雪は断続的に 降ったり止んだり

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3月9日

強い北風で

雪が斜めに叩きつけられる様に降る。

とても 表に出られない。

 

断続的に降ったり 止んだり。

 

除雪車が朝方に通った。

大きな音を立てて

小屋の前を過ぎる。

 

夜には

屋根から 雪が滑り落ちる。

地震の様な音と響き。 

 

1週間前には

杉の葉にたっぷりとついた花粉が

風に吹かれて飛んでいたのに。

 

「暑さ寒さも彼岸まで」と言うが

最近の気候は とても手強い。

クルクル巻いたアップルパイ

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アップルパイは特別なおやつだ。

なんと言っても

パイ皮のサクサクとした食感。

バターの香しさ。

これを求めるには

どうしても 家で作るしかない。

 

自分風に作っていると

オリジナルのレシピに

狂いが来る。

 

初めて焼いたアップルパイレシピ。

それに戻してみた。

本間三千代さんのレシピだ。

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「ホームメイドのお菓子」

 本間三千代 著

 昭和50年 文化出版局 発行

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なんと 昭和50年から

私はこの本を読んでいたのか。

 

 

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パイ皮を伸ばし

耐熱皿に敷き

シナモンの香りたっぷりのりんごを入れ

パイ皮で蓋をする。

 

その残ったり 切り落としのパイ皮。

それを 長方形に伸ばし

りんごを載せて クルクルと巻く。

3個出来た。

卵の黄身を塗って 一緒に焼いた。

これが又 美味しい。

 

オーブンで焼いている時の

小屋に充満する 贅沢なバターの香り。

焼き上がりを食卓の上に。

明日のおやつ コーヒーと共に。  

成長した「アルプスの少女ハイジ」

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新書版サイズ位の緑の本。

麻布の表紙だ。

水に濡れた跡がある。

本棚の隅に隠れた様に立っていた。

 

 

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表紙を開ける。

「アルプスの少女 ハイジ」が成長し

娘になった頃の話だ。

額縁の様にページを囲む

植物の絵の なんと魅力的な事か。

 

 

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長い序文の最後のページ。

釣鐘草の絵。

これを描いている時の

紙に当たるペンの感触が

私に伝わってくる。

 

 

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一章ごとに描かれた

19のイラストレーション。

素朴なペン画がとても楽しい。

 

「休暇の終わり」の章の絵。

後方にそびえる三角形の山は

マッターホルンだろう。

教会 煙突のある小屋

手を振る訪問者。

長閑で平和な世界。

 

調べてみた。

「Heidi Grows Up」は 

ハイジの作者スピリの死後

30年目の1938年に

スピリの英語とフランス語の翻訳者

チャールズ・トリットンによって書かれた。

パリ ニューヨークで出版された。

 

「序文。

デイビッド・コッパーフィールド

ダルタニアン アイバンホー

アリス ハンス・ブリンカー

ジム・ホーキンスの様に

ハイジは世界中の その時代の子供達の

宝となった。」と トリットンは記す。

 

この緑の本は イギリスで出版。

1952年に第1刷

1953年に第3刷と

本に記されている。

 

この本の持ち主は誰か?

多分 夫の母だろう。

 

成長した「アルプスの少女ハイジ」物語。

小さくて軽く易しい英語で書かれたこの本は

寝る前に 布団の中で読むのにいい。

 

よくも捨てられずに本棚の片隅で

ひっそりと鳴りを潜めていたものだ。

星みたいな花 ハコベ

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やっと 出て来た。

星みたいな花 ハコベ

 

元気で逞しい ミントの間に

こっそりと 顔を出す。

 

周りを見渡せば

地味な黄蓮の花

青いオオイヌノフグリ

風で茎が倒れた水仙

そして イワナシ。

 

花の香りが

空気に乗って漂って来るまでは

もう少し。

緑青色の琵琶湖

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3月13日 午後

 

空気は冷たいが

雲ひとつない

穏やかな日だった。

 

用事で湖西に下り

その時に車の窓から見えた

緑青色の琵琶湖。

 

私は心底からため息をついた。

 

対岸に見える

湖東の山並み。

 

空はあくまでも広く

湖は 浜にゆっくりと

小さな波を打つ。

 

人は誰もいない。

静かな午後の琵琶湖畔。

 

山の狭い谷筋から

降りて来た私の心は

空と湖の広い空間で

ゆったりと 解かれて行く。

 

これはとても大事な事だ。

やっと咲いた 春のお知らせ花

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イワナ

 

彩りのない 山村の春に

やっと見つけたピンクの花

イワナシ。

 

小屋の前の崖に 

毎年 春の初めに咲く。

これから次から次へと

咲いていくはず。

 

そして その後に

小さな儚い味の実が付くはずだ。

 

イワナシ アカモノ

これは小屋の前に咲く。

 

ジギタリス ツリガネニンジン ナヨシャジン

ヒヤシンス ホタルブクロ スズラン

ナルコユリ・・・

 

釣鐘状の花は とても可愛い。

それが目の前に現れる嬉しさ。

そして

イギリスの妖精物語の脇役でもある。

スナップエンドウとゴボウ

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スナップエンドウの筋を取る。

弾ける様な 青い香り。

 

筑前煮で使ったゴボウの残り。

切らなくてもいい程の細さ。

たわしでさっと洗うと

気骨ある香りがたった。

 

共に塩を加えて湯がき

スナップえんどうは陸あげ(おかあげ)で

ゴボウはさっと水に晒す。

 

小鉢に盛った。

何かで和えようか。

 

春の香りはそのままで

さっと ごま油を垂らした。

 

シャキッとした歯触り。

野菜の香りは清廉だ。