愛らしい物

心に残る物 ホオズキ

心に残る物 それは 石であったり 道に落ちている葉っぱだったり 松ぼっくりであったりする。 それらを 器に入れ 私の目の届く所に置くのが好きだ。 時期外れに姿を現したホオズキ。 数日前に 茎を手折り持ち帰ったものから ポロッと落ちた赤い実を 小さな角…

陶の箱

枯れた木の実と松ぼっくり そして コアジサイの砂色の花。 それらを 陶の箱に入れ 蓋を閉めると 軽い音がした。 もう一つの箱には 白の貝殻。 強い雨の音を聞きながら 小さな小屋の中で ゴソゴソと用事を済ます。 こんな日の雨の夕方は ひぐらしの声も聞こえ…

花見だんご 春の形

スーパーのパックに入っているものから 和菓子屋のガラスケースに 並んでいるものまで 私の好きな花見だんご。 色は出来るだけ淡く はんなりとしているのが好みだ。 ソウルの陶器屋で見つけた 廉価な高麗青磁の皿。 深とした淡い青 花びらのような縁 シンプ…

トミ子さんの手編み靴下

トミコさんの編み物 トミコさんの編み物が絶好調だ。 残りの毛糸で 靴下 手袋 マフラーが どんどん出来上がる。 色合いが何とも楽しく そして シルクロード辺りを彷彿とさせる野暮ったさ。 それがとても私好みだ。 ワークブーツにトミ子さんの毛糸の靴下。 …

洋梨 ラ・フランス

洋梨と旅先で買った皿 洋梨とメロン アボカド。 どれも 食べ頃を見極めるのが難しい。 香りを嗅いだり 恐る恐る指先で押してみたりする。 そして 「今日だ」 と ラ・フランスにナイフを入れた。 皮に模様を入れたり 剥かなかったり 全部剥いたり。 倉敷で手…

昨日拾った松ぼっくり

箱の中には 道で拾った 私のコレクションが一杯。 ドングリ 栃の実 メタセコイアの実 松ぼっくり 杉の実。 そのどれもが 茶色で固い。 松ぼっくりは 雨が降ると 手を閉じる。 メタセコイアの実は 景気良くはぜる 線香花火の様だ。 幾つかを ベージュ色の鉢に…

ラクダの鈴

ラクダの鈴 窓から吹き込む強い風で カーテンが膨らんではためき 吊り戸棚に留めた 錆びた薄い鉄板の ラクダの鈴が 低い 優しい音色で カラン カランと鳴る。 シルクロードを行く隊商の 長い列を組んで 荷物を運ぶラクダに 付けられた鈴だ。 今はもう色褪せ…

馬の言葉

眠っているのか? 瞑想にふけっているのか? それとも 「ふん!」と怒っているのか? 掌に乗るほどの 小さな陶の鈴。 長い首を持って振ると カランコロンと軽い音。 「ああ この音色が この馬の言葉なのだ」 と 気づくのに時間はかからない。 ある時は 草原…

アラジンの靴みたいな灰皿

手のひらに載る程の 10センチにも満たない 小さな灰皿。 赤の顔料が埋め込まれた 刻まれた花と葉っぱ。 金色に光ってはいるが これは 銅かも知れない。 アラジンが履いていた様な エキゾチックな靴だ。 夫が物心ついた時から家にあり 今は 私が探し物をす…

成長した「アルプスの少女ハイジ」

新書版サイズ位の緑の本。 麻布の表紙だ。 水に濡れた跡がある。 本棚の隅に隠れた様に立っていた。 表紙を開ける。 「アルプスの少女 ハイジ」が成長し 娘になった頃の話だ。 額縁の様にページを囲む 植物の絵の なんと魅力的な事か。 長い序文の最後のペー…