2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「新ポリティカ日本:小さな星の不条理な世界を憂う」(朝日新聞より)

(1969年7月。アポロ11号の着陸船より見た地球。月の地平線から地球が見える。 NASA提供) (1998年 火星探査機「のぞみ」が撮った地球と月 文部省宇宙科学研究所提供) 宇宙に浮かぶマーブル模様の地球の写真を見る時、私がいつも感じる不思議な…

真っすぐな道

(午後3時) 道の先は琵琶湖だ。 私の住んでいる山里に 灰色の空から 雪が降っている時 琵琶湖畔の街は 明るい光があふれている。 真っすぐに 琵琶湖に向かっている道の プラタナスの並木に 明るい緑の葉っぱが 出て来ると 春だ。

「桜はまだですよ」

(午後4時) 気温は摂氏11度。 西に傾いた太陽が とてもまぶしい。 畑も木も山も 全てが柔らかく見えるのは 気のせいだけではないよね。 山の向うは 京都大原。 「桜はまだですよ」

ネコヤナギ

どんなに春が 後ずさりしても ネコヤナギは平気だ。 柔らかくて、滑らかなふわふわに 被われているんだから。 灰色の空の下で ゆらりゆらりと 気持ち良さそうに 揺れている。

馬酔木(アシビ)

こんなにかわいい花なのに 馬酔木と書くなんて。 「鳥がチーチー鳴いてるよ」と私。 「こんなに寒くっちゃ、 リンリン鈴を鳴らす元気もありませんよ」 アシビまでもがブルブルッと震えて 私に文句を言う。

ブルブルッ!

(午後2時) 今日も雪が降り 北からの強風 空は灰色だ。 あちらこちらに 白い花を沢山つけた梅の木が 花びらを吹かれる事なく 踏ん張っている。 「今日も寒いねぇ」と見上げる私に 「ブルブルッ!」と答える。

満足のクッキー (Cookie Cottage)

クッキーの良さは 重さで分かる。 袋を持った時に ずしりと重いクッキーは 味も深く満足感もある。 姉が送って来た タイのクッキー。 クッキーの種にアーモンドパウダー 分厚いアーモンドスライスもたっぷり。 クッキーの上にもアーモンド一粒。 無骨なホー…

春飯(はるめし)

足元のハコベと葉ワサビを チョキチョキ摘む。 星の様なハコベの花も。 さっと洗って 熱湯を回しかける。 水にさらしてキュッと絞る。 まな板の上でトントンと刻んで 塩を一振り。 熱々のご飯に混ぜて お茶碗に。 おいしいかどうかは二の次。 ピリッとするワ…

陽光は明るく

久しぶりの穏やかな日。 陽光は明るく 風も吹かず 暖かい。 空はあくまで青く 飛行機雲だけが 東から西に どんどん伸びて行く。 どこから飛び立ち どこに行くんだろう。 冬の間に汚れてしまった車を洗った。 タイヤも冬用からノーマルに変えた。 2週間に1…

信長の皮のはかま

(図書館から見る) あの山のてっぺんに 山城の跡がある。 資料館はその山の麓。 そこのスタッフが 「登るんだったら、熊除けの鈴をならしてね」 「この間も登った人がいたけど、杉がじゃまして 下が見えなかったと言ってましたよ」とか言う。 私も友達も登…

「寒いなあ」

(午後1時半) 図書館に本を返し 予約の本を受け取り 道の駅で豆腐と揚げを買う。 ローソンに行って 相変わらずのコーヒーを注文。 熱々のコーヒーを持って 川べりのベンチに座り 正面に見える山を見ながら フーフー言って飲む。 「寒いなあ」 桜の蕾はまだ…

林業の村の80年前の写真

(先代さん達) 私が住んでいる村は林業の村。 今、88才の男性が8才位の時 街の学校に行ってる村の若者が帰郷し その人が撮ってくれた写真だそうだ。 学生服を着ているのがその人。 地下足袋、股引、腰辺りまでの着物を着て 写真の中にいる人達は それぞ…

博物館の小さな物達

(韓国国立中央博物館) 朝鮮半島のBC8世紀からAD19世紀迄の発掘品、生活品の膨大なコレクションが展示されている国立博物館。 その中で、私が手元に置きたいと思った小さな物を三つ。 鉄分を含んだ赤土を低下度で焼いた無釉の蓋物。 昔の人はここに何を…

アン チュル展 「PSYCHOKI 念力通」

(neolook.comからの画像) アン チュルは韓国の60代の男性の美術家だ。 2012年 ソウルの画廊で、彼のインスタレーションに出会った。 (neolook.comからの画像) 枝も ビーカーの中の何かも 昔の実験室にあった様な家具も 全部 白。 (neolook.comからの…

キム チョンハの絵

キム チョンハは韓国の男性画家だ。 1937年に生まれ、雪岳山(ソラクサン)の山の中のアトリエで、豊かな自然を描き続けている。 2011年 韓国の国立現代美術館で キム チョンハの回顧展に偶然出会った。 横長の大きな、大きなキャンバスに 花が、鳥…

陶の個展 二つ

知り合ってから 40年余り。 会うといつも「あかんわ」というのが口癖だ。 セミプロのベーシストでもある。 作品は大胆でカラフルで楽しい。 無農薬の米や野菜を、猿や猪と競争しながら 懲りずに作り続けている。 はまぐりの貝合わせをイメージした蓋物。 …

若緑の草達(3)

今日は 小雨も雪も降った。 北風が強く 心底寒かった。 ラッパ水仙の 蕾はふくらんで 背伸びをしたくてたまらないのに。 夕食に 有り合わせの野菜を刻み 揚げとワカメも加えて 粕汁を作る。 粕の豊かな香りが 暖かい家の中に 漂って 私は いい気分だ。

若緑の草達(2)

自生のワサビが 毎年大きくなる。 つやつやとした葉っぱ。 ハコベやナズナも摘んで 熱々ご飯に鋤込んで ほんのひとつまみの塩の味。 春一番の味を 食べてみようか。

若緑の草達

うっすらと積もった雪は 太陽が昇ると すぐに融ける。 顔を出した 若緑の草達。 つやつやと 光輝いて。 寒くなったり 暖かくなったりの 繰り返しの日々。

雪解けの雫

(午前7時30分) 夕方から雪が降り 心にズンッと沈む事があり その上 ギックリ腰で 思う様に体が動かなかった 昨日。 京都からの 暗い夜道を 車で走りながら 「もう、嫌になるよ・・・」 今朝 木の枝に光る 雪解けの雫。 昨日の落胆は 少しは消えた。 「…

椎茸

車が走る道路の脇 山のあちこち 家の側 蜜蜂の巣箱が置かれている。 それは 箱型であったり 杉をくり抜いた円筒であったり。 そして 家の裏や 杉の林の中に 楢やクヌギの 椎茸のほだ木が 規則正しく並んでいる。 村の人は 季節がくれば 淡々とそれらの作業を…

筏師(いかだし)の神社

(6月の祭の写真) 伐った杉は 冬の急な坂の 雪の上を滑らし 川に集める。 それを 筏に組み 琵琶湖まで流す。 あちらこちらの 岩にぶつかり つっかえ 筏は暴れる。 筏師はその度に 冷たい冬の川に飛び込み 筏を整える。 筏から振り落とされて 命を落とす事…

山の頂きにアンテナ

(アンテナを立てた山) 私が住んでいる山里は かつて 林業を生業としてきた人達の村だ。 50年から60年程前 山に杉や檜を植える仕事をしに 岐阜や高知からやって来た人達が沢山いた。 砂防ダムの谷の側に 飯場を建てた一団。 トイレ、風呂も作り 水は谷…

砂防ダム

うちの横の谷は かつて 大雨が降れば 地形が変わってしまう程 暴れた。 引っ越して来るずっと前の話だ。 20年程前かな? 砂防ダムが出来て 大雨でも谷の姿は変わらない。 風情はないが 安全安心が一番。 この谷を カワガラスが弾丸のごとく 低空飛行で駆け…

ギフト

アメリカのNickから荷物が届いた。 ガールスカウトのクッキーが2箱。 30年程前 京都の街を忍者の服を着て 自転車で走り回っていた男の子。 親の離婚で アメリカと日本を行ったり来たり。 青年になって Air forceでメンテナンスの仕事についた。 沖縄、ド…

ウグイス

赤い錆色の花と花粉をつけているのは杉。 緑の葉は檜。 しなっているのは竹林。 葉が落ちて枝だけの木は 楢であったり、栃であったり、栗であったり。 雪の残る樹々の間から ウグイスの声が聞こえる。 まだ へたくそな鳴き声だけど あれは間違いなく ウグイ…

窓を開けて

(午前10時) 京都から 帰って来た人が 車を止めて 「下は暑いよ〜」 そりゃ、そうだろうね。 久しぶりに窓を開ける。 冷たい風が 家の中にスーッと入って来る。 ふぅ〜 体の中を巡る 冷たい空気。

クリスマスローズ

夫の実家の 欅の木の下に 沢山のクリスマスローズが 咲いていた。 今の様に 色々な種類もない マイナーな花だった頃。 知人に 4年前に苗をもらい 大切に育てた。 去年の4月に 初めて花が咲き 今年は一ヶ月早く咲いた。 鹿に食べられない様に 植木鉢で育て…

記憶

(午後4時30分) 『ひとひらの 細い白い おだやかな ほのかな雲が 風に吹かれて 大空を行く。 目をふせて 感じるがいい。 喜びに満たされた あの雲が その白い涼しさで おまえの青い夢の中を 過ぎて行くのを。』 春か初夏の気持ちのいい日 ふと空を見上げ…

3月の雪

朝 暗いうちに 除雪車のゴトン、ゴトンという音がする。 布団の中で 雪が降り 積もったのを知る。 北風に吹かれる 横殴りの雪。 でも 3月の雪は 融けるのが早い。 土が 春の準備をして 温かいから。