湯がいただけのインゲン豆

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畑から もいで貰ってきた青い豆を

洗って 筋を取り 指でポキポキと折る。

 

塩を少しの湯で湯がき

深い緑に色が変わったら

ザルの上にそのままで。

 

土の色をした四角の鉢。

インゲン豆を載せ

胡麻を指で潰しながら振りかける。

 

出汁と醤油で煮る事も

オリーブオイルで炒める事も

何も しない。

 

ほんの少しの歯応えと柔らかさ

豆の青臭さと 微かな塩味。

胡麻はちょっとした飾りのつもりだ。

 

こんな原始的なおかずは 

心に効く様な気がする。

 

野ぶどうの黄色の葉っぱ

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小屋の側 木の簡素なベンチの上。

朝霧が消えると 姿を現した

野ぶどうの枯れた葉っぱ。

 

まるで 撮って欲しいとでも言うように

台の上に 美しい姿で。

 

野ぶどうの青い実さえも まだ実っていないのに

群れた葉っぱが まだ青いままなのに。

一枚の小さな葉っぱは 黄色と茶色の渋い姿。

 

風が吹けば どこかに飛び去る

小さな 黄色の葉っぱだ。

もう一つの世界

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ザーザーと 

怖い様な音を立てて

通り過ぎた夜の雨。

 

そして 灰色の空に 

少しの青空が見える今朝。

 

小屋の側の白い鉢に

たっぷり溜まった雨水は

数枚の枯葉を沈めて

波立つ事もせずに静かなもの。

 

溜まった雨水に映るのは

灰色の空でも 緑の葉っぱでもない

色のない もう一つの世界だ。

経年劣化の働き者の鍋

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今日 ついに鍋の蓋の「つまみ」が取れた。

母が使っていたのを 私が使い続けている

50年の友 ステンレスの厚みのある鍋。

 

夫が 固い木の枝を切り 

それをネジ釘でしっかりと蓋に留めた。

新しい「つまみ」はとても感じがいい。

北欧の雰囲気があるとは言い過ぎか?

 

2年ほど前

鍋の片方の取っ手のプラスチックが

劣化により取れた。

 

その時 遊びに来ていたスイス人の男の子が

うちの母なら捨てないと言った。

それ以来 鍋つかみを使い 不自由なく使い続けている。

 

最近気が付いたのだが 

私は分厚い鍋が好きみたいだ。

 

40年以上前 大阪道具街で買った

分厚いアルミの打ち出し鍋。

寸胴鍋の丈を ぐっと短くした感じ。

 

ル・クルーゼの重い鍋。

琺瑯の白い鍋も重い。

 

フライパンはロッジの重い鋳物

イノダコーヒーで買った。

映画「フライド・グリーン・トマト」では

これで 人を殺してたな。

どれもこれも 思い出と共に40年ものだ。

 

厚みのある重い鍋達は 存在感を示し

私のそばで 経年劣化するほど働いている。

眩い夏の終わり

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朝 小屋の扉を開ける。

 

眩い夏の終わりの 緑と光が目に飛び込む。

乾いた空気と冷気が心地よい。

 

夜露に濡れた 草は生き生きと。

咲き始めた ゲンノショウコ

ピンクと白の花は いつも通りのかわいさだ。

 

小屋の前を走り去る 数台の車は

毎日 決まった時間に

それぞれの音を立てて通る。

 

気持ちのいい空気を吸いに

私も ちょっとそこまでと

歩き始めるのもいつもの事だ。

モリアオガエル 爆睡中

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モリアオガエル

半眼で 胸をふーふー膨らましたり 引っ込めたり

そんなあんたは誰?

 

垂直の柱に落ちもせず 爆睡中。

私がそばを通っても 気にする風でもない。

 

アマガエルかと思ったが 大きすぎる。

ちょうど 手のひら半分ほど。

 

モリアオガエルという

木や葉っぱに 白い泡の塊の様な卵を産みつける

あの カエルだった!

 

こんな風貌だったのか。

泡みたいな卵を あんなに沢山産むエネルギーが

こんな 小さな体に秘めているなんて。

 

暗くなったら 目を覚まし 手足を思い切り伸ばした。

そして

「さ〜あ ご飯時間だ」と 私に言ったような・・・

メルカリで本を売る

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舊約聖書 1954年刊

本を処分する時に迷うのが

「愛着のある本をどの様にして処分しようか?」だ。

 

ブックオフに持って行っても

古い本や 焼けやシミのあるのは

まず相手にされない。

 

役所の支所のリサイクル場に運べば

シュレッダーにかけられてお終いだし・・・

そこでメルカリに出品する事にした。

 

例えば 「旧約聖書

キリスト教徒ではないが 

創世記と出エジプト記に興味が湧き

河原町三条のキリスト教関係のものを売っている本屋で買った。

 

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大きくはないが 5センチの厚みの本は

読みたい所を読んで そのまま本棚に置かれ数十年。

こんなのは まずブックオフではダメだ。

メルカリに出品した10数分後に

売れたという知らせが来て驚いた。

 

メルカリ出品は手が掛かる。

綺麗に拭いて 写真を何枚も撮り サイズを測り

発刊 発行 説明文 価格設定・・・

 

発送も手早く 袋が破れない様にし

QRコードスマホで読み込み シールを貼るなど。

 

こうやって 積んであった本が

少しずつ減っていくのを見るのは爽快だ。