白い百日紅の花

白い百日紅の花

小屋のそば

厚い杉板に足をつけただけの

ラフなベンチを置いてある。

 

雨晒しのそれは

雨は勿論 風や 太陽の強い光を受けて

苔や 土で汚れたままだ。

 

そのベンチに

盛りを過ぎた 白い百日紅の花びらが

風に吹かれて はらはらと舞い落ちる。

 

ヒョロリと高い 百日紅の木に咲く

小さな ふっくらとした真っ白な花。

こんな花なのか。

 

人差し指と親指で摘んで

くるくる回して 前から後ろから

そして 横からと眺める。

 

ベンチの周りの土の上も 白い花は落ちて 

踏まずに歩くのは大変だ。

 

最初に見た 上から落ちてきた白い花を

「えっ 雪?」と 一瞬勘違いした程

真冬に降るボタン雪に似ている。