カガノアザミ(加賀乃薊)

f:id:URURUNDO:20210921010649j:plain

             カガノアザミ(加賀乃薊)

 

空気はからりとした 心地よい一日。

窓から入り込む緩やかな明るさ。

この明るさは 秋の色だ。

 

淡いピンク色をした 糸のような花びら

沢山の蕾をつけた 背の高い野生の花。

カガノアザミ(加賀乃薊)は

小屋の周りに 群れている。

 

手を伸ばせば 

棘のある茎や葉っぱで傷がつく。

 

ひと茎を 軍手をはめて ハサミで切り取り

砂色をした花器に挿した。

花の姿を整える事など 

決して許さない強さを持つ

そんな花だ。

トンビが描く大きな円

f:id:URURUNDO:20210919020449j:plain

18日の空

 

台風14号は

私の住んでいる小さな小屋を

痛めつける事もなく過ぎ去った。

非常に幸運な事だ。

 

強風雨が近づくと予想された

深夜の時間帯に

表では コオロギの鳴き声が盛んだった。

 

夜が明けて

小糠雨が降り続く間の

雲の切れ間から覗いた青空。

 

そこに

トンビが大きな円を描いて飛んでいた。

それだけの事だが 嬉しい。

黒の桝目に若緑

f:id:URURUNDO:20210918004821j:plain

大根(?)の芽 チャックの畑

チャックは 途切れる事なく

発芽用ポットに 何かのタネを蒔いている。

ハーブであったり 野菜であったり。

 

小さな発芽用ポットの土から

小さな双葉が出て

それらが 並んでいる様は

幼いエネルギーの発露。

 

強い雨に打たれたら

すぐに溶けてしまいそうな

細い茎にハートの形の葉。

 

黒の桝目に若緑の力。

私はこれを上から見つめ

美しいと思う。

秋の早い夕暮れ

f:id:URURUNDO:20210917015234j:plain

 

夕方 6時を過ぎると

もう あたりは暗い。

 

「つい この間まで7時を過ぎても明るかったのに」

と 毎日思う。

 

山の暗闇を明るく照らす LEDの街灯。

この街灯の下で 

最近は姿を見せない狐を

スポットライトのように照らしていた。

元気でいるのか?

 

見上げれば 灰色の厚い雲。

流れ去る雲の合間に

現れては隠れる 秋の月。

 

近づく台風の湿った空気の中

灰色の空の下に 立つ私を 

又 現れた月が 弱々しい光で照らす

秋の早い夕暮れだ。

紫蘇ジュース

f:id:URURUNDO:20210915084207j:plain

 

作る工程は単純 簡単だが

毎年「面倒だなぁ」と 

億劫に感じるのが紫蘇ジュース。

 

二抱えも 三抱えもある

根付きの紫蘇の葉をもらい

艶のある綺麗な葉だけを使う。

 

洗った紫蘇の葉の炊き汁に

砂糖とクエン酸を加えるだけ。

今年も6リットル出来た。

 

夏の汗だくの日は 氷を浮かべ

冬の凍てつく日は 湯気で顔まで暖かくなる。

 

出来立ての濃い紅色の紫蘇ジュース。

白のカップに注ぎ 8倍の湯を加える。

韓国のオミジャ茶(五味子茶)や

ハイビスカス茶の赤い色でもない。

もっとクリアで 明るい紅色だ。

 

「写真を撮るのだから」と

ピンクのゲンノショウコの花を

紅色のお茶に浮かべてみた。

秋の初め スダチの香り

f:id:URURUNDO:20210914015831j:plain

 

朝晩の 寒いほどの冷気で

数日前から ストーブに薪をくべる。

 

半袖のTシャツの上に

フランネルのシャツを着た。

うっすらと畳み皺のある軽いシャツ。

 

灰色の空と

頼りなげに風に揺れる芒の穂が

夏の盛りの 噴き出る汗の記憶を

忘れさせる。

 

知人がくれた 濃い緑のスダチの実。

酢橘と書く。

木の鉢にごろりと入れると

固い皮の 淡い香りがする。

それは

とても清潔で 控えめな

秋の初めの 柑橘類の香りだ。

現の証拠 (ゲンノショウコ)

f:id:URURUNDO:20210912003348j:plain

ゲンノショウコ(ピンク)

野生の花はどこからでも芽を出し

そして 茎を伸ばし 葉をつけ花を咲かす。

憧れるほどの逞しさだ。

 

小屋の周りに咲き出した ゲンノショウコ

「煎じて飲めばお腹の痛いのもすぐ治る。

だから『現の証拠』」

余りにも実利的な名前で

私は フウロソウという名の方を好む。

 

明るいピンクと 儚げな白の花。

引っこ抜かれても 切られてもくたばらない

美形の野草。

 

その可愛い花を 何本も切り取り 

グラスに挿し入れ

テーブルに置いたりもする。