3月10日の3枚の写真

3月10日

明るく晴れた今日。

たっぷりと降った雪が光る。

紅空木(ベニウツギ)の枝に積もる雪。

 

馬酔木の蕾

京都では満開の馬酔木の花も

こちらではまだ米粒ほどの蕾だ。

 

凍った氷の滴り

小さな凍った露を覗く。

その中に在る逆転した世界。

 

春一番に咲く 青空色のオオイヌノフグリ

待ち侘びているのに まだ出てこない。

小さな希望

 

数日前 「小屋」のすぐ近くの所だが

初めて歩いてみた。

市バスが走っている県道から

山に向かってまっすぐの坂道。

そこは 道の両側は棚田で 

山の中だが 珍しく視界が広がっていた。

空が広い。

 

坂道を上ると 田んぼに山の水が張られ 

そこは池の様になっていた。

バタバタっと10数羽の黒い渡り鳥が飛び立ち

次の田んぼも その上の段の田んぼからも

バタバタっと大きな羽音を立てて 渡り鳥が飛び立った。

 

まだ 春には遠い 枯葉色の広い世界。

春一番に咲く 水色の花オオイヌノフグリさえ

まだ咲いていない。

 

帰り道から見た 向かいの山の稜線がいつもより低く感じ 

後1ヶ月もすれば あの山に白い拳の花が

そして 山桜の淡いピンクの花が咲くだろう。

小さな希望だ。

 

今日も冷たいシャワーの様な雨が 間隔をおいて降った。

 

ヤブコウジの赤い実と 薄緑の蕗の薹の天ぷら

                ヤブコウジ

 

降った雪が溶けて 冷たい雨が降って 寒い冬の逆戻り。

そこで見つけた 小さな赤い実。

その実は 雪の重さに耐えたそのままの姿で現れた。

ヤブコウジ

サクラソウ科なので 可愛い花をつけるが

私はまだそれに気づいた事がない。

 

「蕗のとうの天ぷらにするのに飽きた」

と前回の文に書いたら

「私は春に蕗の薹を食べるのは、待ち望むこと」

Mさんからコメントをいただいた。

そうかと 今日蕗のとうを天ぷらにした。

 

淡い緑の小さな芽は 寒さで少しも大きくならず

開いた大きめの花も そのままの姿で持ち堪えている。

小さいの 大きいのを12個摘んで

水溶き小麦粉をつけて揚げた。

軽く塩を振り 夕食の一品とした。

苦味と香りが こんなに美味しかったのか?

融雪の音と姿

 

予報通りに雪が降った。

20センチほど。

霙の様な水をたっぷりと含んだ重い雪。

 

そして今朝。

水琴窟の様な音が外から聴こえた。

いつものあれだ。

屋根から 雨のように滴る溶けた雪が

下のバケツの溜まった水に 落ちる音。

短い間隔で 激しく落ちる。

 

スマホで写真を撮る。

バースト機能で 水滴の落ちた瞬間をババババっと。

30枚ほど撮れたが どれも面白く

どんどん削除し 結局選んだ後に 

やっぱりあれの方が良かったか?と 迷う。

 

目で見ても記憶に残らない水の飛沫。

写真に撮れば それらは生き生きと踊り跳ねていた。

夜になり雪が積もり始めた

 

蕗のとうの蕾が

10数個出ているのに気がついたのが数日前。

開いていない蕾が「小屋」の北側

日当たりの悪い土の中から 上を向いて健気だ。

淡い若緑色の可愛い塊。

 

天ぷらにしたり 蕗のとう味噌にするのは

随分前に止めた。

興味が無くなったという事だろうか。

 

春を感じるのは まだ蕗のとうだけ。

木の花の蕾どころか 芽吹きさえその気配もない。

 

雨 雪 霙が降る間を縫って 川沿いを歩く。

まだ 木の芽吹きのない景色の中を

川だけが いい音を鳴らして流れ去っていく。

透明な少し青みを帯びた水だ。

 

夜になり雪が積もり始めた。

久しぶりの晴れの日

昨日降った雪が溶けて 屋根からポタポタと落ちてくる。

まるで雨の日のようだ。

青空 流れる雲 明るい光が窓からさして

”What a wonderful world”だ。

強い北風は吹くが ダウンジャケットで暖かい。

 

買い物に行った。

山から琵琶湖岸の町へ。

ホームセンターでは 満開の春の花が並ぶ。

寒い日にホームセンターで花を見ると

いつも 苗を買おうかなと思う。

ラナンキュラス ルピナス・・・

馬酔木の花さえまだ米粒ほどの蕾。

春の苗は早過ぎると 諦めるのはいつもの事だ。

 

薄暗くなった帰り道。

南の空に浮かぶ灰色の雲を美しいと思った。

福井嶺南の気候

 

今日も一日霙と雨で 写真を撮るのはおろか

ウォーキングにも行けなかった。

北風も相変わらず横殴りに吹いて

湖西線は 風の強い地域は止まった。

空は暗く こんな日が続くと気分が萎える。

と こう思うのは私だけかと思ったら

最近会った人達は同じ事を言った。

福井嶺南地方の気候と同じ

この地の冬は実に湿っぽい。

 

写真の枯れた花は 去年の秋に枯れたものを摘んだ。

そして 水の入っていない花瓶に挿していたら

私好みの いい風合いのドライフラワーになった。

 

無駄に時間が過ぎて行くなあと思う。

明日 頑張ろう。

悲観主義の私と 楽観主義の私が

私の中で うろうろしている。