お盆の入り

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 雨降りの後

 

雷が鳴っても

この雨はありがたい。

 

少しは涼しくなるはずだ。

そして

埃の被った車も

「ああ、すっきりした」

 

と言う私も

激しく降る雨の午後

夫の両親の墓参りに京都へ行った。

 

雨に濡れたお墓。

 

念入りにたわしで洗い

花を生ける。

 

立ち上がった時に真正面に見える

比叡山から東山。

夕方の空にたなびく雲が美しい。

 

行きも帰りも渋滞に掛かり

家に辿り着いたのは

薄暗くなった7時だった。

地に這うトマト

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午前7時

 

どうせ実など成りはしない

そう思っていた。

 

去年の夏

ミニトマトの苗を20本余り植えた。

広い畑を持たない私は

あちらに数本

こちらに数本と植え

新鮮な小さなトマトを毎朝食べた。

 

去年に落ちたトマトから

今年は3本の芽が出て

私の無関心を気にもせず

茎を伸ばし

黄色の花を咲かし

淡い緑の実まで付けた。

 

数日前

「あれ?、トマトが赤い」

ひっそりと しかし 自慢げな

小さな赤いトマトの実が二つ。

 

同じ畑でのトマトの連作は良くない。

「でも、でもね

このフレッシュな味と弾ける皮。

いいと思いますよ」

 

畑とも花壇とも言えない地に

這うトマトの茎。

 

朝の冷気と明るい光を浴びて

どうぞ自由に生きておくれ。

小さな生き物

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ドアの上のライトに群がる虫達。

昼間に静かな虫達も

暗くなると活発に動き出す。

 

その虫を狙って蛙がやってくる。

こつんこつんと

ドアにあたっているのは誰だ?

 

昨夜だ。

ドアの前で

蝉が激しく鳴く。

ドアにバタバタとあたる音もする。

 

そして今日の夕方

私は見つけた。

石の陰に潜んでいる蝉を。

 

手のひらに載せて裏を見る。

体も頭も空洞の蝉。

これぞ空蝉。

 

短い時を生きる小さな生き物。

薄い羽で海を渡るという蝶。

共に逞しい生き方だ。

かわいいいが栗坊主

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隠れていても見つけるよ。

濃い緑の葉っぱの陰に

身を潜めているいが栗坊主。

 

まだ夏の盛り。

道に落ちている青いいがの栗に

私は驚いた。

 

見上げると

たわわに実る

若い緑の子供の栗達。

 

まだ先の事だと思った秋の到来を

道の上の

かわいい緑の塊に見つけた今日だ。

小糠雨の一日

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小糠雨が一日中降った。

 

小屋の周りの樹々や草は

奔放に枝や葉っぱを広げている。

 

久しぶりの雨に

それも優しい雨に濡れている植物達。

乾きすぎて固くベージュ色の土も

雨を吸って黒い土に変わった。

 

湿度は高いが

空気は冷たく

先日までのあの暑さは

一体なんだったのか。

 

深夜の今も雨の落ちる音がする。

ポトポトポト・・・

 

「ん?、うちに居候の蛇は

 もうどこかに行ったのか?」

久しぶりに思い出した「例」の蛇。

 

台湾朝顔の青い色

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私の住んでいる地域には

小学校が一校ある。

 

街からやって来た家族の子供が4人

そして先生が6人程。

 

今年も花の苗とイラスト付きの

自己紹介を持っての訪問があった。

「インドに行きたい」

「画家になりたい」

「好きな音楽はオペラ」

「好きな動物はおおかみ」

 

自己紹介を読みながら

「おお、そうかい、そうかい

 

たった4人の生徒だが

ニコニコと話す子もいれば

目を合わせると

ふっと緊張した表情になる子もいる。

 

私はどんな小学生だったのだろう?

生徒達の顔を見ながら思う。

 

年の離れた姉達の間で育ち

随分とませた子供だったに違いない。

 

貰った花の苗の台湾朝顔

今朝も一つ咲いた。

水色でも空色でもない

とても気品のある青い色だ。

 

黒の帽子

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「DAISOのペーパーヤーン3個で

さっさと作りました」

と、私より随分若い知人が言った。

 

褒めると「じゃあ、作りましょう」

と、さっさと作ってくれた。

 

普段は帽子を被らない。

ざっくりと編んだこの帽子。

風通しがよさそうで

夏にはいいんじゃないか?

 

帽子の縁を

黒のワイヤーで補強した。

ざくざくと刺しただけだ。

 

一目づつ編まれた

ざっくりとした黒の帽子。

 

特別に暑い今年の夏を

この帽子をヒョイと被り

サイザル麻のバッグに

水のボトルを入れて

さてさて 出かけよう。