幽渓生偉材

f:id:URURUNDO:20180515001006j:plain

 

長い間廃校のままだった小学校。

去年 重機であっという間に

取り壊された。

 

広い更地に残された大きな石。

そこに彫られた

「幽渓生偉材」

この達筆は先代の「お殿様」の字だな

多分。

いかにも林業の村にふさわしい。

 

昭和63年

創立80周年の年に設置された。

「深くて静かな谷に生まれる立派な材」

と読んでおこう。

「材」は木と人の二つの意味があるのだろう。

 

今や林業は廃れ人はいなくなった。

小学校が出来た時

こんな日が来るなんて

集落の人達は思いもしなかっただろう。

 

うちを訪ねて来る友達が言う。

「人がいなくなって寂しくないか?」

私は答える。

「私が引っ越してきた時は

 もうすでに限界集落だったよ」