明るく晴れた今日。
たっぷりと降った雪が光る。
紅空木(ベニウツギ)の枝に積もる雪。
京都では満開の馬酔木の花も
こちらではまだ米粒ほどの蕾だ。
小さな凍った露を覗く。
その中に在る逆転した世界。
待ち侘びているのに まだ出てこない。
数日前 「小屋」のすぐ近くの所だが
初めて歩いてみた。
市バスが走っている県道から
山に向かってまっすぐの坂道。
そこは 道の両側は棚田で
山の中だが 珍しく視界が広がっていた。
空が広い。
坂道を上ると 田んぼに山の水が張られ
そこは池の様になっていた。
バタバタっと10数羽の黒い渡り鳥が飛び立ち
次の田んぼも その上の段の田んぼからも
バタバタっと大きな羽音を立てて 渡り鳥が飛び立った。
まだ 春には遠い 枯葉色の広い世界。
まだ咲いていない。
帰り道から見た 向かいの山の稜線がいつもより低く感じ
後1ヶ月もすれば あの山に白い拳の花が
そして 山桜の淡いピンクの花が咲くだろう。
小さな希望だ。
今日も冷たいシャワーの様な雨が 間隔をおいて降った。
降った雪が溶けて 冷たい雨が降って 寒い冬の逆戻り。
そこで見つけた 小さな赤い実。
その実は 雪の重さに耐えたそのままの姿で現れた。
サクラソウ科なので 可愛い花をつけるが
私はまだそれに気づいた事がない。
「蕗のとうの天ぷらにするのに飽きた」
と前回の文に書いたら
「私は春に蕗の薹を食べるのは、待ち望むこと」
とMさんからコメントをいただいた。
そうかと 今日蕗のとうを天ぷらにした。
淡い緑の小さな芽は 寒さで少しも大きくならず
開いた大きめの花も そのままの姿で持ち堪えている。
小さいの 大きいのを12個摘んで
水溶き小麦粉をつけて揚げた。
軽く塩を振り 夕食の一品とした。
苦味と香りが こんなに美味しかったのか?