爽やかな甘い香り コアジサイ

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コアジサイ(小紫陽花)

 

「いい匂いがする」

と 京都からやって来た友達が言った。

 

空気が香るのは

山に野に咲く 満開の花の香りだ。

 

小屋の前の山には

満開のコアジサイ

山の奥にまで続いている。

そして それは

杉の木々の間を 薄い紫と

緑の葉っぱで埋める。

 

コアジサイの花の匂いは

爽やかな 甘い香り。

粟粒の様な姿から

こんなに優しい香りがするとは

思わなかった。

 

「ああ 本当にいい香りだ」

 

コアジサイの葉は

秋になると 明るい黄色に変わる。

緩やかな傾斜を埋め尽くす黄色。

それは 道路からは見えず

私だけが知る 贅沢な景色だ。

ジギタリス 又の名を狐の手袋

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Google画像から)

 

ジギタリス」という名前より

「狐の手袋」の方がふさわしい。

 

ピーターラビット の大事な脇役。

森の中 家の周り

ジギタリスは ピンクの釣鐘状の花を

重そうに 縦に連なっている。

 

イギリスの湖水地方

ピーターラビット の村。

その風景や文化と共に

ジギタリスは私の心の片隅に

憧れとしてあった。

 

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憧れのジギタリス

集落の周りに咲いている!

気がついたのは 去年。

 

今年こそと 山の裾や 林の中

ジギタリスの若い芽を掘り

小屋の側に移植した。

 

11本の「狐の手袋。」

玄関の側 

花壇と呼ぶには荒れ放題の地に

その花は咲いている。

 

ururundo.hatenablog.com

愛おしい驢馬

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ロバは

いつも下を向いている。

長い睫毛の伏し目がちの目。

 

シルクロード」を旅するテレビ番組があった。

もうずいぶん前の事だ。

新疆ウイグル自治区の 埃っぽいポプラ並木。

夕陽で 赤くなった景色の中を

荷物をいっぱい載せられたロバが

トコトコと歩いている。

 

私の中のロバのイメージはこれだ。

 

ポプラ並木の土の道も アスファルト

ロバの代わりに 車が忙しく走る。

その様に変わってしまっただろう。

 

耐えるロバ

頑固なロバ

そして 

歯を見せてニッと笑うロバ。

 

私の中では

ロバはいつも愛おしい。

ベビーリーフのサラダ

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ビーリーフの葉は とても薄い。

水で洗う時も 

ドレッシングをかけて 混ぜる時も

さっくり さっくりと。

 

雨がシャワーのように

サーッと降り

透けて見える程の薄い葉が

露をためて うな垂れる様。

 

その葉を摘んで 指先で切る。

カゴの中に ふんわりと重なっている様。

 

深い陶の鉢の底に

新玉ねぎのスライスを入れ

塩 砂糖 胡椒 酢 オリーブオイル。

 

食べる直前に 葉っぱを入れ

パセリもたっぷり。

下から さっくり さっくりと混ぜる。

しんなりした新玉ねぎと

強い香りのパセリ。

 

酸味は食欲を促す。

大きな鉢に たっぷりと作り

いっぱい食べる。

とても美味しい。

満足だ。

映画「Paterson」(パターソン)

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映画「パターソン」(Google画像より)

 

アメリ東海岸ニュージャージー州

小さな町Paterson。

 

その街に

バスドライバーのパターソンが住んでいる。

 

小さな家に

夢みがちな妻と

笑わないブルドッグと共に暮らす。

 

パターソンの毎日は何も変化がない。

朝目覚め 一人でシリアルを食べ

ランチボックスを持ち職場へと向かう。

そして 浮かんだ詩をノートに書き留める。

例えば

食卓の上のマッチをじっと見つめ

それを 言葉に紡いでいく。

 

帰宅後は犬の散歩。

途中で馴染みのバーでビールを飲む。

夕食は妻の独創的な料理に驚き

時にはそれを我慢をして食べる。

そんな穏やかな日々の繰り返し。

 

パターソンの書く詩は

アメリカの詩人ロン・バジェットのもの。

そしてこの映画は

ウィリアム・カーロス・ウィリアムズの本が

バックボーンになっている。

 

監督はジム・ジャームッシュ

ストレンジャー・ザン・パラダイス」で

一気に世に出た。

 

主演は絶好調のアダム・ドライバー

 

これは私にとって

印象深い映画になった。

 

www.youtube.com

 

スコッチウィスキー Old Parr

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スコッチウィスキーは

とてもいい香りがする。

馥郁とした香りとはこの事?

 

グラスにほんの少し

又は

コーヒーに数滴。

それだけで 小屋の中に

深い香りが漂う。

 

夫の友達のお土産は いつもスコッチ。

久しぶりの時は 2本。

律儀な性格そのままが

ウィスキーの本数に表れる。

 

濃い茶色の瓶の中で

静かに 眠りを貪った

琥珀色の液体。

 

長い間かかって楽しんだ

オールド パーも

そろそろ 終わりだ。

 

瓶のデザインは ビクトリア朝

と 勝手に私は思っている。

メープルシロップの缶の絵

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アメリカ ヴァーモント州にて。

20年も前に

小さな土産物屋で買った 

メープルシロップ

 

冬の間

メープルの樹液を採取し

馬車で運んでいる絵が

缶に描かれている。

 

中身のシロップは

とうの昔に食べてしまい

缶だけが 捨てられもせずに

いまだに 大事に小屋の片隅に。

 

剥げかけた価格シールもそのままに

夫の描いた メープルシロップの缶。

 

旅の思い出は 記憶から剥げ落ちず

今も心の中にどっしりと居座り

紅葉のなだらかな山並みや

白いペンキの塗られた家や

教会を思い出す。

 

懐かしい思い出の詰まった缶の絵を

仕事場の壁に貼った。