村の山に分け入る(1)

私は山の中を流れる川に沿って点在する 

村の一つに住んでいる。

 

車の離合が困難な県道を 横に入れば

杉の人工林と 雑木の鬱蒼と茂る

深い山 森の世界だ。

 

山の仕事をしている「おとうと君」が

その深い山を案内してくれた。

 

そぼ降る雨の山の中 

ヒルに血を吸われるのを覚悟で

山の中に分け入った。

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おもんばの滝

うちから車で20分走り

そして 県道を外れ林道へ入る。

雨なので 「おとうと君」の車を2速に落とし

滝を目指した。

 

神の宿る滝「おもんば」は

夏の終わりの 木の葉に囲まれて

静かに水が落ち 流れていた。

 

急な細い山道を登り 下の谷から滝の上へと

今でも続いている 年に一度のおもんば参り。

細々と続いているこの行事は

かつての人たちは信仰心から

今は伝統がさせているのではと私は思う。

 

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山奥の細い道を辿り

滝に 信仰を見出した かつての村人達。

天災 人災

様々な災いを 滝という神に救いを求めた。

この深い山を歩き 辿り着いて

そして やっとその神秘性を 感じる事ができるのだ。

枯れ草の匂いと赤トンボ

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田んぼ近くを歩くと

草を刈った後の匂いがする。

 

窓を開けて 車を走らせている時も

枯れ草の匂いで 草刈りに気づく。

 

とても健康的な匂いだ。

 

小屋の近くの田んぼも

稲刈りまで 後少し。

もう少しで 黄金色に変わる。

 

山の中を流れる 

清らかな水で育つ米は

美味しいに決まっている。

 

夕方の田んぼの上を

赤トンボの群れは

日の当たる場所を 選んで飛び交う。

 

枯れ草の匂いを嗅ぎ

赤トンボの 軽やかな飛行を眺めていると

二日前の台風が 遠い日の様に思える。

ホッと一息

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7日 午後5時

 

台風余波の強い風が

消えたのが 夕方4時ごろ。

 

雨の間に垣間見えた 

深い青色の空に

走る様な流れる雲。

 

ホッと一息ついた。

 

NHKFM「夜のプレイリスト」

ジャズギタリスト 小沼ようすけが選んだ

ジョージ・ベンソンの「ブリージン

それを深夜に聴きながら 今日はこれで。

 

www.youtube.com

マリーゴールドがドアのそばで咲いている

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ニュースの半分が台風情報だ。

近畿地方のここは

暴風圏から離れているが

山の杉や広葉樹が風で波打ち

その音が恐ろしい。

 

そんな中

風の音の合間に

秋の虫の鳴き声が聞こえる。

ホッとする。

 

昼間に2時間近い停電があった。

友達が立ち寄り

「今年は心の落ち着く時がない。

あっという間にもう秋だ」

と 私と同じ事を言った。

 

オレンジ色のマリーゴールド

ドアのそばの植木鉢で咲いている。

強い南風に吹かれて 葉っぱが枯れた。

 

明日の朝目覚めた時

どんな1日が始まるのか?

早くなった夕暮れ

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午後6時半

 

いつの間にか

日暮れが早くなっている。

 

ついこの間まで

7時を過ぎても 明るかったのに。

 

お正月から 一気に秋になった様な

せわしない 日々の連続だ。

 

風に吹かれて 

ススキや花の綿毛が

雪が降っている様に 舞っている。

美しいなぁ。

 

早くなった夕暮れの街灯の光

微かに明るさの残る空を行く雲

湿気を含んだ空気。

 

色々な事が心を過ぎった1日。

深く考えるのは 明日に任せよう。

贅沢な悩みと感謝の野菜料理

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長唐辛子の炊いたもの

 

スーパーで 色々と野菜を買う。

今の季節なら

なす きゅうり トマト オクラ ・・・

小松菜 カボチャ 生姜 ピーマン

ジャガイモ 玉ねぎ 人参 等々。

 

そんな日の翌朝。

レジバッグにいっぱいの夏野菜が

トミコさんやタツコさんから届く。

 

我が家の小さな冷蔵庫は

すでにスーパーの野菜で満杯。

 

「もう1日早ければなぁ」

たびたびある 贅沢な悩みだ。

 

毎日 食卓に並ぶ何品もの夏野菜。

今日は

冷蔵庫で一番沢山眠っている

長唐辛子の一部を 山盛り炊いた。

 

炒めて 湯と醤油 粉末だし

そして チリメンジャコを加える。

少し 煮汁が残る程度まで煮る。

「おお いい具合に出来た」

 

ケンジさんの冬瓜も 冷蔵庫で場所を占める。

早く使い切りたい。

葛煮 カレー煮 味噌汁の具

と 何種類か作ったが

もう少し調理の幅を広げたい。

透明感のある 美しい野菜だ。

 

新鮮な野菜を 早く使わなければ

という 贅沢な悩み。

白いご飯と共に

美味しく 感謝と共に食べている。

ほんのひと時の 穏やかな夕暮れ

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午後6時

 

夕方4時ごろ

激しく吹いていた南風が

パタリと止んだ。

 

息苦しいくらいの湿気。

時折降ってくる雨。

そして

西から東へと 

勇壮な様で流れ行く雲の群れ。

美しい。

 

トンビがピーヒョロと鳴いている。

高い空をゆっくりと旋回しながら。

 

 

台風が去り

次にやってくる間の

ほんのひと時の

穏やかな夕暮れだ。