白磁「家と木」
灰色の雲が南西から北西へと
まるで走るように流れて行く。
時折 雲が切れて 青い空が見える。
顔に吹きつける
冷たい風 細い雨の気持ち良さ。
雪はまだたっぷりと残り
原っぱに積もった雪は まだ50センチは残る。
道路脇 小屋の周りのあちらこちら
黒い雪が増えた。
雪の溶ける水で 道路にできる水溜り。
葉の落ちた冬の風情の木々に
顔を近づけると
固くしまった 春を待つ赤い芽だ。
今日も 冬から春への兆しを
一つ一つ数えたり 見つめたりしている。