蕗のとう

 

雪が溶けた後に 土の中から

小さな蕾が出てくるのが蕗のとう。

蕾の先は 淡い紫で

開くと早緑(さみどり)の花びらのようだ。

 

これを 指で根本からちぎり 次々と籠に入れていく。

気がつくと指先は土で汚れ 苦い匂いがついている。

 

水で溶いた小麦粉をつけて さっと天ぷら。

鍋で味噌 砂糖 辛子を 焦げない様に練り上げ

軽く湯がいた みじん切りの蕗のとうを加えた 

蕗のとう味噌。

よく作ったものだが 

今は春の到来を愛でるだけになった。

熱いご飯に ふきのとう味噌を載せて食べる

その美味さは格別で 又作ってみたくなった。

 

今日も寒い風の一日。

今が盛りの馬酔木の白い花が

灰色の空の下で 風に揺れて健気に咲いていた。