山帰来の実
落ちた紅葉の葉っぱが
しっとりと 雨に濡れて朽ち
見渡す景色は 白い靄の中で
ぼんやりと浮かび上がる。
落ちてしまったのか
鳥に食べられてしまったのか
ポツリ ポツリと蔓に残る
赤い実は山帰来。
茶色の風景の中
鮮やかな色で 鳥も私も惹きつけられる。
季節は晩秋から 初冬へ。
その季節の移行を 日々見つめ
落ちた赤い葉っぱを拾い
雲の形や その行く末を思った。
赤い山帰来の実は
やがて 落ちるか 鳥に食べられるか。
どちらにしても 地に落ちる。
細い蔓も 小さな硬い葉の塊も
深い雪の季節を前に
今は安らかに 静かに過ごす時だ。