カミルのレモンタルト
ジュネーブの母親に電話し
作り方を確かめながら
レモンタルトを作るカミル。
皿は
バター、小麦粉、水。
レモンクリームは
レモン、バター、砂糖
コーンスターチ、玉子、すりおろしレモンの皮。
からりと焼き上がった皿に
いい香りのレモンクリーム。
玉子の白みでメレンゲを作り
クリームの上にカバーし
オーブンで焦げ目をつけると
「もっとおいしい」と言う。
夜7時半から
ちょっとよそ行きのご飯を食べ
カミルのレモンタルトを切った。
タルトの一切れを
よく通った酒屋のシゲオさんにあげたい
と、カミルが言った。
「分かった、明日にでも届けよう」
豊かなレモンの香りと酸っぱさ。
たっぷりのバターとレモンの香り。
夏にやって来たカミル。
チャックの小屋に泊まっての3ヶ月。
近くの山へハイキングに行ったり
福井の小浜まで魚を買いに行ったり
スープを作って持って来ては
うちでご飯を食べて帰ったり。
霙の様な雪が降る今日
カミルはチャックの車に乗って
帰って行った。
ニュージーランドに行き
友達に会ってからスイスに帰る。
車に乗る時
ちょっとしんみりとした表情をした。
「へー、ヨーロッパ人でも別れを惜しむのか?」
と、私は驚いた。
来年両親と又来ると言うが
予定は未定と言うじゃないか。
「楽しかったね」