ると・・・

私の住む所はかつての村で 人口は約2500人。 限界集落のモデルの様な所だ。 そんな村の中心地 私が「ミッドタウン」と密かに言っている所に 立派な図書館がある。 私はここで映画雑誌や美術雑誌等と共に 活字本、つまり、小説やエッセイ、評論みたいなの…

人工の杉と天然の杉

かつて 林業を生業としていた 山の中の村に住んでしばらく経った。 田や畑にまで杉が植えられたのは60年程前。 今 その杉が大きくなり 道路に暗い影を作る。 「しゅっとした男前」さんは 自他ともに認める山や樹を愛する人。 「後10年は山と戯れたい」と…

裸馬に股がる「ウマコさん」

遠くに馬が2頭見えますか? 湖西畔まで山を下り 郵便局で荷物を出し ちょっとした買い物をすました。 今日は風もなく穏やかな日。 いつもとは違った道で帰ってみよう。 古代の継体天皇の皇后の御陵の前を通り ずっと山の中へと車で上がる。 平野の様な山の…

編み込みのセーターを着ている雀

私の住む所では雀を見かける事がない。 田んぼは沢山あるのに。 とんびは空高く円を描いて ピーヒョロと鳴き シジュウカラ、セキレイ、ヤマガラは 毎日うちの木蓮の枝にやって来る。 雁やオシドリも川に浮かび その川沿いの道を私が歩くと 驚いて飛び立つ。 …

納屋で凍った白菜

オチヨさんの家 オチヨさんを車で送って行くと 必ずお土産を貰らう。 「いいですよ そんなに遠くじゃないんだから」 と言ってもきいてくれない。 先日は 小豆と納屋でカチンカチンに 凍ってしまった白菜だった。 91才のオチヨさん。 現役の農婦。 艶々と光…

自慢げな氷柱(ツララ)

道の脇 伏流水が沁み出ている所。 冬に見事な氷柱が出来る。 所々に立っている デジタル温度計より正確に 気温を教えてくれる様な気がする。 さて 今日も側を通ると 自慢げにこちらを見てるではないか。 のこぎりでシャッシャッと切り 冷凍庫に入れておこう…

カミルからの荷物

チャックの畑のボランティアとして 夏から冬まで集落にステイしていた スイス人のカミル。 冬の日本から夏のニュージーランドを経由して スイスに帰ったのは12月の終わりらしい。 そのカミルから荷物が届いた。 お母さんが編んだマフラーと帽子。 私の住所…