啓蟄

               啓蟄 3月6日

 

啓蟄

表に置いてある水の入ったバケツに

厚い氷が張っていた。

小屋の中では ストーブで

薪を勢いよく燃やした。

一月 二月と同じ枚数の服を着て

首には ネックウォーマー。

強い風が北から吹いてくる。

 

でも 日差しは明るく 空には雲一つ浮かばず

鳥達は繁殖の季節で 元気に二羽で飛び交う。

雪の溶けた辺り 冬を耐えた草達が

押さえつけられたままの姿で現れた。

花はまだ咲かないが 

ミントの葉は美しい緑で顔を出した。

 

明るい日差しが嬉しい。

私も 生物の片割れだと思うのがこんな時だ。

吉増剛造の三冊の詩集

図書館から借りてきた3冊の吉増剛造の本は

広辞苑のように分厚いの 1センチほどの

そして A4サイズより 少し小さいの。

 

A4サイズより少し小さい詩集が「オシリス、石の神」だ。

生成り色のざらりとした紙に 文字が凸版印刷されており

カットされたページの上部は不揃い。

最後のページには 和紙に朱印が押された

美しい蔵書票が貼ってある。

久しぶりに出会った 丁寧に作られた美しい本。

 

 

詩集の中の一つ (色物の)

 

20代から名前だけは知っていた。

ドキュメンタリー「眩暈 VERTIGO」を知り 読んでみたいと思った。

今更ながらではあるが 今がその時なのだろう。

楽しみに読んでみたい。

 

ururundo.hatenablog.com

川に映る影

午後3時過ぎ ウォーキングに出かけた。

毎日の事だ。

もうすぐ 太陽が山陰に入ってしまう。

少しでも ひなたのあるうちにと

急いで小屋を出て 南に歩き始めた。

 

山の中は まだ深い雪が残り 吹き降りる風は冷たい。

その山からタヌキが一匹 道を横切り 林に中に消えた。

キツネの軽快な走りと違う ヒョコヒョコと小走りで。

「おーい」と声をかけたが 知らん顔。

 

明るい陽の光の下を 澄んだ川が流れる。

魚でも群れていないかと眺めた川に

スマホを目の高さに持った私がいた。

それが面白く 何枚か写真を撮った。

 

毎日同じ道を歩く。

空の様子 風の強さ 陽の光 狭い谷の水音

鳥の鳴き声 すれ違う車の音

一日として 同じ日はない。

買物と甘い紅茶

樅の葉

昨日会った村の人が 淡い青空を見ながら

「曇りの日はやる気が起きない

 今日のように 

 いいお天気だと元気が出る」と言った。

私だけではないのだな

お天気で気持ちが変わるのは

私だけだと思っていた。

 

食材が底をついた。

午後 「下」へ夫と買い物に出かける。

霙の様な雪が降り 山は白い雪に覆われた。

途中から雨になり お日様が出て 虹を探した。

風が強く フード付きのコートで丁度いい。

 

新鮮な野菜 冷凍野菜 肉 魚 

オリーブオイル キャノーラオイル

牛乳 缶詰 ジャム 紅茶 胡桃 米 粒マスタード

豆腐 納豆 揚げ ちくわ パスタ

そして クッキーとポーランドのチョコレート 等々

一週間から十日分の食材を買った。

帰り道 途中から又雪が降った。

 

寝る前に聴いたラジオ。

エジプトでは 紅茶をよく飲み

夏でも熱い紅茶を好む。

それは 砂糖たっぷりで甘く ミントをたっぷりと入れる

と エジプト在住の人が言っていた。 

とても美味しそうだ。

美しい日

八朔

八朔を一日二個食べる。

皮を剥き 器に入れておく。

最近の八朔は甘くて 食べ過ぎてしまう事もある。

 

今日は完璧な晴天の日だった。

私を取り巻く空気は明るく

青空にトンビが帰って来た。

美しい声で鳴き 3羽、4羽と

高い空の上で円を描いている。

そして

山の上に 白い半月が在るのが

まるで 絵本の様だと感じる。

川の流れる音が軽やかで

道路には 雪解け水が流れている。

小屋の周りの雪の上を歩く時

気をつけないと。

 

読み始めた「羊飼いの暮らし」が面白く

いい本に出会うと その世界に旅するようだ。

厳しくも 生き生きとした羊飼いの暮らし。

しばらくは その世界を訪れようと思う。

 

ururundo.hatenablog.com

 

風もなく 気持ちのいい日

 

山の向こうから 太陽が顔を出す。

積もった雪がキラキラと輝く。

白い雪の上に 木々と柵の影が鮮やかだ。

触るのも 足跡をつけるのも勿体無いほどの

滑らかで 静かな雪景色。

 

見上げれば 雲ひとつない青空。

眩しい。

屋根から 流れる様に落ちる雪解け水。

バケツに落ちる その水音が聞こえる。

 

ズボンのポケットから

スマホを出し 写真を撮った。

逆光で撮った雪は 少し険しく写った。

 

暖かくなると 天気予報が言った通り

風もなく 気持ちのいい1日だった。

 

晩御飯に ハヤシライスを作った。

少し前まで ハインツの

デミグラスソース缶を使っていた。

最近は 固形のルーを使う。

これが 美味しいのだ。

凍てる日は 熱々コーンシチュー

 

表に出て 雪の上を歩くと バリバリと音を立てた。

屋根からは氷柱が下がり 北風が強い。

身体の芯から冷えるとはこんな日だ。

 

こんな日は トロリとした熱々のシチューを作ろう。

ジャガイモ 人参 玉ねぎをダイス状に切り 

オリーブオイルで炒め 少しの湯を加えて

グツグツグツグツと煮る。

その上に ミンチボールをいい加減に形作り載せる。

たっぷりの牛乳 クリームコーンの缶詰1缶を鍋に。

 

味付けは胡椒 コンソメ顆粒

寒い日は 生姜の千切りも。

冷凍インゲンを手で折って加えよう。

ダイス状の野菜はすぐに柔らかくなり

ミンチボールに火が通れば

木のスプーンでくるりと混ぜて出来上がり。

コーンの甘味が美味しいシチュウ

すぐに出来た。

 

湯がいたカリフラワーとブロッコリー

辛子と麺つゆと擦り胡麻で和えた温野菜。

スープ皿にたっぷりとシチューをよそい

それをフーフーしながら食べた。

身体の芯から暖かくなる。