松ぼっくり

松ぼっくり

頑なに閉じた松ぼっくりを 

上着のポケットに入れて持ち帰る。

 

乾いた日の 開いた松ぼっくりより

この姿が気に入り 時々拾っては

棚に並べたり 鉢に集めたりする。

 

溶け遅れた雪の上に並べると

ここが定位置だとばかりに 収まった。

 

陽の光を浴びた雪は 

ザラメ砂糖の様な粒になり キラキラと輝く。

それは 冬の午前にふっと心に響いた

小さな出来事だ。