2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

小雨の夕方

雨が小降りになった。 傘をさし 表に出ると 濃密な 緑の香りがする。 木々の葉が 塊になり 厚みを増した山の姿が迫ってくる。 一羽の白鷺が 小雨を受けて軽く軽く飛び 南に向かっている。 川は雨水を集め 滔滔と下る。 小屋のそばの紅の木蓮は 今が盛りだ。 …

クコの葉の胡麻和え

クコの実 それも乾燥した赤い実を知っている人でも 葉を知っている人は少ないだろう。 今日 齢95歳のオチヨさんから 新鮮なクコの葉をもらった。 オチヨさんから聞いた通り 葉の色が変わる程よく湯がき 水に晒して 細かく刻む。 私は「ああ メカブみたいに…

畑の溝を流れる清らかな水

畑の間の細い溝に サラサラと心地よい音をたてて 透明で清らかな水が流れている。 南北に位置する 山からの伏流水だ。 その溝の脇に 黄色のきんぽうげ うまのあしがたや 淡い紫色のタチツボスミレ 若いふきの葉などが咲いている。 暖かい日差しを浴びている …

時はもう春 しかし

花のない季節に 原っぱに立ち尽くしていた百合の花。 道路脇に転がっていた松ぼっくり。 林の中で見つけたどんぐりの実。 見上げれば 大きな櫟が枝を広げていた。 そして 何でこんな所に貝殻が? それぞれを カバンに入れたり ズボンのポケットに突っ込んだ…

私が見えるかい?

トンビの長閑な鳴き声が 頭上から聞こえる。 高音のよく通る声だ。 空を見上げると ゆっくりと 大きく旋回する姿が 小さく見える。 そして 山の上にふわりと浮かぶ半月に 私は気付くのだ。 トンビよ トンビ そんなに高い 青い空の中で 半月を背に 気流に乗り…

ウスギヨウラクツツジ(薄黄瓔珞つつじ)

ウスギヨウラク ツツジ(薄黄瓔珞ツツジ) いつも通っている道。 だけど 今まで気がつかなかった 釣鐘状の花。 淡い黄色とピンクの花房 それが 宝石みたいだから 薄黄瓔珞。 漢字四文字の名前の 東洋の花だ。 明るい陽の下で ゆらりゆらりと揺れ 前を通る私を…

みんなが好きな赤い苺

トミコさんの畑に植っている 20個ほどの苺の株。 固い土に張り付くように 毎年 蕾をつけ 白い花を咲かせている。 実が赤く色づく頃 何者かが食べに来る。 それは カラスかうさぎか トミコさんは不思議で仕方ない。 「星野道夫のアラスカの家の庭。 赤く色…

琵琶湖大橋の畔

琵琶湖大橋畔 琵琶湖の源流の川沿い 空の狭い山の村に住んでいる私は 琵琶湖の広さ 空の高さに いつも感動する。 今日 用事が終わった後 琵琶湖の南 琵琶湖大橋のほとりをぶらりとした。 雲一つない青い空が広がり 嘴の赤い 黒い羽のバンが 行儀の悪い声で鳴…

蕨と厚揚げのナムル風

蕨と厚揚げ 旬のものは一度は食べたい。 やっと出始めた蕨を 手のひらいっぱいに掴める程に持ち帰る。 小さじ一杯の重曹を 蕨に振りかけ 熱湯をたっぷりと。 そのまま冷めるまで放置する。 流水でよく洗うと シャキシャキと歯触りのいい 蕨の出来上がり。 厚…

雨と風の日 小屋の中で燻っていた

雨と強風で ずっと小屋の中で燻っていた。 午後3時ごろ。 「借りてた草刈り機を返しに行く」 と友達から電話があった。 冷凍庫から 凍った煮小豆を出し 電子レンジでチンをした。 やって来た友達に それをたっぷりと鉢によそい出した。 餅も 白玉粉もない。…

カブラの花のサラダ

去年の暮れ 雪の降る前に 赤かぶ 白いかぶのヘタを沢山埋めた。 やがて葉が出て それを摘み 味噌汁に入れたり おひたしにしたり。 雪が降り 春が来て そのカブラから 柔らかな緑の葉が出て そして 黄色の花が次々と咲いた。 高く伸びた 花の茎。 意地悪な春…

近江今津 佃煮を買う

4月14日 近江今津 風が強く 霧の様な雨が降る 冷たい日。 低く 灰色の雲が琵琶湖を覆う。 湖の広がりは どんな時でも魅力的だ。 用事を済ませて その足でもう一ヶ所。 料理旅館と言うには 余りにも素朴過ぎる丁子屋。 その向かいにある 琵琶湖の魚を 佃煮…

「少年の港」 藤原新也著

若き藤原新也が 好奇心と感動で 書き綴った 「印度放浪」「西藏放浪」「全東洋街道」 インド チベット ユーラシアを たった一つのカメラで 大きな空や岩山 その地に暮らす人達 喧騒を撮った。 放浪三部作(私が勝手にそうよぶ)の後 アメリカ アイルランド …

「ひね」小豆で作るぜんざい

齢95歳のオチヨさんが作った 「ひね」の小豆を貰った。 私がひねと思ったのではない。 オチヨさんがそう言ったのだ。 去年の豆 「ひね」の小豆の中 変色したり 縮んだりしたものを 一粒づつ拾い出すのは面倒な作業。 ひねだから 全部炊いてしまおう。 そし…

アメリカ映画「スモーク (SMOKE)」

アメリカ映画 「スモーク」 1995年公開 原作 脚本は、作家のポール・オースター だ。 1990年 ニューヨークのブルックリンの街角の小さな煙草屋 そこに集う常連客の それぞれの人生を描く。 同じ時刻 同じ場所を Canonで撮る 煙草屋の主 オギー・レン…

おねだり上手のヤマガラ

朝の10時ごろ 胡桃が載ったココアクッキーを齧りながら 小屋のそばで 灰色の空を見上げていた。 冬より寒い春に 恨んだ目をしていたかも知れない。 カーキ色のくたびれたジャケットを着て 冷たい風が首から入り込まない様に ジッパーをしっかりと上げた。 …

花も蜂も

石楠花(シャクナゲ) 朝 目覚め ドアを開けて表に出る。 アスファルトの道が 黒く濡れて 夜の間に雨が降ったのを知る。 その雨の跡を ケンジさんの庭の あちらこちら 野生の様に 逞しく咲いている シャクナゲの花びらに見つける。 冬の雪に 押しつぶされて…

山菜の天ぷら(タラの芽 三つ葉 よもぎ ふき ミント)

タラの芽 三つ葉 よもぎ フキの若葉 ミント 「天ぷらにするといいよ」 と タラの芽を5個もらった。 山菜天ぷらの王者 タラの芽。 これだけで天ぷらは寂しい。 小屋の周りで 自生の三つ葉 よもぎの若葉 フキの若葉 そしてミントを摘んだ。 香り高い馴染みの…

まずは車から春仕様に

久し振りに 風の吹かない日だった。 午前中は 雲一つなく 明るい日差しが嬉しかった。 ドアを開け放し 網戸から見える 芽の出始めた木々 水仙の白 黄色の花達。 夕方には 空は灰色に変わったが 雨も降らず 風も吹かない。 気持ちがいい。 一冬でドロドロにな…

花が咲いたクロモジの木

黒文字(クロモジ) 小屋のそばで ぼんやりと 黄色の靄を纏ったように 立っているのはクロモジの木。 小さな花は蜜蝋のような渋い黄色。 しべがかわいい。 葉は柔らかい灰緑色。 夜から 柔らかい雨が降り続いた。 数日前までの 固い蕾が 眠りから覚めたよう…

しっかり者のクリスマスローズ

クリスマスローズ 鉢植えのクリスマスローズ 土に植え替えたのは2月の半ばだった。 土の中で手足を伸ばし どんどん大きくなり 今は 大きな花がいくつも咲いている。 春の嵐の強風に煽られ 見ている私が心配するほど。 厚い花びらはしっかりと しべはたっぷ…

図書館の裏から 比良山系

桜の木の下で ココアを啜り クッキーを齧る。 そして 川向こうに比良山系の姿がある。 琵琶湖側から見ても こちらから見ても どっしりとした山の姿。 その山腹に 満開のこぶしの 白い花の塊が 点々と見える。 キャンプ場の 淡い緑の柳 白い桜。 山の姿は 春…

図書館の裏の桜

「ミッドタウン」の図書館裏 学校 郵便局 図書館 公共の会館 道の駅 小さなスーパー ガソリンスタンド そして村でたった一つのコンビニ 等々 そこを うちでは「ミッドタウン」 と よんでいる。 その図書館の裏に咲く桜は 咲き誇るでもなく 川の堤に沿って ひ…

やっと花開いた桜

私の住んでいる集落では 今 梅の花が真っ盛りだ。 それは 梅の実を採るために 家のそばに植えられている。 梅の実で保存食を作る人は亡くなったが 大きく育った木には 溢れる様に咲いた 白の小さな花が あちらこちらの家の角で 霞のように咲いている。 そし…