狩猟期

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昨日

大津からの帰り道。

 

細い山道を

2台の車を従えて

パッカパッカと

こちらに向かって走って来る子鹿。

 

今日

殆ど同じ場所の

道の真ん中で

こちらを見ている子鹿。

 

私の車の前を

パッカパッカと走り出した。

ゆっくりと鹿の後ろを走る。

 

深い雪の中を歩くより

アスファルトの道が

楽で便利なんだろう。

 

夕方

鉄砲で撃たれた大きな鹿を3頭

車の荷台に積んだ2トントラックが

うちの前を行く。

 

夕暮れ時に出会った

立派な角を持った

あの鹿かな。

 

林の中から

キョトンとした目で

私を見ていた

あの鹿かな。

 

様々な思いが

私の頭の中を巡る。

 

狩猟期。

 

久しぶりの青空

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午前9時

 

久しぶりの青空。

目に沁みる青。

 

こんな日は

家の周りの雪かきがはかどるだろう。

 

「長い間雪の中に埋まっていたではないか。

 久しぶりに「下」の空気を吸っておいで」

と、もう一人の私が言う。

 

毎週木曜日に通っている

大津市瀬田まで

雪深い山の中から出かけた。

 

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琵琶湖南岸から比良山を望む

 

琵琶湖南岸は

雪の跡形もなく

湖は空の色を映して

穏やかで青い。

 

西岸に

雪を冠った

力強い姿の

比良山が見える。

 

私の好きな山。

 

「さあ、帰ろうか。

 あの山の向こうに。

 トンネルを抜けたら

 そこは雪国だ」

続々・豪雪

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午後4時 タイチさんの家

 

三八豪雪

この村の人達が

「雪かきしても、雪かきしても

 どんどん積もった」と言う

昭和38年の豪雪。

 

今回の豪雪はそれ以来らしい。

私の住んでいる市は

「例年の8倍の雪」と

テレビニュースで言っていた。

 

この山里に

京都から引っ越して来て10年。

雪かきで

仕事どころではない数日。

 

しかし

限りある食材を工夫して

彩り豊かなご飯を食べなければ。

心も体も萎えない様に。

 

フライパンで錦糸卵用に薄く卵を焼く。

その後、冷凍庫に一切れ残っていた

もこんがりと。

 

砂糖、塩、酢ですし酢を作り

丁寧にほぐした鮭を浸す。

 

炊きたてご飯に

鮭入りすし酢を混ぜる。

器に盛って上に金糸卵をたっぷりと。

 

半端野菜で一人鍋。

 

土鍋でバターを熱し

人参、しめじ、白菜を炒める。

豆腐と春雨を加えて

牛乳と湯を注ぐ。

 

粉末出汁をパラパラと。

ぐらぐらとしてきたら味噌を少し。

鍋に牛乳の幕が張ったら

ブロッコリーを真ん中に。

 

数日前に作った

ひじきと揚げの炊いた物。

温め直して一鉢。

 

刻みしば漬も忘れずに。

 

26日から

小学校、中学校の授業が再開。

 

続・豪雪

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軽トラも雪の中

 

紺色の軽トラが

音もなく止まる。

 

雪かきをしていた私に出会って

ホッとした様な表情の

「ライフルマン」

 

「大丈夫や思て出て来たけど

 恐なって来た。もう帰るわ」

 

エネルギッシュを体現化したかの様な

元気な「ライフルマン」が

いつになく弱気ではないか。

 

「昨日な、犬にえさやろ思て

 表に出たら腰迄雪や。

 必死で犬のとこ迄行って

 何とか餌はやった」

 

猟犬達も

さぞや嬉しかっただろう。

 

5時に雪かき終了。

 

チエコさんから貰ったお餅を

ストーブで焼く。

こんがりと焼けたのを

砂糖醤油に絡める。

大きな海苔でくるりと巻く。

 

日本の食の

何という奥の深さ。

「うまい!」

 

今日も

小学校、中学校は休校。

 

豪雪

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除雪ブルドーザー

 

早朝に一度

除雪車が通っただけで

お昼過ぎても

うちの前の道路は

たっぷりとした雪がそのままだ。

 

防災無線

「市内の除雪車がフル稼働しているが

 雪が多すぎていつも通りに除雪が出来ない」

というようなアナウンスがあった。

 

昨日

家の周りを人一人が歩ける幅だけ

スッキリと雪かきをした。

一日数時間だが三日程かかった。

そこはもう跡形もなく

新しい雪で埋まった。

 

小学校と中学校が休校。

郵便配達、クロネコもお休み。

ああだ、こうだと愚痴を言ってる間に

春がやって来るんだよね。

 

たっぷりの小松菜と竹輪の

粕汁を作る。

 

ゆがいたジャガイモと豚肉を

オリーブオイルで炒め

ハーブソルトをパラパラと降り

味をつけた。

 

長ひじきを揚げと一緒に炊く。

 

刻んだしば漬の

淡いピンク色が

炊きたてご飯の上。

 

モリモリ食べて

明日の雪かきに備えよう。

 

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午後4時 100m離れたお隣

 

ここらで

葛屋葺き(クズヤブキ)と呼ばれる

藁葺き屋根の家。

トミコさんの家は

土台の石も柱も土俗的な

築400年の葛屋葺きだ。

 

瓦屋根の家は

葛屋葺きの家が火事になり

その後建てられた新しい家だ。

 

うちから

100m離れた

お隣のタイチさんの家は

瓦屋根で築90年程の

新しい家。

 

屋根の上に

釜戸や囲炉裏用の

小さな煙抜きの屋根がついている。

 

「いいなあ」

 

屋根に

どんなに沢山の雪が積もろうとも

太い、太い梁や柱は

びくともしない。

 

自分の山の木で

作られた家々。

 

人も家も

どちらも

昔からの「この土地」の産だ。

 

 

 

茶色の茎

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雪の中では

春や夏の様に

華やかに花は咲かない。

 

でも

枯れた様に見える

茶色の茎に

固い芽を幾つも幾つも

見つける事が出来る。

 

ずーっと

目を近づけてみよう。

 

拳を握りしめた様な

エネルギーに満ちた

芽が並んでいるから。