2017-01-01から1年間の記事一覧

マフラー

マフラー 今日も雨の一日。 足元も首の周りも 何となくスースーするようになった。 引き出しを開けると 飛び出してくる様に 沢山のストールやマフラー。 それは 自分で買ったものや 母が編んでくれたもの そして プレゼントされたもの。 20代の時買ったタ…

「おやおや・・・邪魔をして失礼」

冷たい雨が 朝からずっと降り続いた。 山に靄がかかり それが 下から上へと這い上がって行く。 私は一日何をするでもなく そして 前の道路を走る車も少なく 喜んでいるのは 黄色く色づき始めた 木の葉っぱだけだ。 傘をさして表に出ると 足もとを 土色をした…

小浜(オバマ)行き

小浜港 うちから車で1時間かからない。 鯖街道をずんずんと北へ。 潮の香りがしてくると港が見える。 港を出て左に行けば朝鮮半島 真っすぐ行けばウラジオストック 右に行けば北海道。 雄大な日本海の海の道だ。 小浜に来る目的の一つは水産市場。 新鮮で安…

痩せた土に植えたトマト

痩せた土に植えた 21本のトマトの苗。 雨と時々の油かす。 そして 太陽の光だけで 沢山の実を付けた。 2、3日前まで 赤い実を付けていたのが 急に衰え始めた。 夕方 ネットを取払い 支柱とトマトの茎を抜いた。 思い残す事はない。 小さな青い実を採り …

正倉院からパンプキンまで

草津AEON "trick or treat"なんて言ってるんだろうか? 子供達。 すっかり日本に定着してしまった ハロウィン。 その内に 「Thanks Giving Dayだ」と スーパーやデパートで ターキーの丸焼きが売られたりするかも知れない。 この国は 外国の文化や文物を 抵…

ミゾソバ(溝蕎麦)

澄んだ水が流れる溝や 伏流水が沁み出ている道路脇。 淡いピンクの 少女の様な風情の花 ミゾソバが群れて咲いている。 摘んで器に投げ入れ 枯れてくると 膨らみを持った花弁が ぽとりぽとりと机に落ちる。 この花はやはり 野に咲く花なのだ。 家の中で生を終…

ヒメジョオンの退場

原っぱに 群れて咲いていた ヒメジョオン。 仲間達は皆 どこかに旅立って行った。 道の側に きまり悪そうに立っている。 盛りの時の太い茎じゃなく 細い体で風を受ける。 「そろそろ退場しましょうかね?」 と、私に尋ねる。 「お好きなように」 と、私は答…

菊芋(キクイモ)

菊芋。 北アメリカからやって来た外来種。 花は小さなヒマワリみたいで 葉っぱも小さなヒマワリみたい。 ざらざらとしている。 背が高くて かわいい黄色い花なんだけど 油断すると畑全部が乗っ取られると 村の奥さん達には評判が悪い。 花が終わると 太い茎…

図書館の裏

図書館裏の風景。 私が一番好きな所。 透明な川が音を立てて流れ ゆったりと寝転んでいる様な山がある。 そして今日は連休で キャンプ場が賑わっている。 木々の間に見え隠れする オレンジや黄色のテント。 乾いた空気と優しくなった日差し。 平和で穏やかな…

秋雨の日のミルクスープ

午後5時20分 黄色の花が 茶色の種になり 盛りを過ぎたピンクのコスモスが ひょろひょろと茎ばかり目立って 揺れている。 夏に置いてきぼりにされた花達。 あけぼの草や 薄紫の野菊、ミゾソバは今が盛りだ。 さて 雨で冷たい今日の夕方。 有り合わせで暖か…

「メインの森」

図書館で借りた「メインの森」 「森の生活」の ソローの旅行記だ。 19世紀 アメリカ メイン州。 まだまだ未開であった土地を奥へと旅したソロー。 図書館に返却後、「もう一度読んでみたい」 Amazonで調べたら中古本のみが売られている。 ポイントも利用し…

葉書の便り

知人から葉書が届いた。 「しみじみと のらりくらり」 「ベランダの大きな鉢に 猫じゃらし8本、げんのしょうこ7輪、赤紫蘇 秋を感じさせてくれます」だって。 京都のど真ん中。 マンションの8階から見える街には 緑がぽつりぽつり。 そんな殺風景な風景を…

輝く白い月

小さな青いみかんが届く。 段ボール箱にびっしりと三重から。 木のボウルに盛られたみかん。 カーテンを少したぐり寄せ 黒い夜空を見る。 視線の先に輝く白い月。 北風の強い日だった。 会う人は皆 「寒いねぇ」 壊したくない 穏やかで平和な日常。

さつま芋の蔓の佃煮

トミコさんのさつま芋の蔓。 雨の昨日。 夕方にひたすら皮を剥いだ。 皮の無くなった淡い緑の茎を ポキっと折っては 小さいブルーのプラスチックの洗濯桶に ポイッと放り込む。 大きめの鍋に溢れる程の 翡翠色の茎。 グラグラと炊いていると 湯が灰汁で黒く…

夏布団の洗濯

コンコンコンコンと 今日も一日キツツキは忙しそうだ。 私も忙しい。 夏に活躍した扇風機や 夏布団の洗濯。 早くやって来た秋。 小屋の中に居座っている 夏の名残。 何とも居心地が悪い。 頑張る洗濯機と私。 洗っては干す。 開け放した窓で 旗の様にたなび…

面倒な作業

トミコさんは 私の為に野菜を作ってるのでは? と、思う程。 朝早く 電話をもらった。 ピンクの蔓穂の花の群れ。 そこを下るとサツマイモの畑だ。 茎を辛抱強く切り取り そして いよいよサツマイモ。 紅の芋が黒い土を纏って ぼこぼこと出て来る。 濃い緑の…

うとうとと居眠り

午後5時20分 丁度半分の白い月が 南の空に浮かぶとき。 ほっとさせる ドアの上の外灯の黄色い光。 夜に 何ヶ月ぶりかで ストーブに薪をくべた。 暖かくなった小屋の中。 テーブルに頬杖をついたまま うとうとと居眠り。 熱かったお茶が冷たくなり 見てい…

「元気でね」

秋明菊 小雨の降る 朝の9時に家を出て 午後の 空も雲も美しい琵琶湖岸を車を走らせ 帰って来たのが夕方の5時半。 夜 チャックの小屋に泊まっている スイス人のカミルが メキシコ人のアルトゥーロとやって来た。 アルトゥーロが帰国する。 日本に来る前に …

もうすぐ10月なのだ

午前7時 山の峰の向こうから顔を出す太陽。 八月の頃より 随分と南からのお出ましだ。 木の葉っぱや草の先の朝露の輝き。 もうすぐ10月なのだな。 日の出がもっと南に移ると冬が来る。 朝 窓のカーテンを開けると 夜の間に降った雪で一面の白い世界。 嬉…

トマトの茎を抜く

午後5時10分 薄暗くなりかけた頃。 トマトの茎を抜く。 21本植えた内の10本。 よく肥えた土に植えた残りの11本は まるまるとした赤い実が まだまだ採れる。 コスモスはひょろひょろ伸びて 私の背より高くなり 濃いのやら薄いのやらの ピンクの花を …

その名はキツツキ

コンコンコンコンコンコン と、力強く軽快に木の幹を叩く。 その名はキツツキ。 朝から夕暮れまで。 よく脳しんとうにならないものだ。 神経質なシジュウカラが 何羽かやって来て 黄色い毛虫を食べては 枝から枝へと飛び渡る。 深夜 ラジオから流れて来る ビ…

空気が気持ちいい午後

「ピーピー」と鳴くと 少し離れた所から 「ジージー」と応える。 「ピーピーピー」と鳴くと 「ジージージー」と応える。 空気が気持ちいい午後。 作業の手を止め 一点を見つめ 鳥の声を聴く。 ジージーなんて変な声。 シジュウカラ? 何を応えてるの? 窓の…

本の中の「食」

ソローの「メインの森」 4フィートの長さの木が何本も焚かれている 牛を一頭丸ごと丸焼きに出来る程の大きな暖炉。 カバ ブナ カエデの薪。 19世紀 アメリカ メイン州奥の 森の中の農場で出された豊かな食事に 私は舌なめずりをした。 まずはホヤホヤの熱…

「ホトトギスよ」

ホトトギス ガマズミの話をしたら 「私も!」とホトトギスが言う。 ひっそりと清楚な風貌のわりには 積極的な娘だ。 日当りのいい山の崖 あちらこちらで咲いている。 車やバスの窓からは 気がつかない。 ゆっくりと道を歩き 「どうかな?」と覗き込まないと…

ガマズミの赤い実

ガマズミ 淡い色のホトトギス 赤い粒の様な花の水引草が あちらこちら 道の脇に咲いている。 夜になると鳴くコオロギや 名前の知らない虫の声。 リリリリリと鳴いたり リンリンリンと鳴いたり。 高くて青い空に 薄く綿を伸ばした様な雲。 夏が後戻りするかと…

香り高い蕎麦

京都出町柳にある蕎麦屋さんの 手打ち蕎麦を貰った。 チャックの畑のボランティアをしている バンクーバー出身のカミちゃん。 数日前 「ざるそば 好きですか?」と聞く。 「好きよ、なんで?」 「別に、なんとなく」 そして今日 手打ち蕎麦を持って来た。 ス…

加賀乃薊(カガノアザミ)

カガノアザミ さてさて 朝一番に「いが栗の様子を見に行かなくては」 と扉を開ける。 台風の強い風で 花達の茎も倒れてしまった。 土色をした濁流が 踊る様にして走り去る川。 おや・・・ その川の側に薊の花。 淡いピンクの 首を傾げた儚い姿は まだ 青空を…

緑のいが栗

自分の可愛さに気づいていない。 ぴんぴんのいがぐり頭 少年の眼差しを感じる。 強い風と雨の台風が 北を目指して走り去った 深夜の今。 朝目覚めれば まずは扉を開けて 道にばらまかれた様に散らばるいがぐり頭に 会いに行こうではないか。

冷凍赤唐辛子

道の駅で買った新鮮な赤唐辛子。 それは 私の好きな赤い色だ。 形も色も艶もよく これを干してしまうのは 誠に勿体ないとは思わないか? ジップロックの袋に入れ 冷凍庫のドア部分に居場所を見つけた。 煮物に 麺に 肉に 魚にも 使いたい。 二つに折った唐辛…

可愛い人参達

指の長さ程の人参。 15本程袋に入って80円。 余りの可愛さに買った。 生のフレッシュな鷹の爪も。 ピカピカ輝いている唐辛子も。 大きなサツマイモも。 図書館で本を受け取り ぶらりと入った道の駅で。 固い目に茹でた可愛い人参。 砂漠の砂みたいな色の…