倒れたあすなろ(翌桧)の木

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翌桧(あすなろ/村の人はヒバと呼ぶ)

 

台風21号で神社の木が倒れた。

「取りに来てくれる?」

 

集落の人は

杉であれ雑木であれ廃材であれ

うちが何でも喜ぶのを知っている。

 

車で数分の神社で見た

ヒバ(アスナロ)の年輪を数える。

細かい年輪はゆうに80年は越えていた。

 

立派に立っていた大木のヒバだ。

 

内側が茶色に変色し

ふわふわの繊維状になっている痛々しい切り口。

こんなに病んでいたなんて・・・

風速39メートルには耐えられなかったんだね。

 

筏師の安全を祈願する

村の神社に80年以上。

「あすは檜になろう」

と空を見上げて育ったあすなろ。

 

来年の冬には

うちの小屋で一緒に過ごそう。

 

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あすなろの葉

すごく幸福でなくてもいい

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気持ちのいい日が続く。

 

朝 山に朝靄がかかり

太陽はまだ山の向こうから

顔を出さない。

 

冷たい空気が

肺の中まで届く様だ。

 

野菊が群れて咲き

そんな景色の中で暮らしていると

世界の出来事が遠くに見える。

 

平凡な日常が一番大事だ。

すごく幸福でなくてもいい。

質素なご飯が食べられ

清潔な服を着て

軽やかに歩ければ。

 

シリアの3年余りの拘束から解かれた

ジャーナリストの安田さんのニュースを聞き

そんな事を思った。

淡い緑のハヤトウリ

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ハヤトウリ(隼人瓜)

 

透明感のある淡い緑色。

棘のある皮をむけばねっとりと

包丁で二つに割れば

洋梨の様な形。

 

実から果汁が滲み出る

新鮮な内に食べるのが良い。

 

皮をむいてゴロンと切り

キャベツ 人参 玉ねぎ

そして 粗挽きソーセージと一緒に

ことこと煮て

マスタードで食べるもよし。

 

皮をむき少し厚めに切ったものを

さっと湯に通し

麺つゆに胡麻油 

そして すり胡麻をたっぷりと。

さっさと混ぜてご飯とともに。

 

馴染みのない食材を

なんとか使い切るというのも

毎日の生活の中での創作だ。

GYAO 映画「深夜食堂」

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映画「深夜食堂

 

原作を上回るおもしろさ。

こういう映画には中々出会わない。

 

たいていはがっかりして

映画館を出る事になる。

 

4年程前か?

コミック「深夜食堂」をAmazonで買って読んだ。

1巻、2巻まで。

面白い話だったが

3巻目にはマンネリになると感じ

そこで止めた。

 

今日 GYAOで「深夜食堂」を見た。

新宿路地裏 

「めしや」と書かれたのれんと提灯。

深夜0時から朝の7時までの営業だから

深夜食堂

 

小林薫演ずる寡黙な「めしや」のおやじの元に

悲喜こもごもの人生を抱えた客が集まる。

 

メニューは豚汁定食だけ。

でも頼めばたいていのものは作ってくれる。

 

とろろ飯をかき込む訳ありの娘

蛸の形のソーセージを注文するシャイなやくざ

甘い卵焼が定番のゲイバーのママ

いつも3人でお茶漬けをさらさら食べる

お茶漬けシスターズ

廃業したストリッパー

福島へボランティアに通う女性。

 

この映画のキャッチコピーは

「小腹と心も満たします」ですって。

 

小林薫余貴美子オダギリジョー、田中裕子。

ユーモラスに、時にはしんみりと演じる

脇役も新人もそれぞれが素晴らしい。

 

原作を上回るおもしろさだ。

___________________

gyao.yahoo.co.jp 

 

https://gyao.yahoo.co.jp/p/01029/v00443/

小学館ビッグコミックオリジナル

深夜食堂安倍夜郎著の大ヒット漫画の映画化

 

 

炭の燃える音と色

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さて 昨日

トミ子さんから貰った炭。

早速夜にストーブにくべた。

燃える薪の上にそっと載せる。

 

パチパチと音をたてて

しびしびと小さな炎をあげて燃える。

 

炭が暖房手段だった子供時代。

家族が火鉢を囲み

みかんを食べたり餅を焼いたり。

ラジオを聞きながら

姉達の話す外国の俳優の話を

子供だった私はしっかりと聞いていた。

 

隙間だらけの日本家屋で

火鉢に炭だけの暖房。

きっと寒かったはずなのに

その記憶がないのは何故。

 

今の子供達には想像もつかないだろう。

生まれた時からエアコンがあり

自分の部屋を与えられて。

 

夜になれば

家族が一つの部屋に集った時代。

そして

火鉢と炭の文化が消え去り

ガスストーブから灯油ストーブ

そしてエアコンに暖房器具が移って行く。

 

その移り変わりの中で

家族の形も変わっていったと思う。

 

忘れていた炭の燃える音と色。

懐かしいがあの時代に帰りたいとは思わない。

 

夕焼け空にシャワーの様な雨

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「あげると言うものを断ってはいけないよ。

 次にくれなくなる」

と、20代の時にしっかり者の友達が私に言った。

 

ぼんやりの私は

友達のこの言葉に甚く感心した。

「なるほど」と。

 

あの日から幾星霜

友達はずっとしっかりしたまま年をとった。

 

先日、ケンジさんが

「ガラスの入った障子を要らないか?」

と、私に聞いた。

 

「誰かに要るかと聞いてみましょうか?」

と 年とった私は

こんなに上手く断る事が出来る様になった。

 

今日、トミ子さんが

「炭を貰ってくれんか?」と言ってきた。

30キロ用の紙の米袋3っつの炭。

60年 納屋に置いたままにしていた

とても上等な炭だ。

 

夕方

綺麗な夕焼け空にシャワーの様な雨が降った。

冷たい秋の夕べ

薪と一緒に炭を燃やすのもいいのではないか?

とても上質な楢の炭だ。

煙突から揺らぐストーブの煙

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稲刈りの終わった田んぼで

籾殻を燃やしている細い煙。

屋根から突き出た煙突から

ゆらゆらと揺れる煙。

 

秋の夕暮れ時

煙は人の心を

少なくとも私の心を

ほっとさせる。

 

「台風で倒れた木を取りに来て」

と言うお知らせがはいる。

 

今日はこちら 明日はあちら。

四駆の軽トラで山の林道を登る事も。

 

そうやって夫が集め

斧で割った杉、檜、雑木を

私が薪小屋に猫車で運ぶ。

7個の薪小屋に

来年用の薪が積まれていく。

 

樹皮や切り口で分かる木の種類。

紅葉 栗 柿 胡桃 山桜・・・

勿論 杉や檜も。

 

朝早く

車を運転している窓から見る

煙突から揺らぐストーブの煙。

とても平和な光景だ。