「今日も小雪の降りかかる」

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2月17日

 

「汚れっちまった悲しみに

今日も小雪の降りかかる

汚れっちまった悲しみに

今日も風さえ吹きすぎる」

   

汚れ始めた周りの雪は

今日降った雪で

それは美しい白の世界に戻った。

 

中原中也

「汚れっちまった悲しみ」

を思い出すには充分だ。

 

「汚れっちまった悲しみ」を

「私」に置き換えれば

全く違った詩の世界に変わる。

それはただの雪の日の描写だ。

 

そんな事を思いながら

足跡のない雪道を

靴跡を付けながら歩いた。

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汚れっちまった悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れっちまった悲しみに
今日も風さえ吹きすぎる

汚れっちまった悲しみは
たとえば狐の革裘(かわごろも)
汚れっちまった悲しみは
小雪のかかってちぢこまる

汚れっちまった悲しみは
なにのぞむなくねがうなく
汚れっちまった悲しみは
倦怠(けだい)のうちに死を夢(ゆめ)む

汚れっちまった悲しみに
いたいたしくも怖気(おじけ)づき
汚れっちまった悲しみに
なすところもなく日は暮れる……

   中原中也「山羊の歌」から

     「汚れっちまった悲しみは」