午後5時35分
やる事が沢山ありすぎる。
寝る前にメモする。
一日の終わりにそれを見る。
全部終えている事はまれだ。
さて今日は
朝から強い北風。
すらりとしたコスモスやダリア
センニチコウの茎が倒れた。
窓の白い木綿のカーテンが
旗の様に吹かれている。
近づいて来る台風に
「ちょっと用事があるから」
と、断るのは失礼かな?
心がザワザワと落ち着かない
突然の秋の到来。
アマガエル
私がやっと字を読める様になった頃
家族が私に買い与えた絵本。
それは
白雪姫であったり
シンデレラであったり。
はまぐり姫と言うのもあった。
かぐや伝説のはまぐり版だ。
風邪を引いた時に買ってもらったイソップ。
漫画版のイソップは
私の空想を膨らませ
少しの外国の文化を感じさせた。
おやゆび姫はそんな中でも
とても不思議な物語だった。
池の睡蓮の葉っぱの上に座っている
かわいいお姫様とグロテスクなカエルの王子。
そのお姫様を救い出すツバメ。
ツバメの背中に乗って空を飛ぶお姫様。
ゾクッとするアンデルセンの物語。
木の枝にちょこんと座って眼を細めている
小指の先程のアマガエル。
「かわいいな」
じっと見ている間に
子供の頃の情景や
おやゆび姫の事を思い出したよ。
この暑さで何をするのも嫌だ
と言うトミコさんから貰った
一抱えもある紫蘇。
これは
紫蘇ジュースを作って欲しいと言う
トミコさんの無言のお願い。
だって
空のペットボトルまで
渡すんだもん。
紫蘇の葉をちぎり取り
「おお、いい香り」
そして洗って
グラグラと沸いた湯の中に放り込む。
紫の葉っぱが緑に変われば取り出すんだ。
たっぷりの砂糖を加え
クエン酸も加えると
さっと深紅の液に変わる。
ゆっくりとしゃもじで混ぜれば出来上がり。
6リットルの深い紅の原液。
これを何倍にも薄めて飲むのはご存知の通り。
氷を入れたグラスに原液ジュース。
蛇口から溢れる出る伏流水で薄めると
グラスの中で氷がカラカラと鳴る。
「トミコさん、出来ましたよ」