紅葉の山を下り京都へ

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京都 高野 カナートから

 

濃い朝霧の中をウォーキング。

奥からライトを点けた車が

次々と帰って来る。

 

今日も峠の雲海撮影の帰りか?

車を止めて

霧の中にぼんやりと浮かぶ

紅葉を撮る人も。

 

そして夫と私は

今がピークの紅葉の山を下り

京都へ出かけた。

 

久しぶりに

高い所から見る京都の街は

小さく 整然として広がり

下に 細く高野川が流れ

「気持ちがいいなぁ

あ、あれは「妙」だ」

 

地下の「やまや」で

買ったコーヒー豆と

私が焼いたカンパーニュと共に

友達の陶の個展に行った。

 

1時間話し

まだ 話足りないが

暗くなるまでに帰ろう。

 

夫の愛車軽トラは

ふざけた様な軽快な音をたて

今度は山に向かって

ひたすら走った。

ウリハダカエデ(瓜膚楓)

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ウリハダカエデ

 

黄からオレンジへ

そして赤へ。

紅葉したウリハダカエデの落ち葉。

 

選んで拾って帰り

並べて写真を撮る。

「見て 見て

こんなに綺麗ですよ」

と 自慢している私が見えるだろうか?

 

本に挟んだり

額に入れて飾ったり

と 色々考えるが

茶色になり 土に還って行くのが

一番相応しい。

昨晩NHKFMを聴いていた

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毎日 

私の周りの山の色が濃くなっていく。

 

陽の光に照らされた鮮やかさ

日の陰りの中の濡れたような赤や黄

そのどれを見ても自慢したい。

「ほらほら、どうです、いいでしょう」

 

 

昨晩NHKFMを聴いていた。

谷川俊太郎工藤直子の対談で

詩人の谷川が詩人の工藤に言う。

  「詩は紙の上にはない。

  読んでそれで感動したり

  又 嫌いになったりして

  初めてそれが詩になる。」

 

その詩を読み 感じて 心の中に残るもの。

それが詩人から読んだ人へ送った「詩」である

と、私は理解する。

 

「詩は紙の上にはない」

に私が付け加えるとするならば。

 

自分を取り巻く全てのもの。

風景であり 暮らしであり

悩みであり 喜びであり

空想であり 怖れであり。

それらを言葉にし

紙の上で濾過し 香りたつもの。

 

若い頃は尾崎喜八が好きであった。

今は長田弘の詩が好きである。

ふかふかの冬布団

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朝晩

ストーブに薪をくべ始めて随分になる。

なのに

布団が薄い夏布団と毛布だけだったなんて。

冬の布団を出した。

 

ふかふかの冬布団。

 

暖かい布団にもぐりこんで

眠る事の出来る幸せ。

質素だが3度のご飯を

美味しく食べる幸せ。

雨露をしのげる小屋のある幸せ。

 

禁欲主義者では決してない。

だが

日暮れの早い今の季節

私は心底そう思うのだ。

 

ストーブに鍋を置き

甘い豆を炊いたり

大根を炊いたりして

日暮れの暗闇から抜け出そう。

 

暖かさに包まれた冬の暮らしは

何よりの豊かさだ。

穏やかな日は口笛など吹いて

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一日がまだ明け切らない

灰色の空気の中で

鳥が鳴き始める。

 

目覚めて靴をはき

ぼんやりした頭を

冷気で覚醒し

トコトコと朝の散歩。

 

小さなカメラを

ズボンのポケットに入れて。

 

山の向こうから

顔を出した太陽に照らされて

草や樹々が輝いている。

 

こんな日ばかりだとどんなにいいだろう。

 

豪雨 暴風 台風・・・

思い切り痛めつけられるのが

自然の中の生活だ。

 

痛めつけられた後は

頭を下げて嘆き

穏やかな日は

呑気に口笛など吹いて。

 

厭世観楽天観

こんな風にして人間は

バランスを取り生きて来た。

14年前の梅干し

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14年前の梅干し

 

14年前の梅干しが食べられるかどうか

インターネットで調べて欲しいと

マサコさんが言ってきた。

 

20%の塩で漬けた梅干しなら

何年経っても大丈夫。

 

そう言うと

マサコさんの蘊蓄が始まった。

平安時代の申年 村上天皇が悪疫にかかった時

梅干しで病気が治った。

だから申年の梅干しは大丈夫だと思ったわ」

と 大きな瓶に一杯の梅干しを

私に見せた。

 

14年前の申年に漬けた

紫蘇も梅もチョコレート色に変化した梅干し。

 

断りきれずに貰った

*申年の梅干し

*甘い棗の酢漬け

*梅酒 アロエと棗の焼酎漬け。

 

そして今日

甘酸っぱいチキン胸肉煮なるものを作った。

 

熱した鋳物のフライパンに

剥がしたチキンの皮を油が出るまでよく焼く。

その油でチキンに焦げ目をつけ

「甘い棗の酢」 酒 鷹の爪 

いしり(いかの魚醤)で炊く。

甘酸っぱい香りが漂う。

後少しという所で火を止め

余熱を利用し 中まで火を通す。

 

皿に載った湯がいたブロッコリー

サイコロ状のかぼちゃ。

薄くスライスしたチキンに

煮詰まった煮汁をかける。

 

貰ったはいいが

どうして使おうと困ったが

あれもこれも

こりゃあ いい調味料になりそうだ。

本を返しに図書館へ

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夕方4時

 

紅葉の季節の山の中の日曜日。

沢山の車や観光バスが

離合困難な山道を行き交う。

 

こんな日に出かけるのは避けたいが

夕方4時 図書館へと

紅葉が始まった山道を下った。

 

人口2500人の村に

似つかわしくない程の綺麗な図書館だ。

本を返し 受け取る。

キネマ旬報」を

駐車場の車の中で少し読む。

 

村で一軒のコンビニ 

ローソンでおやつを買い

車のライトを点けて

一路我が家へ。

 

山の中の細い道で

観光バスと出会う。

汗をかきかき離合する。

 

うちに帰り着いたのは

5時20分。

もう 真っ暗になっていた。