自然は素直だ

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台風でなぎ倒された 人工林の杉の一部。

その後から 雑木の若い緑色が顔を出したぞ。

 

太陽の光が届けば

そこから

ぐんぐんと雑木の広葉樹が伸びて来る。

 

自然は素直だ。

土から水を 腐葉土から栄養を

光から力をもらい

ただ上を目指す。

 

私の目の前に広がる ススキの原は

眩いほどに 光り

風が吹けば うねる様に波打つ。

 

咲き誇った花達は

一斉にいなくなり

紫陽花が薄く色をつけた。

 

仕事が終われば 知らない間に

どこに行ってしまうのだろう

もういない花達。

 

私はそんな自然の成り行きを

感心しながら 見て暮らしている。

人参のオリーブオイルかけ

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チャックの育てた

完全有機栽培の 人参を貰った。

 

それは

手のひらに載る程の

小さな 可愛い人参だ。

 

人参に

特別な愛着を 感じる私は

大喜びで 夜の一品にした。

 

葉っぱは袋に入れ

冷蔵庫に。

胡麻和えがいいか

それとも 味噌汁の具か。

 

指ほどの太さの人参。

ピーラーで2、3箇所皮を剥く。

 

ひとつまみの塩を加えた熱湯で

歯応えを残す程の硬さに湯がく。

 

湯気の立つ人参を器に入れ

粗挽きの黒胡椒と

オリーブオイルを振りかける。

 

人参の甘み オリーブオイルの香り

そして

黒胡椒の微かな刺激。

 

素材が新鮮なら

料理の手間はいらない。

 

猿の獣害で悩ましい日々を送るチャックへ。

「こりゃあ 猿も欲しがるはずだよ」

キャンプの非日常

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近くのキャンプ場

 

キャンプグッズが

余りにも魅力的なのを

最近まで知らなかった。

 

テント 寝袋 飯盒・・・

これが私の知るキャンプだ。

 

枝に火をつけ

飯盒でご飯を炊く。

テントの中で 薄い寝袋に潜り込み

地面の上で寝る。

 

最近のキャンプは

ベッドもあれば 薪ストーブもあり

照明も明るく ご飯も豪華だ。

家にいる快適さが自然の中に出来上がる。

 

19世紀初頭のアメリカ。

ヘンリー・デイビッド・ソローは

メイン州の奥地を旅した。

 

野生溢れるその旅に

同行したかの様に感じた

「メインの森」を読み

キャンプの原点はこれだと思った。

 

布を棒に結びつけたテントの下

針葉樹の枝を重ね

その上で毛布に包まって寝る。

夜に雨が降れば毛布も濡れる。

自然を体感する野営。

 

近くのキャンプ場に

沢山のテントと車が

週末に 又 見られる様になった。

 

暗闇の中で 空を見上げれば 

銀河が見えるかもしれない。

そして

狭いテントの下で感じる 

守られているという安心感。

 

これは

野性味溢れる ソローの野営

車の側の快適なテント生活。

どちらも

夜空の下で 夜露を浴びる非日常は

同じだろうと思う。

馬の言葉

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眠っているのか?

瞑想にふけっているのか?

それとも

「ふん!」と怒っているのか?

 

掌に乗るほどの 小さな陶の鈴。

長い首を持って振ると

カランコロンと軽い音。

 

「ああ この音色が

この馬の言葉なのだ」

と 気づくのに時間はかからない。

 

ある時は

草原を走り抜けた時の話。

又 ある時は

ポール・リビアとの

真夜中の騎行。

 

色々な勇姿を話し出すと 止まらない。

 

雨の日 晴れの日。

その度に 違う話をしてくれる。

明日目覚めた時

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雨が降るたびに 緑が濃くなる。

若葉が出始めたのが ついこの間。

淡い緑の間に

山桜や辛夷が点々と咲いていたな。

あっという間に姿を変えていく。

 

時は素早く過ぎ去っていく。

 

深夜に

ザーザーと降る雨の音と

ラジオのから流れる声を聴く。

そして

暗い夜の雨雲の上に

輝く星空が存在する不思議を思う。

 

明日 目覚めた時

どんな日が始まるのか。

誰にもそれは分からない事だ。

「シェナンドー」を聴きながら

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トンビが私の頭の上を

くるーりと旋回したり

近くでウグイスが ホーホケキョと

上手に鳴いたりと

初夏の美しい日だ。

 

雲は青空の中を流れ

周りの山の緑は深い。

 

昼間は暑くて

半袖から出ている腕が

焼けるのを感じる。

 

太陽が 山陰に隠れると

スッと空気が冷たくなり

夜には 未だに

ストーブに薪をくべている。

 

深夜のラジオから流れる

アメリカ民謡「シェナンドー」を聴きながら

広大なアメリカの草原と

そこに流れる雄大な川が 心に浮かんだ。

 

目覚めて カーテンを引くと

広がる青空が 目に飛び込み

寝る前に ゆったりと流れる

シェナンドーを聴く。

 

平和な私の一日だったと思う。

写真集 AMERICAN COUNTRY

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分厚くて 重い本。

その重さに比例する様に

内容が充実している

心が踊る写真の本だ。

30年程前に買っている。

 

「満月をまって」を読み

ふと 

このAMERICAN COUNTRYを

思い出した。

 

アメリカの開拓時代の

食卓を囲んだ椅子であったり

子供のおもちゃだったり

物を保存したり 

衣類を入れたり。

 

といった 生活のためのものを

作ったり 買ったりした。

ハンドクラフト。

 

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本のページを繰る。

 

「満月をまって」に出てくる

ニューヨーク州の北で作られた

トネリコのカゴや陶の鉢。

 

蜜蝋のろうそく 薪オーブンで焼いたパイ

シェーカーの家具 ふすま入りのパン

細長い壺の中で牛乳を攪拌して作るバター

どれもこれも 時間と手間がかかる。

 

100年前の 質素だけれど

豊かだった生活に戻れるだろうか?

それは とても無理だろう。

 

この本は

今に生きる私達に

感傷的で 郷愁を感じさせる

そして

心をくすぐる本だ。