踏んでしまった青梅

梅の実

霧雨の中

アスファルトの道の上。

 

指の先ほどの 小さな青い梅の実が

パラパラと散らばっている。

なんと小さい。

 

去年の今頃 私はここで 

良く熟れた 大きなオレンジ色の梅の実を

10個ほど拾った。

そして 梅干しを漬けるのに加えたのだった。

 

知らずに踏んでしまった 小さな青い梅の実。

パシっと割れる軽い音と靴の下の感触。

微かな香りが 割れた青梅から立った。

 

サンタフェ スタイル(Santa Fe Style)の椅子

アメリカ ニューメキシコ州 サンタ・フェのインで(アルバムから)

 

1990年

私が 初めて行った外国の町がサンタフェだった。

 

伊丹からロスアンゼルス

一泊して次の日に飛行機で 

ニューメキシコアルバカーキ

そこからバスに乗り やっと着いたのがサンタフェ

ロッキー山脈中腹の砂漠の町だ。

 

ヒスパニックとネイティブアメリカンアングロサクソン

それらの文化が混ざり合った実に趣深い土地だった。

 

そこの サンタフェ文化の香り高いインに

泊まった時の写真が上の写真。

「アルバムの写真 チェルシー」

アメリカで撮った椅子の写真と書いた椅子。

 

前置きが実に長くなった。

思い出に浸るとこの様に面倒臭い事になる。

 

そのSanta Feスタイルの椅子が 

京都の友達の家にあった。

 

友達の版画家の義兄がアメリカに行った時

10個買い求め 船で日本に送った。

友達にプレゼントし 残りを自分のアトリエに置いた。

義兄も妻である姉も亡くなった今 

友達の所にあるその椅子を

私が驚き 懐かしがると あげるよと言った。

 

狭いうちの小屋に置けるだろうか?

やはり もらおうか?

次に友達の家に行った時 車に乗せて帰る様な気がする。

 

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山間の一本の生活道路

 

冬の雪の日。

まだ暗い朝から 除雪ブルドーザーは

大きな音と振動を響かせて

道路の雪を除いてくれる。

 

そして 春が来て 雪が溶け 

道路は穴ぼこだらけの姿を現す。

その上を車で走るのは

ガタガタ ガタガタとスキーのモーグル

 

今日

その穴ぼこを アスファルトで埋める車が来た。

沢山の小さい穴から 大きいのまで。

長い時間をかけて塞がれた。

 

灰色のアスファルト

新しい湯気の立つアスファルト

楽しい模様。

 

道路脇の草地から 伏流水が染み出したり

トンビの白い糞が模様をつけたり

蛇が長く横たわっていたり。

 

山間の 細長い一本の生活道路だが

人と自然の共有の場でもあるのだな

と 気付かされる時がある。

ミヤコワスレの花 ヒメウラナミジャノメと言う蝶々

ミヤコワスレとヒメウラナミジャノメ

小屋のそばに 今が盛りと咲いているミヤコワスレ

四捨五入すれば100歳の

猛女オチヨさんからもらったのが数年前。

雪の重みに耐えてか 

今年は背丈も風情も大人になった。

 

ひらひらと 頼りなげにやって来た

実に地味な蝶々が2羽。

ふわりとミヤコワスレに止まり

真剣に蜜を吸う。

 

蝶々を上から眺める。

とぼけた人間の顔に見えなくもない

毛の色 離れた目はコアラでもいい。

 

ズボンのポケットから

スマホをそっと出し そっと近づき

カシャっと撮った。

 

蝶々の名前は ヒメウラナミジャノメ(だそうだ)。

漢字にすれば覚えやすいかな

「姫浦波蛇の目」と勝手に字を当てた。

野茨(野ばら)

野茨(野ばら)

果物が良く成る年を

「今年は成り年だ」と聞いた事がある。

それは花にも 木にも言えるだろう。

 

長い冬の深い雪が いつまでも残り

植物や木は辛抱の日々だった。

そのせいかどうかは分からない。

春の終わりから初夏の今まで

小屋の周りの木や花は 大きく育ち 

立派な花を咲かせている。

 

野茨の花を見たのは 何年振り?

今年は しっかりとした茎や葉に 

花の蕾を沢山つけた。

毎年 

決まってアリマキにたかられ

それを目当てに 蟻が茎を登って来た。

そして 蕾も 茎も齧られ 

枯れて無惨な姿になっていたのに。

 

さあ 今年の野茨を見て欲しい。

淡いピンクの花びら 沢山の蕾。

 

小屋のそばの「シンボルツリー」

そこまでは言えないが 

久しぶりに咲いた 小さなかわいい野茨の花。

私の小さな喜びだ。

琵琶湖(琵琶湖大橋より南の)

琵琶湖 西岸 堅田(かたた)

 

堅田のコープで買物をする時

駐車場から見える 車一台が通るくらいの

西に向かう道路がずっと気になっていた。

 

昨日 少し時間があった。

車が頻繁に走る国道を渡って

あの道を行ってみようと

歩き始めてすぐに気がついた。

 

この道は 以前友達と来た

セカンドハウスというカフェへの道だ。

道路の角の店が変わってしまい気が付かなかった。

 

道は 大きな木々が茂る公園に突き当たる。

何本ものメタセコイアや 落葉樹が立ち並び

山鳩 野鳥の鳴き声が飛び交い

笑い声 話し声が聞こえ 走る人のいる

気持ちのいい広い空間があった。

 

海辺の香りではない 水の匂いは琵琶湖から。

護岸もない 水の香り 波の音が聞こえる

野生が残る湖。

 

湖の上を 南に真っ直ぐに飛んでいく水鳥。

行き交う船の小ささ。

あちこちに置かれた 古びた木のベンチ。

風が吹くと 木の葉がさやさやと音を立てる。

 

傘をさしても 暑い日なか コープの駐車場に戻った。

木々の色が変わる 季節ごとに行きたい。

アルバムの写真 チェルシー

ニューヨーク チェルシー Diaセンターの屋上から 2002年

アルバムの写真の中で 確かめたい物があった。

それは もう20年以上も前の 

アメリカの旅で撮った椅子の写真だった。

 

そして パラパラと懐かしさと共に

アルバムのページを繰る。

 

姉に借りた 手のひらに収まるほどの

小さなフィルムカメラ

シャッターを押せば写せるカメラだ。

そのカメラで 沢山の写真を撮った。

 

チェルシー地区に泊まり 

チェルシー地区にある ギャラリーを見て歩いた。

現代美術の作品を展示する 倉庫の様な建物。

大概のギャラリーは2階か3階にある。

 

Diaアートセンターは そんなエリアにある。

屋上の展示を見に上った屋上からの眺め。

エンパイアステートビル クライスラービル

アメリカだなあと思わせる給水塔。

屋上から見える低いビルや屋上の

ここに住む人達の生活を思う。

 

おやおや

写真を見ながらすっかり思い出に浸ってるではないか。

ついこの間の旅だと思うのに

もう何十年も経っているのか。

 

アルバムを閉じよう。

楽しい思い出は 心の中に。

時々思い出し 心の糧になっている。