季節を思う物

白い花達

バイカウツギ 道路側の山の崖に ひっそりと咲いている。 見落としてしまいそうな程 目立たない。 4枚の白い花びらは薄く しべも白い。 南東ヨーロッパや 小アジアが原産の花が なぜ こんな山の中に。 忍冬(スイカズラ) この優雅な花は一体何? と思って調…

紅葉苺(モミジイチゴ)

紅葉苺(モミジイチゴ) 山の向こうから 顔を出した太陽の 強い光を浴びる モミジイチゴ。 白い野茨のような花が 満開だったのはついこの間。 今は 緑の実が それは沢山付いている。 うちの小屋の周り 川沿いの岸 山の中 バス通りの道の側。 自生している 沢…

蕗の佃煮風

蕗の香りと歯触り。 それは この季節の食の楽しみだ。 今が盛りのその蕗の スタンダードなおかずを一品作った。 蕗を畑で栽培している人 私のように 自生したもので作る人。 色々だが 今回のおかずは トミコさんの畑の蕗を使った。 そして 今回 一つ手間が省…

今年も実をつけた 黒すぐり

ブラックカラント(黒すぐり) ドアを開けて表に出る。 気持ちのいい冷たい空気の朝だ。 緑は 盛りで 花の蕾 青い実 枯れた花から 今から咲こうとしている花。 物言わぬ 静かな 自然の移行。 今年も実をつけた黒すぐり。 モミジのような葉に 固い緑の実。 濃…

梅雨 花を摘む

梅雨の季節は 米作りの為にだけあるのではないか と 思ってしまうほど。 湿度の高さと 水を含んだ土から感じる冷気 そして 灰色の空。 表を歩けば ヒルが引っ付いてくる。 木のスプーンには すぐに黴が生える。 さて 見渡せば 野の花が真っ盛り。 儚い花びら…

空豆 年に一度の自然からのギフト

緑の皮の中は ふわふわの綿のようで それはしっかりと 形のいい 薄緑色の豆を包んでいる。 その皮から 豆を取り出すと 草と同じ 植物の匂いがする。 後に残った立派な豆殻をどうしよう。 私はそれを大事にカゴに入れ 土の上に撒くのだ。 一つの殻に二つ 三つ…

素朴な花 クローバー(シロツメ草)

私を立ち止まらせた 微かな青い香りは 足元の クローバーの花だ。 余りにも地味で 当たり前のように その上を踏んだり 自転車が走ったりと 誰も気にも留めていない。 花に近づき 香りを嗅ぐと おお あれだ クローバーの蜂蜜の香り。 まるで 蜜を集める蜜蜂の…

軽やかな1日の始まり

原っぱの草に 夜露のあと。 そこを歩くと 靴が露で濡れる。 山の後ろから姿を現す 太陽の強い光で 露はすぐに消えてしまう。 すると 静かな景色が活気付き 鳥も鳴き声をあげ 飛び交う。 降り注ぐ 光の下で 生物達の動きの なんと軽やかな事か。 小屋の前の道…

さくらんぼ(桜ん坊)(2)

さくらんぼを一粒 二粒と食べている時 ジャムにしなかった事に ほんの少しだが 後悔した。 売られているさくらんぼジャムは 小さな瓶に詰められ 高い値段がついている。 それを横目で見ながら いつも 買おうかどうかと迷う。 気の小さい ケチな話だ。 残りの…

さくらんぼ(桜ん坊)(1)

おこりん坊 くいしん坊 あばれん坊 あまえん坊 やんちゃな雰囲気を感じさせる言葉だ。 可愛いさくらん坊も「坊」の仲間入り。 さっと洗い 旅先で買った 好きな鉢に入れ 赤く熟れたのを 探しながら 食べる楽しみ。 艶々とした 赤い色を見るたびに この世界に…

時はもう春 しかし

花のない季節に 原っぱに立ち尽くしていた百合の花。 道路脇に転がっていた松ぼっくり。 林の中で見つけたどんぐりの実。 見上げれば 大きな櫟が枝を広げていた。 そして 何でこんな所に貝殻が? それぞれを カバンに入れたり ズボンのポケットに突っ込んだ…

蕨と厚揚げのナムル風

蕨と厚揚げ 旬のものは一度は食べたい。 やっと出始めた蕨を 手のひらいっぱいに掴める程に持ち帰る。 小さじ一杯の重曹を 蕨に振りかけ 熱湯をたっぷりと。 そのまま冷めるまで放置する。 流水でよく洗うと シャキシャキと歯触りのいい 蕨の出来上がり。 厚…

山菜の天ぷら(タラの芽 三つ葉 よもぎ ふき ミント)

タラの芽 三つ葉 よもぎ フキの若葉 ミント 「天ぷらにするといいよ」 と タラの芽を5個もらった。 山菜天ぷらの王者 タラの芽。 これだけで天ぷらは寂しい。 小屋の周りで 自生の三つ葉 よもぎの若葉 フキの若葉 そしてミントを摘んだ。 香り高い馴染みの…

まずは車から春仕様に

久し振りに 風の吹かない日だった。 午前中は 雲一つなく 明るい日差しが嬉しかった。 ドアを開け放し 網戸から見える 芽の出始めた木々 水仙の白 黄色の花達。 夕方には 空は灰色に変わったが 雨も降らず 風も吹かない。 気持ちがいい。 一冬でドロドロにな…

やっと花開いた桜

私の住んでいる集落では 今 梅の花が真っ盛りだ。 それは 梅の実を採るために 家のそばに植えられている。 梅の実で保存食を作る人は亡くなったが 大きく育った木には 溢れる様に咲いた 白の小さな花が あちらこちらの家の角で 霞のように咲いている。 そし…

慌て者のフキノトウ

春一番の花は オオイヌノフグリと決まっているのに 「どうしたの? こんなに早く顔を出すなんて。」 私が思わず声をかけたフキノトウ。 1メートル四方程の ごろごろとした石の間。 ぽこぽこ ぽこぽこと 可愛い姿で群れている。 日当たりがいいのかな? と 上…

春の味 菜の花を食べる

一日中 小雪が舞って 風の強い日だった。 首にマフラーを巻き ダウンのコートを着た。 暖かい。 これからも 冷たくて 寒い日が続こうと もう春はそこに。 立春なのだから。 陽の光を浴びた 菜の花の蕾。 しっかりとした茎に 大きな濃い緑の葉。 その菜の花を…

トミ子さんの手編み靴下

トミコさんの編み物 トミコさんの編み物が絶好調だ。 残りの毛糸で 靴下 手袋 マフラーが どんどん出来上がる。 色合いが何とも楽しく そして シルクロード辺りを彷彿とさせる野暮ったさ。 それがとても私好みだ。 ワークブーツにトミ子さんの毛糸の靴下。 …

久しぶりに見上げた夜空

京都から 友達夫婦がやって来た。 沢山の野菜を貰ったので 助けて欲しいとメールしたら 今日 来てくれた。 お昼ご飯を食べ 話し 野菜を車に積み 焚き火をし 暗くなれば星を見た。 Wのカシオペア座が 北にくっきりと見え 人工衛星が明るく飛び去った。 暗くな…

冬至を待つ

午後4時半 一日中 雨が降った。 雪が降るまでにやっておこう と 計画した外仕事が出来ない。 傘をさして 外に出ると 山を包む白い靄が ゆっくりと姿を変え 鳥の声も聞こえない。 美しく静かな 灰色の世界に包まれる。 まだ冬は始まったばかりなのに 私は 明…

青森のりんご

青森の友達からのりんご定期便。 40年余り欠かす事なく届く。 真っ赤に熟したりんご。 それを八つに切り分け 皮を少し残して剥く。 皮を剥く時に感じる 果汁の豊かさ。 指でつまんで食べる時の 軽やかな食感。 木の鉢に 何個も盛られたりんご。 岩木山の麓で…

山帰来の赤い実

山帰来の実 落ちた紅葉の葉っぱが しっとりと 雨に濡れて朽ち 見渡す景色は 白い靄の中で ぼんやりと浮かび上がる。 落ちてしまったのか 鳥に食べられてしまったのか ポツリ ポツリと蔓に残る 赤い実は山帰来。 茶色の風景の中 鮮やかな色で 鳥も私も惹きつ…

球形のシュトーレン

ikariスーパーのシュトーレン テニスボールより 少し小さい。 珍しい球形のシュトーレン。 ドイツのクリスマス伝統菓子シュトーレンは 地味な姿だが 味わいは深い。 焼き栗 ドライデーツ ドライクランベリー オレンジピール 等々。 丸いシュトーレンの中に …

紅い枯葉

白い花のサルスベリの葉 もうこれで 落葉拾いはやめよう。 最後に拾ったのは 枯葉になっても 紅色が褪せない サルスベリの葉。 からりと乾き 掌で握りつぶすと カシャカシャという音をたてて 砕けてしまう。 朝から 霧雨が降ったり止んだりした1日。 道路脇…

洋梨 ラ・フランス

洋梨と旅先で買った皿 洋梨とメロン アボカド。 どれも 食べ頃を見極めるのが難しい。 香りを嗅いだり 恐る恐る指先で押してみたりする。 そして 「今日だ」 と ラ・フランスにナイフを入れた。 皮に模様を入れたり 剥かなかったり 全部剥いたり。 倉敷で手…

小さな秋の風情

サルスベリの葉とココアクッキー 櫟(クヌギ) 楢 栃・・・ 茶や黄色の落葉が多い 小屋の周り。 その中で 一際目を引く 紅色。 白い花の咲くサルスベリの葉だ。 「おお 私を感動させるんだね」 たくさん拾い 箱にでも詰め 保存して 思いついた時に愛でたい。…

お火焚き饅頭

栗蒸し羊羹 豆大福 お火焚き饅頭 (仙太郎) 京都に40年ほど住んだ。 情操の欠如した大阪(と私は自虐気味に思っている)から 京都に住み始めると カルチャーショックの連続だった。 同じ世代の若者達が早熟で大人びている。 それが まず最初のカルチャー…

蕪への愛を話そう

トミコさんの畑 良く肥えた黒い土からのぞく 蕪の赤い姿が逞しい。 大きく 長い 葉っぱは 浅黄色から濃緑。 上にすくっと伸びる。 蕪は物語性のある姿をし それゆえに 見る者に何かを話しかける。 ストーブの上に置かれた青い鍋。 たっぷりのスープに浮かぶ …

小さな黄色いカボチャ

手のひらに載る 小さな黄色いカボチャ。 形も色も いかにも収穫の秋だ。 緑のカボチャも好きだが 黄色のカボチャの姿には 特別な愛着を感じる。 ハロウィンは 私には関係ないが 黄色のカボチャは「本家本元」の ハロウィンの意味を思い起こさせる。 秋の収穫…